初日 最新 目次


うたかた
sakurako

2009年12月31日(木)
ご挨拶

本年もTwnetyfour-Sevenをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
サイトの更新は日記のみ、オフラインもぼちぼちの発行ペースでありましたが、お付き合いくださった方々に心から感謝を申し上げるとともに、来年は今年以上に平新道を邁進する所存でございますので、よろしければ来年も変わらぬご愛顧をお願い申し上げる次第でございます。
リアルに遊んでくれたお友達にも深く感謝します。キミたちは橘の萌えの根源です。来年も遊んでくださいね!
そしてスケジューリングから、原稿取り立て、校正に売り子と相変わらず過酷な労働を強いられた編集者にも。どうもありがとう。

皆様よいお年をお迎えください。

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2009年12月30日(水)
総括(ポ祭自粛)

タイトル通り、風邪気味のためポ祭は自粛する。キクチさんの発言はそれはそれは面白いのだが私は音楽が一番好きで、だからライブなら無理を押してたかもしれないがトークだったからまあ次の機会。来年、花と水の再演をするらしいので絶対行きたいなー。
そんなわけでなんとなく総括。

新刊
熱病の起源/記憶喪失学(5/4)
まなつのくに(8/15)
エンドレスエイト(8/23)
夏平新0.5(12/29)

5月のをセットで1冊と考えて4冊。まなつは快新なので平新的には3冊。多いようだがページ数はまなつ1冊に満たないのでなぁ……でも頑張ったか。

読書
まんが入れても100冊弱かと……特に心に残ったのもあんまりないなあ。「真鶴」とか「1Q84」、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」「鴨川ホルモー」あたりか。来年はもう少し頑張ろう。時間取りにくいから喫茶店とかで強制読書タイムを作ろう。

映画
ONE PIECE -FILM- STRONG WORLD
劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜
this is it
キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語
KIKOE
サマーウォーズ
銀幕版シ○ケンジャー
南極料理人
エヴァ破(2回)
アンティーク 西洋骨董洋菓子店
名探偵コナン「漆黒の追跡者」(2回)
「ルパン三世」&ドキュメント「ルパン三世とその時代」
N43°
K-20 怪人二十面相・伝

なんかほぼアニメとキクチさん関連に二分されてるというこの乖離感。来年はフェリーニとゴダールを沢山見ようと思いますが実はDVDプレイヤーが壊れました。ふた開けて掃除機かけただけなのに!


11/13-15 札幌・小樽
8/22-23 大阪
4/10-11 仙台
2/7-8 茨城

私にしては適度なペースだ。何もしない温泉とかホテルステイを少し増やしたいところ。

舞台・ライブ
横町慶子SOLO ACT VOL.01「かわうそ」
中島みゆき「夜会」vol.16
Close to JAZZ@晴れたら空に豆まいて
菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズvol.1/2
菊地成孔コンサート2009 第一夜・ニ夜
intoxicate presents “Ecole plus”
山風札幌ドーム
「さようなら猫楠」
Flying Jam Summit 2009
ALI PROJECT TOUR 2009
菊地成孔3days
ドリアングレイの肖像
菊地成孔DUB SEXTET '09 summer 〜神経/無意識/エレクトリーク/夜〜
ストアハウスカンパニー「箱」
結成40周年記念 山下洋輔トリオ復活祭
星の大地に降る涙
シ○ケンジャーショー(Gロッソの)←間違い、バサラだった!何か願望が(笑)。
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール@東京グローブ座
音楽舞闘会・黒執事「その執事、友好」
伊東四朗一座・熱海五郎一座合同公演「喜劇 日本映画頂上決戦〜銀幕の掟をぶっとばせ!〜」
ダブ・セクステット 東京キネマ倶楽部
菊地成孔+南博「花と水」ツアー凱旋 ビルボードライブ東京
舞台「キサラギ」
下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール「第二回革命舞踏会」LIQUIDROOM
金色のコルダ-ステラ・コンサート2
NODA MAP 第14回公演「パイパー」

31本!
行ってる人に比べたらまだまだだが、私としてはココ頑張った! キクチさんはほぼ皆勤だしな。そして31日は東京月光魔曲の年越しスペシャルカウントダウン公演に行くのでうきうきです。風邪も良くなったし、そのまま初詣だぜー。

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2009年12月29日(火)
冬コミ御礼

取り急ぎ。
冬コミで「Twentyfour-Seven」スペースに足を運んでくださった皆様、本をお手にとってくださった方、お求めくださった方、お声をかけてくださた方、お喋りしてくれた友達、皆様本当にありがとうございました。
差し入れ早速おいしく頂いておりますなう。ご馳走様でした。
かわいらしくも激烈有能な売り子がずっといてくれたので、ウチにしては手際良く対応させていただけたかと思います。感謝。
今回、自分のミスで自力搬入搬出となっちゃたんですが、案外気楽でいいものでした。猫の場所が雨天シフトだったせいか、搬出はいつも以上に大変だったみたいです。3日ともそうなのかわからないのですが、明日以降の方はご注意を。
ごはんもお酒も美味しかったし、冬の祭典を堪能した! しまくった!
頂いた応援や萌えやパワーは必ず次回の栄養にします。
楽しいオタクの締め括りでした。

おかげさまで「エンドレスエイト」と「夏平新0.5」完売となりましたー。
夏平新のほうはオフでリベンジ! その際にはコピーお持ちの方に割引させていただきたいなと思っています。

では皆様、ほんわかで健やかな年末年始をお過ごしください。
明日・明後日が本番という方、頑張って!

追補。
あんなラディゲで終わると思わなかったんださすがにさ……あー…あくまかよ…(読み直してる)

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2009年12月28日(月)
いとここん

噛みそうだよな。
月末振込があるのでまたしても「風邪じゃない風邪じゃない」と呪文を呟いて出社。めくるめくフル稼働。チキンタツタと見舞い御礼のミスド福袋(リスとポンデがあったらしいがちゃんとポンデを引き当てた。しかしまたポイントカードの期限が切れてた……)と化粧液と風邪薬(近所の薬局で基礎化粧品を買うので私としては化粧品店という認識だったがそうだここは薬局だと気付いて(笑)症状を相談したら親切にいろいろ教えてくれた。しかも買った薬は激効いた)を抱えて帰宅。変な時間に電話が鳴る。電話を見ると亡くなった叔父から……といってもホラーな話ではもちろんなく、叔父の嫁というか叔母さんからである。それにしても叔父が亡くなってからはじめてだから5年ぶりくらいかと身構えたが何のことはないめでたい話であった。いや油断してたな、父方の従兄弟は全員年上で既婚だし、母方は電話が来た家の兄弟だけなんだが、ここはみんな職人気質というか結婚よりキャリアってタイプだと思ってた……うわードレス着物ヘアメイクご祝儀……。



2009年12月27日(日)
うちの学校には中谷宇吉郎氏の碑があるんだぜ

起きたら完全にくしゃみ鼻水悪寒に筋肉痛。気のせいにして窓拭きを続ける。洗濯機パンも黴臭さが気になっていたので拭く。何かが外れたらしく夏の筧さんみたいに水が漏れる……1階でよかった。さすがに南さんのライブは諦めて予定してた買い物とネイルだけでも、とすっぴんフルもっこで出かける。くしゃみ連発でネイリストさんには申し訳なかったが、とてもいい人で銀青のラメグラデに雪の結晶シールを貼ってきれいにしてくれた。編集者が食料を届けてくれる。人の親切が身に染みる。ありがたや。


2009年12月26日(土)
una stella cadente

浴衣の福袋が届く。希望の柄ではなかったが、絞りの浴衣と浴衣下(大うそつき)、博多の半幅に小物(扇子ケースとはこせこ、丸ぐけの帯締め)で3万円だから、かなりお買い得ではある。眠くて眠くて身動きが取れないほど。うたた寝して目覚めたら更に悪化。風邪じゃない風邪じゃないとぶつぶつつぶやきながら窓を拭いたり換気扇を拭いたりする。大掃除はこの程度で終わりそう。


2009年12月25日(金)
空中庭園クリスマス

を、書こうと思って「高校生は24日あたり冬休みなのかどうか」で真剣に悩む(休みみたいだ)。
今年は平日だし立て込んでたので楽しく過ごすことを最優先に手作り(とも言えないが)は恒例のオレンジピラフだけにして、日本橋でサラダを物色する。スープは購入済み。更に最寄り駅で予約してたケンタッキーを受け取る。小さい店なのに長蛇の列。予約しててよかった。ケンタって11月までの赤字決算を12月だけでひっくり返すんだって。決算書を想像するとぶるっとなる、なんか(笑)。
スープ(オマール海老・ボルシチ)
オレンジピラフ
ホワイトアスパラのサラダ
クリスマスの12品目サラダ
ケンタッキー(照り焼きチキン、ナゲット、チキン、何か辛いの)
チョコレートケーキ(ホール、マカロンつき)
プレミアムビール
バローロ・キナート カッペッラーノ(抜栓後1ヶ月くらい持つみたいだからゆっくり楽しもうと思う)
今年は鳥皿(「取皿」ではなくうちで一番大きな鳥ガラの皿のこと)にまとめて盛ってみたら絵的にちょっと良かった。空腹だったのでばばばっと食べてしまったけど(笑)。
おうちクリスマスは、特別感は外食に比べたら薄いかもしれないがほっと心和むし、記憶にもちゃんと残る。今年も良いクリスマスが過ごせたことに感謝。



2009年12月24日(木)
"Although it's been said many times, many ways"

……そうか。
ご贔屓さんはわかってらっしゃると思うけどうちにクリスマス更新とかはないですよ(笑)。
かわりにキクチさんのクリスマスソングを。
ttp://www.myspace.com/kikuchinaruyoshi

メリー・クリスマス、心から。



2009年12月23日(水)
冬の発行物

ページをつくりました。トップの「冬コミオフラインページ」からどうぞ。
スペースは、
12/29 東5ネ14a 「Twentyfour-Seven」(平新)
新刊は
夏平新0.5(A5コピー・20P・200円(予定・予価))
です(これだけですほんとすいません…!)
微妙に薄暗い(かどうかは個人差があると思うけど)夏の(夏の!)エロ本。やってばっかりです。ベッドと車内とプール。合間に鱧。

