雲間の朝日に想うこと


< 知らないふりは許されますか >


周囲の人間で、
其の事実を知らぬ人間は。

唯一、
俺自身だった。



一番身近で、
一番敏感に、
其れを察知せねばならぬのに。

告白で初めて、
気付いた。






平然と、
彼女は言い放つ。



 「一番最初に。」
 「教えたんだよ?」



確かに報告は、
真っ先に手元に贈られて居た。

彼女らしい文で。












 「私くらいの女性が、子供連れて、小坊主位の男と、」
 「婚姻届を出してたんだ。」

 「その子供、役所の人に『○○さん』と呼ばれたら、」
 「『僕○○じゃないよ』と答えてたよ。」

 「笑っちゃった♪」












姫の言葉に、
魅せた苦笑は。



照れ隠しでは無い。


鋭く反応すべき言葉に、
応えられぬ自身を。

恥じた訳でも無い。







其の、
幼気な様子から。

小さな胸の痛みと伴に、
想い出したんだ。





全う出来なかった、
想いと。

貴女を。
小さな彼を。








 「本当に分からなかったの?」

 「うん・・・。」

 「鈍感!」








鈍感を装わなきゃ。

其の場で、
想いを、
見破られそうだったからなんだ。


2004年05月08日(土)


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2003年05月08日(木) 希望が無いのですか





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小坊主
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