★加納朋子。 『ガラスの麒麟』

出てくるのが女子高生、というのでちょっぴり危惧していたが、
意外にすんなりと読めた。
たぶんそれは、女の子たちが自分で語るのではなく、それを冷静に
分析する目線がすこしワタシを安心させるせいだろう。
なぜ「危惧」なのか・・・文中にあるこの年ごろの「空白、からっぽな」
時代を、一体自分がどうすごしていたか、それこそ空白で思い出すこと
すら出来ないことが、ワタシをその時代から遠ざけるのだ。
そんなことを、思っていたのだっけ・・・?
しかし、彼女たちを取り巻く親、家族、友だち、先生の目を通すことで
それらは微妙に繋がりをもって問いかけてくる。

「生きている人間は笑わなくっちゃ駄目なんです」
その言葉は決して軽くはないが、救いの言葉でもある。
2001年06月19日(火)
By ちゃいむ

My追加

*back *next *Menu *First *New!! *Mail *Home* 

Edit by オレンジミルク。