事が、 不意で在れば在る程。
事の影響力は、 大きく成るけれど。
其の事が、 渇望し続けた事で在れば。
其の影響力は、 殊更、 大きく育つに違いない。
確かに、 素直とは言えぬ人だけれど。
今、 此の瞬間を。
待ち望んで居たと、 仮定すれば。
欠片は紡がれ、 一つの大きな流れに変わるから。
強引に、 拒否を曲解して。
突き進んでも良いのだろうか。
嘗て何度も、 其の機会を窺ったけれど。
「満月、見に行かない?」
「嫌だ。」
姫は、 一度たりとも、 肯く事は無かったのに。
偶然空を見上げ、 其処に、 丸い月灯りが在る事を。
隣の姫に告げた時。
「小坊主と一緒に観る事なんて。」 「無かったら。」
殊更寂しそうに、 けれども、 殊更嬉しそうに。
姫は笑い、 そう答えた。
本当は、 ずっと見たかったの?
本当は、 一緒に飛びたいの?
---------- References Oct.24 2004, 「飛べぬ理由は何処ですか」 Sep.24 2004, 「恋人関係に戻れますか」 |