< 偶然のおはようでしょうか >
徹夜明けの気だるさを引き摺った儘で、 貴女の声を聞いたのは。
一体何時以来の事になるのだろうか。
早朝と言えども、 早起きの貴女はもう起きている。
俺から貴女を必ず捕まえられる時間帯が、 確固たる物として在る。
俺はこの安心感に何度も救われて来た。
其処に在る癒しは。
疲労感を封じ込めて、 もう一日だけ踏ん張る力を与えてくれるのだ。
「おはよ。」
「今起きた・・・ありがと♪」 「目覚まし止めて寝ちゃった。」
偶然の電話。
意図とは何ら関係の無い、 正真正銘の偶然。
結果として。
思いがけず貴女を起こす事となった俺の声は、 貴女に一日の幸福感を贈ると言う、 乙な働きを成し遂げた。
偶然の積み重ねが、 何か大切な物を掴んだ時。
少しだけ二人が、 強く結ばれている気がして幸せだ。
二人の絆が呼び込んだ、 偶然では無く当然であるかの様な気がして、 幸せだ。 |
2003年05月19日(月)
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