ONE PIECE -FILM- STRONG WORLD
見たー!! 以下ネタバレ多少。
鳥好きとしてはとにかくビリー。ビリー。ビリー。(3回言った)
3・4がなくて5がキル・ビル。やっちまいなー(大好き)。
遊郭みたいな決戦の舞台はすごくよかったです。正装もよかった。
しかしナミを工藤に、ルフィを黒羽にすると見事に快新。
もっと平新要素を……! と、捏ね回してみる。
ルフィ=江戸川、ナミ=新一子、サンジ=新一、ゾロ=服部、ブルック=白馬、チョッパー兼ロビン=灰原。これでどうだ。
あ、黒羽抜けちまった。いかんいかんとサンジ=黒羽に設定しなおす。新一子は趣味で入れてしまったがこの場合不要であった。この設定の問題点は江戸川が工藤を助けに行くことになることによる萌え不足。というか橘はさんぞろです。うー。
翻案するなら知能犯で愉快犯の狙いにいちはやく気づいた工藤が先陣切ってというか勝手に単独でアジトに乗り込むわけだ。後続部隊は工藤の意図に気づいて討ち入る、と。ハンググライダーに引っ張られて飛ぶ服部が見たい。
私はざむぷ全般にあまり詳しくないのですが、すごい細かい設定まで丁寧に作っている感がむんむんとして(方向音痴とか)楽しかったし泣けました(そうだ泣けちゃうからワンピ読めなくなったんだよチョッパーの話なんていまだに大号泣だぜ)。
ロスト・シップの予告がかかんなかったことだけが心残り。まだ見れてないぜー。



2009年12月22日(火)
冬至といえばゼロ

見知ったような顔とすれ違ったような気がする、12月。逢魔が刻。
駅の名前がウラジオストクに似ています。
平新便を発送する。
おお振りと黒執事を買う。どちらも二期おめでとう。
かぼちゃを支給する(鳥に)。
ゆず湯に入る。
明日ワンピ見に行こうか悩む。いっそ全然知らないまま書いて編集者がいちいち突っ込むってのでいいんじゃねえか。いやでもしかし。

怒りに全身が震えるという事態が本当にあることだと、オレはその時はじめて知った。震えはいつまでも収まらず、頭の中で文字の断片が踊っている。
「かなう相手じゃねえ」
「オレは無事だ。待遇は悪くねぇ。大丈夫だから」
「だから」
「助けには、来るな」
服部が横から手を伸ばして便箋をもぎ取り、短い手紙にひととおり目を走らせると、あの阿呆、と一言、吐き捨てるように言ってくるりと背を向けた。
「服部! オマエ」
「まさか見捨てる気ですか」
服部はオレたちに背中を向けたまま長いこと黙っていたが、やがて低く呟いて部屋を出て行った。
「……上等、や」
その背中が細かく震えていたことに、オレはその時、はじめて気がついたのだ。

赤玉ワインを飲んで寝た。

こっちからですみません、姉妹たち拍手ありがとう!
文責はとりあえずなので新作をなんとか……!
URLなんとかならないのかは悩み中。でも友達とかじゃなきゃそんなにURL見ないんじゃ……って甘い考え。

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2009年12月21日(月)
夜のガスター10

後藤を待ちながら、並に上出来だと自画自賛。

愛の平新便を発送しようとしてハタと気付く搬入締め切りは明日。明日朝イチで発送すればなんとかなるかもだがしかし出社前に発送は無理。じっと手を見る。諦める。カートで手持ち搬入だなー、くー。ショックで平新便の発送も忘れちまいました。ごめんちょっと待ってねー。つきとーさんに「「コピーでいい」なんてゆってたらギリで痛い目みるよー」とご忠告頂いてたのにこんな初歩で躓きましたよ。ウチ案外オフが多いから印刷所に入稿してから「さあ在庫はどうしよう……」って考え始めるとちょうどいいスケジュールなんだよね。それが今回コピーしかないから(いろんな意味でダメだ)。
微妙に私信だけど、なんか集荷に来てもらうのって悪い気がするんだよ。けっこう夜遅いし、あと家にヒトが来るのに極端に反応するタチだし。
まあとにかく「これはいかん」とコピーも早めに済ませておくことに決めたので、本文のほうもそろそろ諦めることにします。最後まで話というか体位(笑)は決まってるのになー、無念。後でオフラインページつくりますが、20P・20000字程度のエロ本がコピーで出ます。純粋にコピー体力の問題ですが部数はそんなに刷らないと思う。サークルカットと同じ和服服部が目印です。表紙は素晴らしいから是非通りすがりにでも見て行ってください。あ、夏に出したエンドレスエイトコピーも数部残ってたので持って行きます。つかスペース情報上げてないんじゃ。
12/29(火) 東5ネ14a Twentyfour-Seven
世紀末(2010年からが21世紀です)の逢瀬を楽しみにお待ちしております。
あとアレだ、10月にオンリーがあるのでこっそり応援したいと思います。トップページのバナーから見に行って、29日来られる方は是非チラシをゲットするように!

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2009年12月20日(日)
横町慶子SOLO ACT VOL.01「かわうそ」@ラフォーレミュージアム

菊地さんが音楽監督。
横町さんに関しては不勉強ながら全く存じ上げなかったのだけど、印象としては野宮真貴さんをエロくした感じ。憧れのお姉さま的存在であるらしく、和服やドレスで着飾ってわくわく開演を待つ女子の姿がちらほら。会場が狭い上に自由席なものだから速攻座席がなくなる。一番前とはいえ、座布団席はキツかったなー。以下ネタバレ。しかも辛口。

「深夜に誤って轢いてしまい、くさむらに埋めた女が、気づくと助手席に座っていて、そのまま部屋に居着いてしまう。女の正体を探るうちに自分が誰だかわからなくなっていく」。といったようなサスペンスもので、横町さんがひとりで演じる。
音楽が微かに甘い悪夢のようなのはさすがキクチさんというべきか。ペペの曲もかかっていた。サスペンス調もいいが、エロい場面の音楽選びが圧巻。エロい(笑)。
いっぽう下着姿で踊る横町さんのからだは特に感じるところなし。自分も女子だからとかそういうことではない。物語もなー、自分のやりがちな失敗作を見てるような気がしていただけない。脱げばいいってもんじゃないが、どうせならもっと本格的なストリップが見たい。
ラストに登場する神々しいかわうその姿だけがいやに記憶に残る奇妙なステージ(蓮實先生風)。うむ。微妙判定。

10年くらい前、まだ見慣れぬ新宿でゴハン食べた後夜お茶しようということになって、やたらお洒落なカフェでコーヒーを飲んだ記憶があるのだが、あれ、何のことはないアトレのダッキーダックだったことを知ってしばし愕然。ふわー。

劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜@池袋シネマサンシャイン

久々に会う3人と朝から映画。
まずはとにかくミシェルがあんな簡単に(中略)本当によかった。
白黒シェリルかわいい。
俺の嫁(写真は完結編でドレスを着てから)
嫁多過ぎだ
「突撃ラブハート」とひそかに言ってるボビーがステキ
CMランカをぜったいうたうと決意
アルトの小説設定
終映後、完結編の予告を見た斜め前の男性が「ええええ〜」(わかるだろうよ)。

ゴハン食べながらカラオケか、とパセラに移動。
ごーしょー原作は妄想を越える。
時計台久々に見たらやばすぎ。くどうが。か(以下略
服部が出なかったせつない。でもみんな夢見てる。
白馬は全くせっけんくさくない。
スキマスイッチのコード進行が奇妙な件。
企画書作成(この後1日で実行した)

ラフォーレでお芝居見る予定があったので泣く泣くお別れする。
舞台に関しては別エントリ。
早めに終わったので、合流してゴハン食べて解散。年内に会えて嬉しかった!



2009年12月19日(土)
星をひろった話

桑原弘明展@銀座・スパンアートギャラリー
ttp://www.span-art.co.jp/fset_ex/fs_ex_b091214.html

5点ほどの小箱を、ひとつひとつ丹念に見て回る。
小宇宙。もしくは失われた時代の視線。郷愁に似た。
天球儀のやつと、廃墟のやつが特によかった。金がありあまってたらひとつ買いたいくらいだ。
チェスの棋譜や椅子のつくりについてなど、ひとつひとつ説明してくださったのもよかった。木漏れ日、を見せてくれたのが桑原さんだったんじゃ。

ランチ 松屋銀座「天一」 天丼

サンタ・マリア・ノヴェッラ銀座見学
そのうちお茶しに来よう。秘酒も欲しい(笑)。

ご帰宅

ノエルポワール(洋ナシのムース)
モンノワール(ショコラでデコレーションしたモンブラン)
赤ワインのソルベ

<ダヴィンチ>
ミートボールとほうれん草のトマトソーススパゲティ
フィールドグリーンサラダ フルーツトマトとルッコラ添え 自家製ニンジンドレッシング
本日のシュークリーム(コーヒークリーム)

トゥーランドット(フロレンティーン ターコイズ)
ガネーシャ(クイーンオブハート)
いずれもウェッジウッド

シャトー マルゴー 2007
シャトー ムートン 1997

デザートはどれも当たり。チョコの味と舌触りが格別。
生パスタもにんじんドレッシングもおいしい。はじめてあのでかいグラインダーで胡椒をひいてもらった。
ワインもなかなか素晴らしい。せっかくのワインだからたんぱく質を、でもデザートも食べたいし……と珍しくメニュー選択に迷ったが、ベスト選択でご満悦。
K務は相変わらずそつがなく素晴らしい給仕。人気だというのもうなづける。
「霊峰」と「ハイホー」

まだ続く。
スパイラルカフェ@青山に、南博さんのフリーライブを目当てに。
表参道のイルミネーションがキレイ。

ゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザ
鴨のペッパーソース
温野菜のチーズがけ
のみやすいフランスの白、カラフェで。
どれも大変いいお味。
スパイラル、1日にも地下のアジアンダイニングに来たけど、どこも美味しい。

南さんは例のコートにマフラー姿でふらっと来て、気ままに演奏して、ふらっといなくなった(笑)。サンタクロースがやってくる。を、チャーミングにアレンジして弾いてたのが印象的。コーニィ。マーヴェラス。彼を表現する常套句が頭に浮かぶ。26日の晴れ豆ライブにも行きたいけどさすがに無理かなあ。

ほろ酔いで夜の電車。
いい冬の、ほっこりと素敵な一日。

うわっ気付いたらJINが最終回終わってたー!!ひそかにみてたのに!



