後悔と言う言葉も、 未練と言う言葉も。
時系列を後ろに向かう、 単語だけれど。
過去の選択に不満を持ち。
再び同じ選択をするまいと、 願い想う向上心が、 其処には在るのだから。
後悔も未練も、 其れ自体を否定する必要は、 きっと無いんだ。
彼女の好きな男が、 地元で料理を創って居る事。
彼女と二人で食べて居た料理が、 店に並んで居る事。
彼の大好きな、 季節の素材を使う料理が、 今も変わらぬ得意料理で在る事。
「小坊主さん。」 「聞いて下さいますか。」
後輩から届いた手紙に、 記された事実と。
そして。
其の隣に並んで、 自分が料理を創って居たかも知れないと言う、 想い。
「乗り越えられたつもりだったのに、」 「駄目みたいで。」
其の日々を、 真剣に、 過ごせば過ごす程。
其の時々を、 懸命に、 想えば想うほど。
後悔や未練は、 大きく育ち得る物だから。
乗り越えたと、 結論付けた筈の想いが。
突然蘇り、 自身に鋭く刺さる事など、 自然な事なんだ。
大切な事は。
乗り越える事に在るのでは無くて、 別の場所に、 こっそり隠れて居るんだよ。
---------- References Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」 Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」 |