< 腕の中の温もりが届いてますか >
受話器越しに貴女に触れて、 受話器越しに貴女を抱いて。
受話器越しにお互いを感じて、 貴女が達して俺も達して。
何度も何度も貴女へ気持ちを贈った筈なのに、 顔をぐしゃぐしゃにして泣き出した貴女。
俺の気持ちが足りないのか? それとも貴女の周囲に何か起きたのか?
突然降って湧いた疑問に戸惑って、 収拾のつかない俺の中枢。
「ごめんね・・・」 「ごめんね・・・」 「ごめんね・・・」
謝り続ける貴女を、 俺はちゃんと支えていられたか?
漠然とした不安に、 今にも潰れてしまいそうな貴女を、 俺はちゃんと安心させられたんだろうか?
貴女に届ける久しぶりの声は、 いつもの俺だろう?
だから早く、 その垂れた洟を拭きなってば。 |
2002年10月02日(水)
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