2009年12月18日(金)
中島みゆき「夜会」vol.16 本家・今晩屋@赤坂actシアター

行ったのは昨日。
赤坂はすっかりクリスマスムード。
まばゆい電飾、チキンの香り、映画「セレンディピティ」さながらのスケートリンク。
とはいえ我々は讃岐うどん屋に一直線。四国うどんツアーを敢行して以来讃岐うどんの虜。満腹してシアターに向かう。途中、スケートリンク前のスタバでコーヒーを注文するもマイカップを派手にひっくり返す。ドジキャラで生きて行きたいわけじゃないのにこういう失態があまりにも多いのは痛い。お店のお兄さんが親切で泣けてくるぜ。
平日にも関わらずそんなふうに時間の余裕があったのは、スタートが20時だから。オトナの夜会なのでこの開演時間を毎回キープしているのだそうだ。ちなみにシアターコクーン時代はキャパが少なくてチケットが取りにくいことで有名だった夜会だが、赤坂になって比較的取りやすくなったとの噂を聞き、いちど見ておいてもいいかな、と参戦を決めたもの。
終演後、頭の中に渦巻いた単語は「何が」と言われても困るが「理不尽」だった。
なんつーか……要するに私にはちょっと難し過ぎました。(以下多少ネタバレ)
どのへんが安寿と厨子王なの? ってのがまずわからん。額の刻印とかそのへん?
だいたいが橘は安寿と厨子王と道成寺が混ざるという致命的な欠陥を有しておりまして、途中まで「いつ鐘を焼くのか」と思っていたことは内緒だ。「あん」しか合ってません、ええ。「蛇に化けて〜」と歌うところを「紗にかけて〜」とつい歌っちゃうし。ソフトフォーカスかよ! というかこの歌知ってるって人に会ったことがないんだけど……安珍清姫蛇に化けて〜♪
見事に話が逸れました。理不尽の話でしたね。中島みゆきのオールナイトニッポン聴視者で、カラオケで時折歌いすらし、古いものならアルバムも数枚愛聴していたにも関わらずぴんとこなかったことに対する理不尽か。もっと大きく、ロックとフォークのある20世紀を過ごしてきたが既にそれらは私の中から失われてしまったのだなあという感慨か。ロックとフォークのある20世紀は間違いだったという後悔か。わからないけれど。
歌はやっぱりうまいのだろうと思いました。すげえビブラート。
あと最後の水芸はちょっとびびった。美輪様の舞台の最後に金粉が降ってきた時と同じくらい。一度見られてよかった。でも一度でいいかな。安いディナーショー並の値段だし。コンサートだったらまた行きたい。あ、あと昔の夜会をDVDで見る機会があったらちょっと見たいかなー。

「え、工藤が空から落ちてくるほうじゃないんですか?」
「『ビッグジュエルは本当にあったんだ!』」
「『30秒で支度しな!』」
業が深いというか何と言うか。何故ルージュの伝言のほうを選択したのだろう、みなみさんのせいか? それとも「最も好きなものは抑圧される」という単純構造? まあいいんですが映画情報を見て同じ連想をしたこにゃんファンは私だけじゃないはずだ。



2009年12月17日(木)
夢色のパティシエール

納豆を食べながらカモシダ君を誘惑する夢をみた。夢見すぎじゃねーか。
夢パティに結構夢中です。平白新。「悪ぃ……重いだろ」「そら重いわー、ちっこいぼーずやった時に比べたらなー」
松本警視のフルネームが清長さんだとはじめて知りました。
孔明×慣ちゃんの行方が気になります。
ちなみにわんぴはゾロ受です。
えろねたが尽きました。帽子に関してすっかり忘れてました。

「ひとつだけききたい……これだけの事件を起こしながら、なぜ自決しなかったんです?」
「もう少し、見ていたかったからかもしれんな」
「何を」
「この街の未来を」
そんなわけでロストシップ白快説(嘘)。ごめんなさい私こないだ電話でタクミくん知らない事情とか話したけどマジでほもとか薄い本とかを知ったのが遅いのでパトを全く知りません。
ヒンデンブルグは少年探偵団が乗るにはキツい話だしなー。
もっとわかりやすく(あからさまに)ロープで飛行船にひっかっかって飛んでるきっどちゃんをこにゃん君が(ほうきに乗って)救助する、ってのは……えーと……きっどちゃんが微妙にかっこ悪くなっちゃうからだめか。下から服部が自転車で追いかけたりとか、あーそれは似合う(笑)。

今晩屋に行ってきます。



2009年12月16日(水)
果てない想いを、キミに伝えよう。

先日の夢はキクチさんのワークショップのようなところに出席しているというものだった。寝直したら今度はウチのいちばん小さい小鳥がコンゴウインコ(という最大級にでかいオウム)のかごに一緒に入っている夢で「うわ大丈夫かなー」と思ったが案外仲良さそうであった(ホントは通常大丈夫ではない)。オカメインコたちは何故か水槽に入っていた。しかしキクチさんと鳥の夢登場率といったら群を抜いている。単純に記憶、とか執着、とか愛着、とかそういう影響なんだろうか。夢にOSTは流れない。そういった本を書きたいと思う。久し振りに自分の京極読んだら頑張っててびっくりした。「人目を引く蜜色の長髪はまるで月明かりを含んだように濡れた光を帯びてさらりと揺れているようにみえた」。ひー。まあ元文体の差異はあるのだろうが、なんかこう、ひー。いろんな意味で。
昼、インドカレー。
ビーズを聴くと正しい平新みたいなものがはっとひらめいた気がする時がある。海猿だけどな。そして聴いてるのは水曜wanted!だけどな。平新案件で電話。昔の薄い本を送ると約束。夏の約束も。どっかに書いて後戻りできなくしてしまおうと画策(笑)。
「……そんなわけで今、平新本をまとめているのだ」
「てんてー! お世話になっている方なのですから、もっと濃厚な平新をお送りするのよ!」
……段ボール探そう(笑)。

>ラーメン慕情
こちらこそ反応ありがとですー。「エロばっか書いてるとこういうの眩しい…」ってキミが言うとなんかこう、えらいリアルだよな(笑)。



2009年12月15日(火)
ぼうし

自分メモ。
エロ本のへーが一度もキャップをかぶっていないことに気づいたのでどっかであの素晴らしい萌えアイテムを物語に紛れ込ませたいと考える次第。工藤にかぶせるといい。エロ本だからと言って帽子に他意はない。ないんだよ(そのへんに萌えはないので)。でも後半だな。冬発行分には登場しないかもな。あーすぐ来年の発刊予定に現実逃避してしまう。直近はせっかくの冬コミだが20Pくらいしかないんで申し訳ない。まなつ除いたら今年書いた平新ってほんと薄いなー。

・戦場のボーイズライフ
・服部センパイ豪華本 *あとで連絡します(笑)
・シチュエーション本(あ、↑と混ぜればいんじゃ。「屋外」とか「コスプレ」とか「教室」とかお題くじ引きで決めるの)
・よんばか
・なに食べ外食編(これも↑と混ぜてもよし)

あと平新だけの再録というか自選集みたいの自分で欲しいからつくりたいけどなんつーかバラエティにとみすぎて、というと聞こえがいいけどあーもう(原稿戻ります)



2009年12月14日(月)
ラーメン慕情

「いらっしゃい、いつものかい?」
「ん、チャーシューネギラーメン大盛りライス付き」
「兄ちゃん若いのに感心だねえ、こんな遅くまでバイトなんだろ? チャーシューおまけしといたよ」
「サンキュ、うわうまそう、いただきまーす」
「そういやまたアレ、出たらしいね」
「……アレ?」
「アレだよ、怪盗なんたら」
「へ、へーえ、そうなんだー、オレそういうの興味ないからさ、ぜんぜんしらなかったなーうんうん」
「そうそう、怪盗キッドだったっけ? けど警察のヤツら、また逃がしたらしいってよ。オレなんかほら、警察とか嫌いだからさ、ざま見ろって感じ?……あ、いらっしゃい……ませ……って、け、警察手帳!?」
「本部の白馬と言います。この辺りで不審な人物を」
「み、みてねぇぜ」
「黒羽くんじゃないですか……まさか、やっぱりキミ」
「オレはバイト帰りにラーメン食いに来ただけだよ、な、おっちゃん」
「そうだよ兄ちゃん、この子いまどき珍しい勤労学生なんだよ? バイト帰りには必ずウチに寄ってくれて」
「バイト帰り……それは何月何日、何時何分のことでしょうか?」
「え……と、昨日と、その前は先週だったっけなあ、兄ちゃん」
(しーッ、しーッ)
「キッドの出没と呼応していますね……どうしましたか、黒羽くん」
「い……いや……あのその、あっ、工藤新一!」
「言うに事欠いて何を……って、高木刑事?」
「おう、どうしたよオメエら雁首揃えて」
「あなたたちこそ、どうしたんですかこんな夜中に、ふ、ふたりきりで……!」
「まさか付き合ってるとか!?」
「そ、そんなんじゃないよ、ねえ工藤くん?」

そんな大賛成すなわち便乗、ブラボー妹よ。エロばっかし書いてるとあれだね、どこかが疲弊してきてこういうの眩しいね。キラッ。



2009年12月13日(日)
「ねえ私を泣かせるような曲は聴かせないで」

まーたー昼まで寝過ごしたー……。
玄関掃いて、洗濯して、それだけで力尽きてまた寝る。寒いせいか、それとも私がずっと家にいて眠れないのか(だといいんだけど)鳥がうとうとと元気ない様子でちょっと心配。しかし2日くらい寝倒すと肌荒れとかむくみとかが一気に回復するから逆にどんだけ日々不摂生してんだという話だよなー。さー明日から原稿しますよー(え)。27日あたりにキンコーズの所存。まだ10日以上あるじゃん楽勝楽勝(えー)。カタログを見るとなんかこう、四バカ的なかわいい本作っときゃよかったなーって思いますよね。みんなかわいくってさ! 来年はそのへんも視野に入れて、も少し本出すのを続けてゆきたい。とにかく原稿するのでまたこの欄は味気なくなりますがご容赦を。つかライブレポとかちょっと頑張りすぎた(笑)。
そういや金曜日に近所のとらのあなでカタログを買ったら店員さんがすごい申し訳なさそうに「あの……当店でお買い求め頂くと特典が男性向けになってしまいますが、よろしいでしょうか?」と確認してくださった。ああいいですとも(きっぱり)。



2009年12月12日(土)
全天候型ダメ人間

こないだ代官山まで歩くのがダルかったので東横線に乗ったら「運転手は○○、車掌はワタクシ、○○……」って名乗っててびっくりした。普通なのソレ?
今年は年末に時間取れそうにないのでちょっとずつ掃除をしよう、取り敢えず土曜は元気で早起き(夏のあらし)! と予定していたのだが、起きたら昼過ぎですよ奥さん。鳥たちが腹減らして鳴いてますよ。昨日帰宅するなり倒れこむように寝たというのに何たる寝過ごしですよ。気を取り直してカーテンをはじめ家中の布モノという布モノを洗濯機に放り込む。カーテン洗うと部屋の中がせっけんの匂いしていいよね。ソフランっていうか。ちょっと前までは嫌いだったけど。嫌い、というか生理的に受け付けないというか吐き気がするようになってしまって、せっけんを使ってた。隣の洗濯物の匂いすらダメで悪阻みたいになってたもんなー。あれ、一種の強迫概念とか、そういうことだと思うんだけど。乗り越えられた幸いよ。
ユングのサウンドトラックを読む。しあわせ。来年はゴダールとかちゃんと見なおそう。つかマクロスもエデンもヤマトもワンピも行けてないよ私!



