行為が、 嫉妬を喚んだなら。
未だ、 修復の方策が在る。
けれども。
不安が暴発して、 迷走を始めてしまったら。
想いが創り上げた壁が。
全てを、 跳ね退けてしまうから。
其の壁が消える迄、 時を、 待たねばならないのだろうか。
少々離れた土地からの、 久々の近況報告。
受話器越しに聞こえた、 女性の笑い声は。
的確に、 姫の猜疑心を増殖させた。
「もしも・・・私のカンが当たってたら。」 「私はあなたを絶対に許さない。」
「私の勘違いだったとしたら・・・」 「疲れました。」
確かに、 真夜中に届いた電話。
疑心や不安を産むには、 十二分な電話。
けれども、 隠し事が必要では無いから。
姫の目の前で、 俺は電話に出たんだけれどな。 |