★今邑彩。 『鋏の記憶』

連作短編集。
表題作は、文字通り鋏の持っている記憶を、過去からたぐり寄せる。
つまり、「残留物感知能力」を図らずも持ってしまった少女を
サイドに、物が持つ記憶を辿って、思わぬ真相を探り当ててしまう。
しかし、この特殊能力がメインディッシュではない。
あくまでも、その真相を探り当てる過程が中心。
だから、お話がべたべたしていない。
しかし、この少女もたぶん、その能力について考え、自分探しの
旅に出ることがあるだろう。そんな長編を読んでみたいと思う。
2001年06月27日(水)
By ちゃいむ

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