2009年12月11日(金)
エロ平新アンケート

遅くなりましたー。コメントなしの拍手もたくさんいただきました、ありがとうございました。

>「たちばなてんてーダイスキー!!!(>_<)」に一票☆
一番乗りでどうもありがとうございます。そうだよね、キミは新婚生活系ダイスキだよね……。その節はお世話になりました。またちょこっとご相談させてください、こんど(つか近々)。

>工藤さん素直すぎってかドンだけ箱入り息子ですか!
こんにちはー。拍手ありがとうございます! えろというかエッチいネタにすると工藤さんが途端にアホの子になってしまいます(笑)。

>「えろす最高!もっと書け、こういう本を出せ」
えー、もっと薄暗いのがお好きでしょ(笑)。原稿エール、ありがとうございます。誤字こっそり訂正しました! 真っ最中に誤爆……。

>どうせだったら3Pでエプロン新一を前から後ろからご奉仕させてくれればよかった……
こちらは何て言うか、ぴったりのご意見ありがとうございます(笑)。それじゃ二人○○ッ○だよ! そして前から後ろからは服部さんがうはうはだろうけど、サンドイッチな方が好きです。げんこー頑張ってくださいねー。



2009年12月10日(木)
Close to JAZZ@晴れたら空に豆まいて

[出演]
坪口昌恭Quartet
{坪口昌恭(pf, effect)宮嶋洋輔(gt)永見寿久(ba)藤井信雄(Ds)}
SHINPEI RUIKE 4 piece band
{類家心平(tp)ハクエイキム(piano)鉄井孝司(bass)吉岡大輔(drum)}
Informel 8
{三輪裕也(Compose,arrangement)松木理三郎(tp)高井汐人(a.sax)荒木真(t.sax)神村晃司(pf)千葉広樹(Ba)小山田和正(Ds)}

最近愛してやまない坪口さんのピアノを間近で聴きたい、というのが最大の動機。
その上宮嶋くんも、藤井さんも、類家くんまでご出演というじゃないか。坪口昌恭QuartetもSHINPEI RUIKE 4 piece bandも不勉強ながら生で聴いたことがない私としてはものすごく心惹かれる。でもぜんぜん詳しいわけじゃないので、小バコに行くのはいきがりすぎというか詳しい方々のお邪魔じゃなかろうか(屋根裏とかだったら平気なんだが(笑))……イベント続きでお疲れ気味だしな……云々、悩みながら降り立った代官山はクリスマス前だというのに全くひとけがない。なんだか不安になって、開演の7時ぎりぎりに到着したというのに散歩して時間を潰すというばかな真似をしてみたり(笑)。おそるおそる入った晴れ豆さんは、大盛況。

Informel 8
入った時は3曲目の半ば、ちょうどテナーのソロだった。混んでたし、あんまり動くのもアレなので、バーカウンターに寄っかかったまま「へーけっこういい音じゃん、誠実な演奏だし高感度大。ホーンが多いのはやっぱ華やかでいいね、頑張って欲しいね」などと(失礼にも)上から目線で考えたり。いやほんと誠実で、いい音でした。HP制作者募集中とのこと。

SHINPEI RUIKE 4 piece band
席が空いたのをいいことに前の方に座らせてもらう。
うっわー……。
確実に3回は鳥肌が立った。類家くんの音は隅々まで神経が行き渡っていて、ダブの時よりも情熱的で、はじめて聴くハクエイキムさんのピアノと相俟って、かっこいいだけじゃない、微かな切なさ、みたいなものが滲んでる気がした。まわりのひとが「すげーな……」と囁いてるのが聞こえる。こういうとこ来る人って、ほんとに好きなんだろうなー。そのひとたちが、自分がすごいと思ったものを「すげー」と賞賛してるのを耳にするのは、なんだか嬉しい。
航空公園、早稲田、に引き続き拝見したお姿を鑑みて、類家くんの私服の好みを推し量る(笑)。背高くて、細いのに筋肉質で、かっこいいよね。草食系に見えて肉食獣、みたいな。「こう見えて前に出たがるタイプですから」ってキクチさんに評されてたけど、前に出る楽器のひとはもう絶対ピッチャー体質だよね。背水の陣……ちょっと違うか、チームを背負って立つ、というのとも違うな、ええと気丈な感じが。

で。
このへんから私、幸せそうなマヌケ面しどおしだったと思う。
雰囲気のいい小箱で、リラックスして、おいしい水をごくごく飲むみたいに、素晴らしい音楽をふんだんに浴びて、軽くお酒を飲んで、健康で、お腹もそんなに空いてなくて。いつまでもこうしていたいような瞬間が確実にあった。至福は坪口さんの登場で最高潮に。

坪口昌恭Quartet
いきなり、しょっぱなの「ロゴス」からがつんと衝撃を受ける。酩酊する。熱狂する。
藤井さん(頼もしいことこの上なし!)と坪口さんの確実性ったらない。オーチャードの時にも思ったが、一音一音が、これ以上ないという状態で届けられる確実性。捨て音なし、というとちょっと意味が違うのかもしれないけど、全部の音が最高の状態という奇跡。を目の当たりにしているという興奮。そして確実なのに、揺らぐ、アンビバレンス。坪口さんHPの言葉を借りれば、エレクトリックとアコースティック。都市と牧歌。人工と自然。律動と静止。ヨーロッパの高速道路を疾走している光景の狭間に、豊かに萌えるみどりの森。宮嶋くん(坪口:「正統派指弾きフルアコギタリスト、25歳なのに演奏はメンバー中一番シブい!」)はやっぱりうまくてびっくりしちゃう。All The Things You Are(さすがに私でも知ってる(笑)。逆にオリジナル曲を知らないのが痛いな、勉強しよう)、アレンジのうつくしいことといったら。垣間見た、永見さんの(坪口さんおっしゃるところの)「ジャズだけじゃない」グルーブ。PITINN歌オンリーの夜はやっぱりどうしたって歌に夢中になっちゃったけど(そして今夜も思い出さずにはいられなかったけど)今夜は演奏に集中。あーほんとにいいなー、小箱コワイとか言ってないで来てよかったなー、来年はもっと曲も勉強して、どんどん聴きに来よう。体験したことは、その時真意がわからなくても、必ず体内に蓄積する。
リズム、ということを考えたりもした。訛りとか。要するにティポの生演奏ってどんだけだったのよ!! ってこと。あーもー悔しい。聴きたかった。ということがないように、足繁く。あとキメラ、とかハイブリッド、とかそういうことも。

終演後も勿体無くてだらだら飲んでたら、類家くんがご自分のCDを手売りしてたり、ポスターを購入者にあげてたり、あちこちで「やーどうもどうも」と和んでいたりして、そのうち出演者も楽器ケース抱えて普通に客席で飲みはじめて、まるで忘年会みたいな、親密な雰囲気になった。「うわー豪華……フツーに今、前通って行ったよ」とぼんやり見上げたりして。そりゃもう関係者でないのがちょっと悔しいというかうしろめたくなってくるほどだった。うしろめたくて、近いのに、かえって声かけらんない。演奏者でないことも残念に思った。楽器経験者(吹けるとは言わない)だと演奏したくなってイカんな、こういう時は。ちょっとせつなくなってしまう。

全く狙ってなかった、期待してなかったと言ったら嘘だけど、やっぱりサプライズ。ちょっと早いクリスマスプレゼントでした。もったいないからプレゼントの正体は言わない。まるわかりだと思うけど、言葉にしません(笑)。10日のうち5日の逢瀬なんて、まるで蜜月の恋人どうしのようではないですか。後ろの方でよかった。前だと追っかけみたいで恥ずかしくて、顔を上げられなかったと思うから(とはいえ最前列羨望だったけど(笑))。
誠実でいい演奏じゃん、なんてのんびり聴いていたら、悠々と遥か上空を往く、桁違いの余裕。決して届かない高みにある深くて甘い音色は、けれど上質の蒸留酒のように、ぴたん、ぴたんと雫を落として、芳香を放ちながら私の中のどこかにしみこんでゆきました。声かけらんないあたりが常識的かつ病気だよな私(笑)。

黒タートルネックセーター(EASTBOY)
赤チェックプリーツミニスカート(EXCENTRIQUE)
茶ライダースジャケット(JaneMarple)

早くも来年の舞台ゲットの連絡などをいただく。しあわせー。



2009年12月09日(水)
菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ(NIGHT DIALOGUE WITH)2

