貴女と逢う時は、 いつも波乱が抱き合わせだったから。
貴女と逢う時に、 逢う事だけに集中出来た事など、 お互い一度も無いのだから。
「秘密」 「時間」 「旦那」 「アイツ」 「天候」 「小さな彼」
二人に課せられた、 二人を引き離す要因。
不安感や焦燥感や圧迫感や威圧感で、 貴女だってきっと、 休まる時が無かった筈だから。
だから少しだけで良い。
何も考える事無く、 貴女と向かい逢う時が欲しいんだ。
お互いが逢う為に、 二人の関係を続ける為に吐いた嘘。
それが原因で、 俺は妻子がある架空の不倫相手と認識されている事。
嘘の為に生まれた貴女の母親の不信感と、 その為に得られない協力。
「小さな彼を預けられないかも・・・」
貴女を選んだ時点で、 生まれる事は決まっていた。
乗り越えなければならない壁だけれど。 溶かさなければならない気持ちだけれど。
そんな物は糞喰らえと思ったけれど。
逢えないかも知れないと言う隠し味を混ぜて出されると、 重くて消化し切れない。 |