其の言葉に、 重みを乗せたいから。
口先だけで無く、 想いの乗せられた言葉を、 贈りたいから。
逆説的な言葉や、 時間的経過を、 其処に付け加えて。
言葉を、 大きく強く育ててから、 贈るけれど。
逆に、 言葉は肥大化して。
針の様な鋭さを、 失ってしまうのだろうか。
其処にはきっと、 結論だけが必要なのだ。
其の文脈に、 其の理論に、 欠落が在ろうと。
唯一、 結論だけを欲して居るのだ。
「小坊主は。」 「私と合わないと思ったことある?」
「無いよ。」 「合わないと思ったら、とっくにやめてる。」
此れ以上の言葉は、 不要なのだ。
其の壁は、 其の予防線は。
必ず、 言葉の裏だけを、 言葉の影だけを、 大きく育てて取り込むから。
是か、 非か、 両極の解答以外は。
如何なる言葉も、 俺と姫と、 引き裂く方向の意味として、 姫には囚われる。
「普通なら選ばないかも知れないけれど。」 「俺は姫を選んだんだよ。」
其処には。
選択の重みと、 決意とを、 込めた心算なのに。
「まだ、良い人が現れていないから。」 「私が一番良いと勘違いしているんだよ。」
合うか、 合わぬか、 其の解答など。
何処かへ、 飛んで消えて終うのだ。 |