西:93・4・5……6年くらいのマイケル・ジャクソンはやばかったですね。97年に僕がデビューしてからは、周りのプロのエンジニアやアーティストは誰もマイケルを馬鹿にしなかった。
菊:つまり、わかってる人はちゃんとわかっているのに、ストリートのユースカルチャーがマイケルを踏みにじったのが許せない、と。
西:ここ数年のマイケルは上昇していたと思います。マイケルが好きだとカニエが公言したり、YOUTUBEでマイケルの動画が簡単に視聴できるようになったりして……このへんは『アフロ・ディズニー』に詳しいですけど、パーソナルなメディア体験って言うか。もし「THIS IS IT」ツアーが実現していたら……。
菊:世論ががらっとひっくりかえってたってことでしょ? あれ、1回でも、50回といわず1回だけでも実現していたら、マイケルはアップセットして、日本人のマイケル観は再インストールされたと思うんですよね。「マイケル・ジャクソンかっこいい」っていうのがかっこいいよね、っていう世論になっていたはず。今はこの本(『マイケル・ジャクソンの教科書』)で日本人は再インストールしているわけだけれども……。
西:ある番組、ツイッターには書かないでくださいよ(笑)、僕、ある番組でマイケル・ジャクソンの先生、みたいなことをやったんですよ。マイケル・ジャクソンを全然知らない若いタレントの知識に採点を加える、みたいな役を。そしたらミキティとか、全然知らないって言う割に良く知ってて驚きましたね。
菊:マイケル・ジャクソンのことなんか全然知らないよ、って人の方が多いと思ってたってこと?
西:そう、それがさー「ネバーランドは千代田区と同じ大きさ」だとか、「マイケルはケンタッキーが大好き」とか、みんな普通に知ってるんですよね。
菊:ウィキで調べたんじゃない(笑)
西:わはは。知らない知らないって言ってても、実はみんな知ってるんですねー。
菊:でもさ、正しい知識をリインストールするのはこの本しかないでしょう。
西:ありますよ、ウィキとか……(笑)
菊:ウィキも西尾さんの言ってることの流用って話、したじゃん(笑)!
西:松尾さんもコピペされたりしません? クインシー・ジョーンズ……久石譲さんのことですけど……それはいいとして(笑)。
松:うーん……僕はクインシーに憧れてきただけだからねー大したこと書いてないし……
菊:何をおっしゃるんですか! 僕なんかニュージャックスウィングについてとか、松尾さんの御本で全部知ったんですよ!
松:「最初に発言する者」として誤読を招かないように書く姿勢は心がけてきましたね。そのせいか、もしコピペされるようなことがあっても「正しく言ってくれていて良かった」と思うだけ、というか……このひと月は僕、スモーキーロビンソンの80〜90年を聴いています。あまりよくないと言われている時代ですが、イケてますね。ええとつまり、過小評価、という話題ですが、僕は好きな人がマイノリティであることに慣れているのかもしれません。
西:でもスモーキーとマイケル・ジャクソンの過小評価のされ方は違いますよね? スモーキー・ロビンソンは知っている人が少ない、というだけのことでしょう? マイケルは知っている上で馬鹿にされていた。
松:知られてる、って幸せなことじゃん? 僕ね、仕事で名刺渡すでしょ、名刺見た日本の人に「どういう意味ですか?」って訊かれる時の脱力感ね。相手も音楽関係者なのにね。アメリカの人に名刺を渡すと必ず名前の読みを確認する前に「NEVER TOO MUCH」を口ずさむ。隣の日本人が「松尾さんが名刺を渡すと、どうしてみんな歌うんでしょうね」って言われたりとか。菊地さんはそんなことないでしょう。
菊:僕はずっとレコンキスタですね。ジャズってやられちゃってるからね。昔は、洋行するような文化人が、日本には知られていないいいものを外国で聴いたりして、それをオレが日本に紹介してやる、って感じがあったじゃないですか? 松尾さんのお仕事というのはそういうものですよね。知られていない、ってことで踏みにじられてはいない。要するに殉教してるかどうかですよね。松尾さんも初期にはそういう気持ちがあったんじゃないですか?
松:紹介……うーん、どうかな……
西:僕も菊地さんも自分の名前で作品を出してきたが、松尾さんにとってはそれが文章やインタビューだったってことだよね。そこから実践したら、実践がまたものすごかった(笑)と。
菊:クインシーを目指してるなら松尾さんは大成功してますよね。
西:ニルヴァーナ打倒、みたいな話は松尾さんにはピンと来ないよね?
松:そんな大したことない……
菊:クインシーを紹介したくてライターやって、書いたんでしょ? その情熱ってあたりの話がお聞きしたいんです。ファンクが好き、って言ったらパンク? って話があったじゃないですか。
松:あー、福岡の田舎でね「僕はファンクが好き」って行ったら「パンクかー、そうかー」って聞き間違えられた、ってアレね(笑)。その時も自分がマイノリティだとは感じなかったな。ああ、でもマイノリティ感じた、さっき挙手が上げにくそうだった時(笑)。
菊:だからレコ大2年連続が何を……!
西:盗みたいですよね。
菊:盗みたいんか(笑)!
西:だってレコード一番売る、ってすごいことだよ。
松:蛮勇なんだよ。
西:でも僕、ダンスしたいって思ったことはないんだよね。
松:結局郷太くんはアーティストなんだよ。女性と1000回付き合うよりひとりの女性と深く付き合うほうがいい、っていうやり方と同じで、ロックウィズユーを100回も1000回も聴くタイプなんだ。「これがやりたい」ってなったら、周辺的、立体的に分析するというのがプロデューサーとしては一般的なやり方なんだけど、アーティストで、しかも好きすぎる思いが強いとロックウィズユー1000回とかになる。
菊:プロデューサー志向とアーティスト志向の差ということですね。
松:まーた上から目線みたいで嫌われそうですけど(笑)、僕にとってはクインシーもプロデューサーとして好きな駒のひとつなんですよ。
西:僕だってプリンスも好きですよ。ビートルズだって好きです。でもマイケル・ジャクソンを知ってる人は、やっぱり少なかった。
松:プリンスとビートルズ! すげえ王道好きじゃん(笑)!
西:そうなんですよ、馬鹿にされるんですよね(笑)。でもマイケルにあって他にないもの、っていうのは他のアーティストを見ないと分からないよね。
松:それはハナからマイケル・ジャクソンが照準、ってこと? 確かにマイケルって公約数的なモノが多いけど。
菊:まだマイケル・ジャクソンの喪も明けていない……いつ明けるか分からないし、明けないかもしれないけれど……この時期は、「新しいマイケル・ジャクソンの教科書」をみんな熱に浮かされたように読んでると思うんですけど、冷静に読んだ時、この本にはダンスのことが書かれていないよね。それは西尾さんが自分がダンスをしないから、わからないことは書かない、っていう誠実な姿勢ではあるけれど。
西:だから僕は『アフロ・ディズニー』を読んでびっくりしたんですよ。音と映像が分離して再統合されていく中で、マイケルはすごく早くPVというのをやったし、自宅に普及し始めたビデオというかプライベートシアターにも早くから注目していた。お金持ったらソファー買って、機材を買って、プライベートシアターを作る、っていう一種の憧れパターンみたいなものがありますが、あれはマイケルがすごく早くにやっていたことなんだ。だってラトゥーヤがNYで映画を見たとき「映画館で映画を見たのはこれが3回目」……3回かどうか自信ないけど……とか言ってるんですよ、あれだけ映画好きでよく知ってるくせに、今ならいるかもしれないけど……。いないか。
菊:いや、いるでしょう。
西:当時そんな人は他にいなかった。
菊:それがマイケル・ジャクソンの幼児性につながると?
西:うん、映像を売るという体験を、マイケル・ジャクソンは良く知っていたと思うのね。僕がずっとひとりでそう思ってたことがアフロ・ディズニーと同期してて驚いた。
菊:この本はね、要するに過剰同期は子供になるよ、という本なの。この本ではファレル・ウィリアムスを取り扱ってたの、俺たち。ファレルがパリコレに、とか言って。ところが書き終えたらマイケル・ジャクソンが死んで……あの本の冒頭になった。
西:確かにダンスについては、僕の本には書いていない。
菊:ダンサーはマイケルのことを全く馬鹿にしていない、むしろ尊敬してるよね。アメリカンスターでディスられた末に死んで、それから再評価された人ってエルヴィス・プレスリーくらいしか思いつかないよ。ドーナツ食い過ぎてぶくぶく肥ったとか。ジョン・レノンはディスられてない。
西:でもヨーコが……。
菊:ヨーコね(笑)!
西:僕ね、ジョンにはめっちゃ腹立ってるのね。中1の時、リヴァプールのビートルズ博物館に家族で行ったのね、ファンやから行きたくて、で、ある部屋のドアを開けたら……フルチンのジョンとヨーコのでっかい壁画がどどーん、と……僕と両親と弟と、ファンやから、て楽しみにして行って、開けたら、フルチン、どーんですよ? ……めっちゃ腹立ったわ(笑)。そういう変な人扱いみたいなのはジョンにもあったよ。
菊:でも馬鹿にはされてないじゃん? プレスリーの話に戻りますが、彼はものすごく重要なある種のポイントだった。56年、チャーリー・パーカーが死に、プレスリーがデビューし、マクドナルドとビルボードとディズニーランドができた。56年にアメリカは今のアメリカになったんです。それから今までずっと、アメリカはアメリカで変わらない。マイケル・ジャクソンもそういう流れの中心人物です。プレスリーってさ、今あの有名なポスターを冷静に見たら、爪先立ちしてるんだよ、全体の強烈さに負けて気づかないのか誰も指摘する人がいないけど、完璧爪先立ってて、おかしい。それが――僕のバイアスかもしれないけど――マイケル・ジャクソンとダブって見えてしょうがない。
西:ドン・キングっていうおっさんの存在もでかい。84年に、ジャーメインも戻ってきて6人でビクトリーツアーをやるっていう時に――マイケルはスリラーツアーをやりたかったはずの時期だけどイヤイヤながら参加してた――彼はマイケルに言った。「お前はニガーの、ニグロの王様になればいい、白人はお前を絶対にエルヴィスの上には置いてくれないぞ」。
菊:ニガーの王様、それでいいじゃないか、と。
西:そう。マイケル・ジャクソンは腹立てるわけです。それから「キング」という名称に対するマイケル・ジャクソンの複雑な気持ちが発生したわけ。マイケル・ジャクソンの「エルヴィスを越える」というスイッチは、ハートブレイク・ホテルとか、あのあたりで入ったと思う。クインシーはね、ドン・キング寄りの考え方をしていたと僕は思ってる。『This is it』はマイケルにとって『BAD』の再評価?だ。
菊:スリラーは売れすぎたからね。
西:『BAD』を模倣する人って実はあんまりいない。あと今回のツアーはダンサーが若いんですよ。今までマイケルと踊っていたダンサーは彼と同世代だった、でも映画の中で若いダンサーたちが「わーっ、すげー」ってマイケル・ジャクソンを見てる。今までのマイケルにはなかった経験だったと思います。
菊:ダンサーはマイケル・ジャクソンをディスってないことの証明だよね。
西:映画『This is it』のすごくいい場面だよね。こないだ『アンヴィル!』を観たんですが、あの盛り上がりにちょっと近い。今までのマイケル・ジャクソンに欠けていたもの――ダンサーとしての視点、若者としての視点――がある……だから我々はあの映画に感動するんじゃないかな。ヒストリーツアーはあんな風じゃなかったと思うもの。マイケル・ジャクソンは映画作りたかった人なんだよね、ああいう形で叶ったってことですよね。遺志ではあるけれど。僕ね、『This is it』ツアーはやれへんと思ってたんですよ。
菊:西寺さんでさえやらない派だったと。
西:マイケル、ゴメン……(笑)。ちゃんとやれんのかな、ってずっと疑ってた。40万円のライブの時なんか「オレは絶対行けへん」って激怒してた。「40万で、なんやわからんイベントなんて、オレはそんなマイケル・ジャクソンを支持しない!」と。後悔してるけど(笑)。
菊:日本人でそういう気持ちの人は多いよ。西寺さんでさえそうなんだから。それが映画を観たら全然やれそうだったじゃん? みんな思ったと思うな、「マイケル、ゴメン……」って。だいたいこの本読むまでマイケル・ジャクソンがクロだと思ってた日本人、沢山いるでしょう?
西:でも僕のゴメンとみんなのゴメンは違うよ……(笑)。裁判とかすごい調べたし。もー裁判ね、死にたいくらいですわ……(笑)。忘れもしない僕の誕生日、11月27日ですよ。エヴァン・チャンドラーの息子が直接ジャーメインに電話してきて「ジャーメインさんごめんなさい、マイケル・ジャクソンには何もされていません」と言ったなんてニュースが流れた。「うそー、それやったら100パー、シロやんか、って思って、仲間内に知らせまわったんですが、実はジャーメインしか言ってないんですよ、その話。要するに……妄想? 「虚偽のゆすりをした罪悪感に耐えきれずピストル自殺したんだ、だったらマイケルはシロでしょう?」っていうジャーメインの考えがなんとなく言わせた、というか……どうせ本人はピストル自殺しちゃってますしね。でもそんな重大なことなんとなく言うなよ、ジャーメイン!! ……あ、すいません、松尾さんはジャーメインのファンですよね(笑)。本当に本人が嘘でした、って言ってくれたらええんですけど、そんなん言うたら何十億円返せ、とかそういう話ですからね、とても言えないですよね。ひとり1円くらい出して……マイケルのファン何十億人いるでしょ、いないか(笑)、なら僕は5000円くらい出してもいいわ、ほんまのこと言ってほしいですよね。ほんまのことが知りたいだけなのに。裁判の話はどっかでしたかったんで良かったです。
菊:が、頑張ってくださいとしか言いようがない……。
西:少年性欲の本とか、ギリシアまで遡って(笑)、そういうのが文化だったこともあったりとか、調べました。
菊:お稚児さんとかね、そりゃありますよ。
西:たくさん読んだんですよ、本。何でこんなこと調べなあかんのやろ、ホンマのこと言ってくれたらそれで済むのにと思いながら。それなのにジャーメインにぬか喜びさせられた俺の気持ち!!!
菊:……予想通り2時間でも1回でも済む話じゃないんですが、その辺りがまさに世紀末というか……
西:モータウンが今年、50周年ですしね。
菊:ほー。
西:何か象徴的ですよね、ライオネル・リッチーが僕に「マイケル・ジャクソンが天使かもしれない」って言ったんだけど、めっちゃその気になってきた。ちなみにライオネル・リッチーは顔細いけどでかくはないです(笑)。クインシー・ジョーンズにすら、めっちゃマイケル・ジャクソンは誤解されて、彼の自伝に間違って書かれてる部分があって。
松:プロデューサーとアーティストってそんなモンじゃね?
西:『新しい……』はその部分、4刷から書き直してるんですよ、実は。
菊:どんどん書き足していって、ぶ厚くなるとかいいね(笑)。でもクインシーも気の毒な人だよね、お母さんがあんなでさ……。
西:ライオネル・リッチーは「クインシーにはオレが言っとく!」って。
菊:すげえ! 「マイルスに訊け! 」みたいになるといいよね!
そんなわけで、予想通り時間をオーバーしまして、ホールから大きいバッテンが出されていることですし、この辺で……まあいいとこで終わりましたね。とは言え語り尽くしたとはとても言えませんので、21世紀に入ってからも(笑)続きがあるかもしれないし、ないかも……みなさんますます多忙になるでしょうからね。その時には、今日何度も振ってはぐらかされ続けた松尾さんのライター業についても突っ込んで行きたいと思います。本日はありがとうございました。以下、告知は巻きでいきますが、本日は松尾さんまでもが! サインをしてくださいます。間違いなく争奪戦ですね。あと……何コレ「Qコードで買えます」? ええと「Qコードで買える」そうですので、買ってください。笑われてますけど、合ってますか?(*配布のフライヤーに次回金原ひとみさんとのナイトダイアローグ、先行発売のコードが印刷されてた(笑)。

