< 見守られていましたか >
場の雰囲気が一瞬で変わった事を、 俺は本当に理解出来ていたのだろうか。
友人の問いに、 俺は答えるべきで無かった。
俺の解答は、 自暴自棄以外の何者でも無かった。
友人達の問いは、 自然な問いなのに、 俺は不自然にしか答えられなかった。
けれども。
唯一の視線だけが、 柔らかで、 温かで、 少しだけ心強かった。
同期と開いた新年会。 昔馴染みと飲んだ新年会。
「小坊主はどうなの?」
堰を切ったかの様に、 言葉が溢れて止まらなかった。
皆の驚きは、 徐々に笑いへ変わった。
「小坊主もやるねぇ。」
機関銃の様に、 言葉が口から飛び出て行った。
皆の笑いが徐々に、 只の羨望へ変わって行った。
真剣味なんて何処にも無い。
自虐的に言葉を並べて、 道化の様に自分を魅せた。
「節操無さ過ぎ。」
そんな言葉しか返って来ない事など、 分かり切って居たのに。
そんな言葉を返して欲しいから、 話した訳では無いのに。
君から届いたメール。
「小坊主の発言に、みんなびっくりしていたねー。」 「私は知ってたけどさー。」
全ての事実と、 俺の言葉の真の意味は、 きっと君には届いていたよね。
「しもやけに注意してね。」
何時までも子供扱いだけど、 何時でも変わらぬ気持ちの様で、 それが嬉しかった。 |
2003年01月08日(水)
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