< 貴女のペースですか >
好き。 好き。 好き。
言葉の繰り返しが持つ魔力。
記憶と呼ばれる作業が、 神経の回路を繰り返し繰り返し巡る物で在る限り、 魔力の衰えは在り得ないだろう。
好き。 好き。 好き。
何度も何度も浮かぶ想い。
言葉の繰り返しは、 何時の間にか想いの繰り返しへと進化を遂げ、 言葉の魔力は、 何時の間にか俺と貴女の境界を無くして、 二人を融合させるんだ。
好き。 好き。 好き。 好き。
好き。 好き。
「一休さん・・・」
俺の口から吐かれた物は、 凄まじく質の低い言葉。
何の技も捻りも無い言葉が、 脳裏に浮かんで消えなくなった。
「アタシが一休さん?」 「坊主は小坊主でしょ?」
鬼の首を獲った様に喜ぶ貴女。
想いの繰り返しは、 徐々に徐々に俺を蝕んで行く。
好きの繰り返しが、 徐々に徐々に俺を貴女に近付ける。
俺の人格を破壊されたのか、 俺の人格を呼び起こしたのか、 それは定かでないけれど。
貴女の調子に、 貴女の冗談に、 俺はすっかり汚染されている。 |
2003年02月18日(火)
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