「東京→大阪間、6時間」
おおさか。
だ、と…………ッ!
(服部ファンの声にならない祈りを察してkだs)
リアルに見るとやっぱりなんかこう。
ね、ねえちょっとまって、6年置きなら十字路カムバーック!!!!! が、先、なんじゃないかと、

あ、あしたのメンズノンノがさあ……(話題変えてみる)



2009年12月08日(火)
菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ(NIGHT DIALOGUE WITH)

出演:菊地成孔
ゲスト:西寺郷太/松尾潔
@白寿ホール

「ブラック・ミュージックに興味がない皆様は絶対に来ないでください」

キクチさんに公式で書かれてしまい、苦笑しつつも小さく衝撃を受けたマニア向けの! ナイト・ダイアローグ・ウィズ。
マニアとは全く言えないしょんぼりな私だけど、マイケルと、あと「アフロ・ディズニー」のテーマである「過剰同期」にすごく興味があったので(エヴァOPのミッキーマウジングのすさまじさとか、全能感とか、あーそうだ、あと「1/fゆらぎ」とかもてはやしてたのに、あの流れはどこに消えた? とか)下記の基礎教養を何とかクリアして白寿ホールに参戦した。『This is it』の話も聞きたかったし。非マニアとはいえ、自分はMTV世代なのがちょっと強かったかな。小学生の頃は「洋楽かっこいー!」で、何でもゴチャ混ぜのままMTVをたくさん見てて(「タイム・アフター・タイム」が異様に好きなのはMTVでシンディ・ローパーをやたら見たせいだと思う)その後は邦楽→ロック→渋谷系→無音楽(よくもその後まあキクチさんに巡り合えたことだ! ブラヴォー!)と推移したので、私の中でマイケルは全盛期のスーパースターのまま止まっているのだ。『ウィ・アー・ザ・ワールド』のレコードが欲しくてお小遣い貯めて買ったし、マイケルのPVも記憶してる。CMもうっすら覚えてる。もちろん小学生だったから、どれくらいすごいのか(特に音楽的には)正確に理解はしていなかっただろうけど、そのかわり、近頃なんであんなに批判されるのかもよくわからなかった。その辺の話をぜひ聞きたい思った。
私では真意がわかっていないところも多々あるだろうが、結論から言って、すごくエキサイティングな、そうだな、「思索の愉しみを得る」にはスキルが足りなくて遠いけど、「知識をごくごく飲んで自分の血肉にしてゆく興奮」を味わうことができた。基礎体力さえあれば、どこまでも遠く飛べる。飛ばしてくれるキクチさんに感謝。気付いたら大学の講義みたいに超メモってて(「これだみんなメモれ!コピれー!」)、繰り返し読んでは楽しんでいる。ライブと違って(ライブはそこがいいんだけど)、何度でも読めて咀嚼できるから嬉しいよね、こういうのは。
それにしてもああ、1日からずっとパーティーウィークだったことだなあ。素晴らしい12月。

基礎教養
「新しいマイケルジャクソンの教科書」
「M/D」
「アフロ・ディズニー」
以上読了済み。
マイケルの楽曲をすべて聴く。
EXILEの曲を歌う。
好きなブラック・ミュージックの音楽家を5人あげられる(←実はあやしい)。

服装(最近記録しておくことにした)
白タートルセーター(ユニクロ)
ボルドーベルベットジャンスカ(ジェーン・マープル)
ボルドー裏ブック柄コート(同上)

以下、当日のメモを起こしたものを、自分用に取っておく。
著作権? というか、モラル的にあまり好ましくないと思うので、自分と、限定された友人用に公開。内容が事細かく記載されているので、知りたくなければお手数だがここから先を読むのは避けて欲しい。読まれるにしても、拙い上に、恐らくは理解不足による意味の通らない部分もある(ライブなので、実際に話題が噛みあっていなかったり、はぐらかされたりした所もあるが、敢えて均すのは避けた)ことをご了承いただきたい。また、誤謬についてはご指摘いただけたらとても嬉しい。長いですよー。




菊地:最近自分があちこちで言っていることなので「またあいつ同じことを……」と思われる方も多いと思いますが、かつて「2000年問題」という一種の都市伝説が存在しました。00という数字を想定せずに作られたコンピューターが2000年を1900年と誤認し、それによって混乱した果てに世界恐慌が訪れる、というものです。ノストラダムスと同じく、幸いにも結局は何も起きずに終わったわけですが、実は計器が壊れたことによって20世紀が10年延びているというだけで……つまり2001年に起きるはずだった200年問題は、2010年――1と0の位置がずれたわけですね――に起きるべく、今も静かに進行しているのです。いや僕の妄想ですよ、「サイレント2000年問題」(笑)。しかしながら、まさに世紀末といった現象は――森繁久彌氏と大浦みずきさんが1週間とあけずに逝去され、ピナ・バウシュとマース・カニングハム、そしてレヴィ・ストロース……そして「オバマエフェクト」――枚挙にいとまがありません。中でも最もポピュラーで、衝撃的だったのが「マイケル・ジャクソン・エフェクト」ではないでしょうか。そんなわけで今夜は、もう経歴を紹介するまでもない有名人ですが『新しいマイケル・ジャクソンの教科書』の著者である西寺郷太さんと、音楽プロデューサーの松尾潔さんをお招きしてお話させていただきます。どうぞ。

向かって右から、菊地・西寺・松尾と並ぶ。
菊地さん 黒のハーフコート。ストレートのパンツ。少し色入りの眼鏡。ハーフコートが燕尾風に見えて素敵。
西寺さん 赤のカーディガンにジーンズ、クレリックシャツ。黒のハット。黒縁のメガネ。
松尾さん グレーの「いいスーツ(「なにせレコード大賞で大儲けですから」(笑)」に赤いチーフ。

