雲間の朝日に想うこと


< 独善の想いでしたか >


人が人に何かを与える時、
人が人に奉仕する時。

決して見返りを望む訳では無く、
決して感謝の心を期待する訳でも無い。




好意の押し売りなど、
善意の押し付けなど、
有ってはならない。

それだけこの思いは、
崇高な物だから。







俺が貴女に何かを与える時、
俺が貴女に奉仕する時。

決して見返りを望む訳では無く、
決して感謝の心を期待する訳でも無い。




愛情の押し売りなど、
愛情の想い込みなど、
有ってはならない。


それだけこの想いは、
高貴な物だから。










 「六月も九月もそっちに行くから!」
 「十二月も絶対そっちに行くから!」



俺の誕生日と貴女の誕生日。
俺の住む地域と貴女の居る地域。

二つ偶然から、
二人の逢える機会を増やす事が出来る。


この事実を伝えると、
貴女は嬉しそうに弾んでいた。



 「十二月じゃ、俺がここに居るかわからないでしょう。」
 「仕事次第でしょう。」

 「そっか・・・」



余りに先の事。
未確定な要素が多過ぎる月日。

そして、
開けた未来への期待感。
見えかけた未来への期待感。



それだけを伝えたかったのに。













この事実を伝えると、
貴女は突然泣き出した。



 「環境が変わると・・・」
 「良くある話だよね・・・」
 「小坊主は離れて行かないよね・・・」



いきなり半泣きになる貴女を扱い切れずに、
戸惑いを隠せない。





何が不満?
そんなに不安?
今を変えるなと言う事?
来られなくて良いと言う事?


俺が進めば、
貴女を側に呼べるのに。

俺が進めば、
貴女ともっと近付けるのに。
















愛情は一方的であって、
相手を想う心のみで構成されている。

愛情は一方的であって、
相手から想われる心は何処にも無くて良い。



俺が只、
至極当然である事を忘れていただけ。


2003年01月27日(月)


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