松:先日のオーチャードに行かれた方はどのくらいいらっしゃるんですか?
(挙手。半数くらい)
松:はー、手強いですなー……。
菊:ぜんぜん手強くないですよ!
松:じゃあの、NONA REEVESを知ってる方……
菊:率直に「『新しいマイケル・ジャクソンの教科書』を持ってる人」でいいじゃないですか(笑)。持ってる人?
(挙手。8割。)
松:おー、すごいですね……じゃあ『ブラックミュージック・ガイド』を……
菊:だから率直に(笑)。エグザイルのニューアルバムを購入された人は?
(挙手、ややおずおずと)
松:なんで挙げにくそうなんだよ!
菊:レコ大2年連続受賞のくせに今更ナニ言ってるんですか(笑)!
松:しかしソウルバーとかじゃなくって、こういうところでマイケル・ジャクソンの話ができるのって、なんだか感無量ですね……!
西:みなさんお忙しいのにね。打ち合わせ、面白かったですよね、普通打ち合わせって言ったら「こんなこと話しましょう」ってことを確認する程度なのに、予想通りというか、会うなり「マイケルがさー」って始まって、3時間(笑)。いっそやんなきゃよかったと思う、打ち合わせ。面白い話、あそこで済んじゃったもん(笑)。
菊:そう言わずに再演しましょうよー(笑)
松:僕は菊地さんと何度かお会いしてるけど、郷太くんはあの時が初対面だったんだよね?
西:そうです。
菊:松尾さんと西寺さんはバンドのメンバーだもんね?
松:みうらじゅんさんの番組でやった、「エキゾチックJAPAN」のね(笑)。「エキゾチックJAPAN」曲のタイトルは「恋人はインド人」。あと「チロルの風にさらわれて」。郷太くんののヨーデルが冴え渡る、っていう……(笑)
菊:作詞・松尾潔なんて超豪華じゃないですか!
西:松尾さんがおっしゃるとおり、僕は菊地さんと、この対談が決まって初めてお会いしたんですが、もちろんお名前やお仕事は以前から存じあげていました。実は僕がマイケル本の執筆に悩んでいたとき……はじめての本だったので、どう書いて良いか全く見当もつかなくて……その時、偶然、僕の信頼できる仲間がペン大の生徒で、菊地さんの『M/D』を教えてくれたんです。「そうか、オレはマイケルでこれを、こうやって書けばいいんや」って、もう目からウロコでした。
松:僕も菊地さんパクりましたよ。
菊:「パクった」って……。
松:明日発売のアルバムは『メロウ・ディズニー』といいます。
菊:ああ(笑)! で、西尾さんは『M/D』をお読みになって、『マイケル・ジャクソンの教科書』を書かれた、と。すごく短期間で集中して書かれたそうですね。
西:1ヶ月くらい……1日7時間×40日間くらいです。僕はNONA REEVESのライブを毎年8月のはじめにやってるんですけど、今年はたまたま主催のミスで、8月はじめに取れていたはずの会場が取れてなかったことが5月の末ごろにわかった。もちろん「会場取れないなんて何やってんのや!」って怒ったんですけど、まあ仕方ないから、気を取り直して8月の最終週にリスケした。そしたら6月にマイケルが亡くなって。結果的に、8月いっぱい集中して本を書けたんです。あれが8月頭にライブだったら、こうはいかなかった。その、何て言うか……。
菊:巡り合わせね。それだけマイケルが好きなんだもん、あるよ。
西:そう! だってウィキペディアのマイケルの項目ね、あれ相当僕が書いてるんですよ! ……いや、書いてないんですけど……勝手にブログとかからコピペされてる。ジャクソン家の番犬がランディに噛み付いた、って事件があって、その番犬はシェパードだったんですけど、そのことを自分の歌の歌詞というかラップにした時、語呂があわなくってドーベルマンに変えたんですよね。そしたらウィキペディアに「番犬はドーベルマン」って書いてあった(笑)……ところで、何でオレが真ん中に座んなきゃなんないの?
菊:そりゃあ主賓だからですよ! あのう、さっきのマーケティング・リサーチを続けさせていただきたいんですが、この中に『M/D』を持ってる人はどれくらいいらっしゃいます?
(挙手。4分の1くらい?)
菊:あー……
松:すごいねー……
菊:絶版ですけどね(笑)。この場だからですよ。普通もっと全然少ないですよ。じゃあ、マイケル・ジャクソンのレコードを3枚以下しか持っていないけど『新しいマイケル・ジャクソンの教科書』を買った、という人は?
(挙手。6割)
松:うわー……
菊:『M/D』出版時と同じ現象が起きてますね……つまりマイルス・デイヴィスを聴いたことがないのに本は読むという。
松:マイケル・ジャクソンについては、貸しレコード世代のヒーローだった、ってことも影響してると思いますよ。例えば「エディ・ヴァン・ヘイレンがギターを弾いてる曲を聴いてみたい」と思った時、当時の若者の多くは買うんじゃなくて、貸しレコード屋で借りて聴いたんじゃないでしょうか。だからマイケル・ジャクソンのアルバムを全部聴いていても、保有している人が少ない、という現象はありえるんじゃないか。
西:85年問題ですね。マイケル・ジャクソンと小沢一郎が実は同一人物っていう……(*「マイケル・ジャクソン、小沢一郎 ほぼ同一人物説」のこと。55年、ビルボードが誕生したいわゆる「ロックンロールの誕生」の年、自民党も誕生していた……)のはどうでもいいですが(笑)、『ウィ・アー・ザ・ワールド』がレコーディングされたのが85年の1月27日、リリースは5月ですが、あのアルバムをCDで持っている人ていうのはほとんどいないはずです。
菊:レコードでしょうね。
西:そう。その後、世界は急速にメディアの変化を迎えたんです。ライオネル・リッチーやプリンスは、メディアがCDになって、情報量が爆発的に増えたのを境に、アルバムの質が薄まったと僕は思う。その点『Dangerous』という、76分59秒にも渡って、これでもかと様々な曲が詰め込まれている濃いアルバムをつくったマイケル・ジャクソンはCD化、メディアの変化に勝った人だと僕は思っています。
菊:CD化の話は「マイケル・ジャクソン・エフェクト」の中でも最大のポイントだよね。MTVの話はみんなするけど、メディアが変化したこともMTVと同じくらい重大だよ。松尾さんはその点、僕の世代なのにブラックミュージックにのめりこんでいたわけじゃないですか、それって異常ですよね(笑)。松尾さんにとってマイケル・ジャクソンは特別枠ではないんですよね? ガチで?
松:ええ……。
菊:マイケルは馬鹿にされていたか否かっていったら、松尾さん的には……
松:されてませんね。
菊:変わってるよね。
西:変わってますね。僕は渋谷系世代ですけど、「マイケル馬鹿にされた」とばりばり思ってますよ、腹立つわー(笑)。Shampooとか、スキャットマン・ジョンとか、僕は真剣に好きで取り組んでるのに「えー、それが本当にきみのベスト・フェイバリットなのぉ?」みたいな、不当な扱われ方を……。
菊:すごい巨大なサーガが立ち上がってますよね、RUN DMCとマイケルの対決という図式みたいな。
西:「BAD」のPVってね、正直、最初に見た時は意味わからんかったんです、マーティン・スコセッシの意図が。最初フツーの格好したマイケルがぼんやりしてる図が出るでしょ、それが途中、闘争のシーンでいきなりカラーになる。今思うに、カラーのとこはマイケルの妄想やったんやないかな。つまりマイケルはRUN DMCと共演したかったんやないか。実際、クインシー・ジョーンズはRUN DMCにオファーしたけど、マイケルが断った。
菊:マイケルが断ったの?
西:断ったんです。クインシーはブラックの方に行きたかったんでしょうけど、マイケルは最先端のロックに行きたがっていたから。マイケルとクインシーとRUN DMCの激烈なバトルが「BAD」の本質やと今は思ってます。(力説)
菊:松尾さんは今はレコード大賞で悠々自適で(笑)、今の西寺さんみたいに必死で力説したりはしないけど、『ブラックミュージック・ガイド』を書かれた時には同じような、つまり「ブラックミュージックを日本のヒットチャートで正当に評価させてやる」みたいな意気込みがあったんじゃないですか?
松:僕がマイケルについて公式の場でコメントするのは亡くなってから初めてです。そして多分最後ですから。
西:「最後」言うておいてまた復活するんでしょ、まさにマイケル・ジャクソンみたい!
菊:僕ね、ブラックミュージック関係で昔のこと、って言うと16年前のことをすごくよく覚えているんですよ。16年前、朝本くんと知人の結婚式で会っててね、僕はヒモで暇だったけど……今も貧乏暇なしですけどね(笑)、朝本くんは僕とは違って「ソウルバーとかで流れている音楽がベストテンとかに溢れるようになればいいと思うんですよね!」と熱く語っていた。で、「今度いい新人がデビューするんですよ、UAって言う」「うーあ? 何人?」みたいな話をした。UAさん、オーチャードにも来てくださいましたが、翌年デビューするなりあれよあれよで15周年ですものね。
西:打倒カート・コバーン、打倒ニルヴァーナ、打倒レッドホットチリペッパーっすよ! 僕は戦ってますよ。だって、僕は8歳のときから曲を作っているのに、ちゃんとバンド組めたのが21歳の時なんですよ。それがもう、今のNONA REEVESですもん。なんでそうなったかって言うと、ティアーズフォーフィアーズとか、ワムとか、ファンキーなポップチューンを本気でやりたがる奴がまわりにいなかったんです。ああいうジャンルは、素人には技術が難しすぎるし、よく知ってる人には馬鹿にされてた。だから大学に行ってもバンド仲間ができなかった。それがさ! 「ニルヴァーナのファン募集、バンドやりましょう」なんてビラが大学に貼ってあると、どんどんはけるわけ。で、大学近くの飲み屋で「かんぱーい! ニルヴァーナ最高!」とか仲良くしちゃってる。「おめーらニルヴァーナ好きのクセにつるんでんじゃねーよ」と、僕は怒り心頭ですよね。すげートラウマですよ。今は好きですけど、ニルヴァーナ(笑)。
菊:好きなんだ(笑)
西:シアトルに行った後、好きになった。この間ビームスに行ったら、カート・コバーンと、ジョン・レノンと、マイケル・ジャクソンがそれぞれ蓋骨でデザインされたマグがあってね、「悲しい死を迎えたロックスター」というカテゴリーにマイケル・ジャクソンが加わったんだなあ、という感慨がありました。あんなにトラウマになってたニルヴァーナなのに、対になるっていうか、マイケルとニルヴァーナは僕の中で対立概念だったのに……同じマグカップのデザインに……。ニルヴァーナとマイケル・ジャクソンが戦い、僕も飲み屋で戦っていた……!
菊:絵に描いたような倒錯ですね。「ニルヴァーナ好きには仲間がいて、マイケル・ジャクソン好きな西寺さんが孤独」っていう倒錯。僕らジャズメンやラテンは浮世離れしてるから、ストリートのことはちょっと傍観してる感じなんだけど、松尾さんには仮想敵ってあったんですか? 西寺さんにおけるニルバーナみたいな。
松:うーん……あんまり僕、競争とか興味ないんですよね。競うことによってモチベーションを上げる、みたいなのはない。いやー、どうやったら嫌われないように喋れるか考えると無口になっちゃって(笑)
菊:考えなくていいと思いますよ(笑)



2009年12月07日(月)
大秘宝(ビッグジュエル)

……うまい!(そうか? いや目にしたときは膝を打ったんだが)。で、天空の? 蒼天の? 創世の(笑)? みなさん貯金の準備はいいですかー? 月に5000円貯めると4月までに25000円貯まりますから、1800円の定価でも13回は見られますよー。え、私はオトナですからそんな25回とか見るわけないじゃん!
編:「そうですよねー、15回くらいですよねー」
橘:「……」
いいえ、来年は平新ひとすじ……あっ、モノ投げないで! 生卵はらめえ! そんな、待て水曜日。そういや先週はなにたべ週でした(アラート)。
エロ平新にコメントたくさんありがとうございます。多謝。お返事ちょっと待ってください、すいません。

メモ
ttp://www.books-sanseido.co.jp/cgi-bin/mt_blog/mt-search.cgi?tag=%96%7B%8Ai%83~%83X%83e%83%8A%82%CC%89%A4%8D%91&blog_id=2&IncludeBlogs=2
ttp://www.asahi.com/kansai/travel/kansaiisan/OSK200911250028.html



2009年12月06日(日)
カメラ!カメラ!カメラ!

12:00海浜幕張。
こんなきれいな姿を見られるなら荷物持ちくらい軽いものだ(というか無理やりついていったとも)。式の時はプロの着付けを推奨しているが、正月とかなら着せてもいいなー。ふくら雀とか練習しなおそう。
12:15舞浜。
「なんかリゾートラインに乗ったことある気がする……」
「また偽の記憶ですか」
真相は闇の中。
晴天。なんてフォトジェニック。不祥キャメラマン橘、それでも頑張りました。大安だったらしく、式場はフル回転(6組も予定されてた)
13:00イクスピアリ。
時間を気にせずのんびり買い物するなんて久し振り。インテリアから服にアクセサリー、ネイルに化粧品までいろいろ揃うイクスピアリって素敵。特筆すべきはアクセサリーショップの多さ。カップルが多いからか。ラッシュとかルピシアは福袋まで我慢。映画見るのもいいなと思っていたが、ぶらぶらするうちあっという間に時間が過ぎる。
15:30
さすがに足が疲れてきたので昼から黒ビール。たまらん。
17:00ミラコスタ。
ビールでねむくなってきたのでリゾートラインを3周してうとうとする。きれいな夕暮れ。合流し、ミラコスタの土産物屋を見てから、ふたたびリゾートライン。
19:00イクスピアリ・クイーンアリス。

ブルーベリーのシャンパン割り
海の幸のゼリー寄せ/私の何だっけ?
きじと蕎麦のコンソメ/かぼちゃのポタージュ
鱈と白子のポワレ/鴨の魯山人風
季節のシャーベット/レンズ豆の冷たいぜんざい
ボジョレー・ヌーボー
コーヒー

参考:「美食家として名を馳せた魯山人は、フランス料理の外見偏重傾向に対しても厳しく、渡仏の際に訪れた著名な鴨料理店トゥール・ダルジャンで、「ソースが合わない」と味そのものを評価し、自ら持参したわさび醤油で食べたことさえあった。」

気軽なプリフィクスのコース。お箸があったりして、食べやすい。魯山人風は↑だが鱈もなんか醤油味ぽかった。ぜんざいが案外おいしかったなー。披露宴で食べたばかりの子には(しかも振袖)気の毒だったが、せっかくの機会だからお食事くらいしないでなんとする(私が)。

新婦のともだち席が若々しく華やいでいると新婦も若く見られるから、みんなで振袖を!という、なんともこころあたたまる良い話を聞かせてもらう。来年はもっとキモノ部しよう。春にはずっと欲しかった吉野間道も新調しよう。ガルーダ更紗の帯も。しかし安いとなかい柄とか、鳥柄の手織りつづれも欲しいんだよなー。カメラ予算と、ステレオ予算と、キモノ予算と、貯蓄予算を資金繰り(笑)しなくては。
楽しい初冬の1日でした。またねずみ王国にも行きましょうね。

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2009年12月05日(土)
菊地成孔コンサート2009・第二夜

菊地成孔 ダブ・セクステット@オーチャードホール
special guest:UA

えーと……すっげえジャズだった(言うに事欠いてソレか・笑)!!

鳥獣戯画襦袢(桃)
やつで柄ぼかし横縞小紋(抹茶いろ)
鳥獣戯画染め帯(桃)
くのや絞り帯揚げ(白地に紅梅)・帯締め(白〜赤)

長くなりますが、まずは当日のドレスアップの話から。
こうパーティーが続くと私の乏しいクローゼット在庫もなくなってくるというもので、オーチャードも最後だし、思い切って和服にしようかと企んだはいいのですが、土曜日の天気予報はばっちり雨じゃないですか! しかも当日は降るのか降らないのか、ぐずぐずとした曇り空。うわーどうしよう、3時になっても降ってなかったら着はじめちゃおうか、だって六本木の時結局和服を諦めて後悔したじゃん、いやでも雨の中和服ってかえって(見た目)痛くないか? などと悩みまくり。結局着ましたが。だって一張羅が「濡れても構わない」くらいのパーティーだって、ご贔屓さんはみんな知ってるでしょ? そうでしょ?
結局、渋谷駅からホールまで行くちょっとの間が土砂降りだっただけで、帰りはすっきり晴れたいい夜になりました。キクチさん(自称雨女、お子様を連れている時だけ晴れる、とおっしゃっていたUAさんに)勝ってくれてありがとう(笑)。
ちなみにホールのドレスアップ率は「がっつりドレスアップ」だと1割弱くらいかな。でもよく見るとみんなそれぞれにお洒落してきてる。いいですね、気分が上がって。素敵な和服姿の方も2日目にはいらっしゃいました。花柄の帯とか、ベージュ格子の着物にニット帽をあわせたキモノ姫とか。1日目はドレスが多く、それも素敵でした。シームのストッキングが多かったのは先日のドレスコードのせいかな(笑)。
今日は早く着いたので、ポメリーで乾杯しながら、ビュッフェで上映されていた写真をガン見し、激しく身悶えする(笑)。かっこいー。なんていうか、キクチさんの「被写体としての自分」っていう意識のあり方、みたいのが近頃すごく興味深い。

ポメリー・ルイーズ1998(シャンパーニュ)

二日目の私のテンションはのっけから上がりまくり。Dub Lizからばっさりと、そりゃもう日本刀で斬られたみたいに、やられた。反して、客席の暖まり方が遅かったような気がしたのは気のせいか、それとも雨のせいかな? 特にORBITSの坪口さんが凄すぎた。壮絶。音譜ひとつだけ、たったの一音が、「これしかない」という精度と確信を持って届けられた時の戦慄。坪口さんは見た目がクールなこともあって、逆に内に秘めた熱みたいなものを感じる。と昨日書いたけれど、あの時に声を抑えたほうが快感が増す、なんてオトナな話を持ち出すまでもなく、なんていうか、とにかく熱い。のだよね。この間早稲田で聴いたキーボードも最高にかっこよかったが、ダブでのピアノ演奏は、また別格、格別で、鬼気迫る、と言っても全く差し支えないだろう。パードンさんとの呼吸もばっちりすぎて怖いくらい。鬼気迫る、なのにチャーミング。大好きだ。そして類家くんがどんどんうまくなっている気がする。本田さんの強烈な演奏はもちろんだが、運動量というかスタミナがまずものすごいなと今夜は改めて感心。キクチさん、類家さん、木村さんと、坪口さん、鈴木さん、本田さんが形成するふたつの三角形で描かれたヘキサグラムの中心に、何かが降りてきたとしてもおかしくないような。今夜は歌姫が降臨したわけですけれど。
その歌姫UAさん、さらっと1曲だけだとばかり思っていたら3曲+アンコール1曲も歌ってくださった。ワンショルダーのブルーのセクシーなドレス。特筆すべきは(笑)、彼女のヒールがオーチャードのステージを撃ち抜いたこと(笑)。
キクチさん「何……どうしたの?」
UAさん「床……穴あけちゃったみたい」
キクチさん「うわっホントだ! ……すげえ」
UAさんとのトークも思ったより長くて得した気分(曰く「懐かしき『かみあわぬMC』」)。「UA」が実はスワヒリ語じゃなかった!って話とか、(UAさんの「みんな細くない?」にこたえて)ダブのメンバーが忙しすぎてどんどん痩せ衰えてゆく、とか、「類家くん、UAさんと久しぶりでしょう、ご挨拶は?」とまたしても類家くんが、愛情を持って軽くイジられたり(笑)とか。
Honeys and Scorpionsで悪寒に近いような震えがきて、それがOrver the rainbowで「うっわー…」と止まらなくなる。口開きっぱなしだったんじゃないかと思う、私。
キクチさんは、観客を楽しませて帰すことに徹底して心を砕き、またそれが上手なんだな、としみじみ思う。終わっちゃうのが、ほんとうに、ほんとうに惜しかった。
音に関して、素人ながら。リードミスは今日の方が多かったが、今夜はどうも意図してやってる感が強い。セッティングとリードを変え、昨日はリードミスが出たが、それも飲み込んでこの音でやってく、という強い意思みたいなもの。というのが私の見立て。音質そのものは今日のほうが豊かで柔らかに感じた。

Dub Liz
Susan Sontag
AAAL
Caroline Champetier
ORBITS
Night in Tunisia
Honeys and scorpions
Orver the rainbow
Dub Sorcerer

「オーチャードをはじめた2年前は、世界がこんなことになってるとはさすがに思いませんでした……いっそ全部10円にしたらどうですかね。10円のスーツを買い、それを着て10円のコンサートに行き、10円のシャンパンを飲み、10円のタクシーで帰る……すげえパーティーですけどね、それ」
あとは2日間共通ネタとして、タカトシとか、パーカー万年筆とか。

This city is too jazzy to be in love(スキャット合戦・たまらんっす!!)
MONKY MUSH DOWN

そういえば今夜は青山で大儀見さんのライブだったそうです。昨夜「ここからタクシーでワンメーターですから、私が40台くらい呼んでおきます、一緒に行きましょう……って冗談ですよッ!」なんておっしゃっていたが、今日もサイン会の列がすごく長かったから、キクチさんもさすがに無理だったかな。今夜もお疲れ様でした&ありがとうございました。私は先行発売の映画本にサインを頂きました。よく見たらパーカー万年筆を使っていらっしゃいました(笑)。金色のやつ。欲しくなっちゃった(スポンサーの思う壺・笑)。そして(昨日はレコードにサインをいただいたので「しゅっ」してもらえなかった)今日は本に「しゅっ」してもらったミュグレーが、新鮮な香りで、そういやこういうスパイシーなトップノートだったよなあ、と。私もエンジェル使ってるんだけど、バニラの香りばっかり強くて。つける人が違うと……って話じゃなく半年に一回くらいしか買わないせいでしょっぱなからラストノート状態になっちゃってるのかも(笑)。サイン会は期待してた類家さんたちがいなくてちょっと残念でしたが、全身白スーツのキクチさんが超かっこよかったのでオールライト。ちなみに私、ずっと「キクチさんってもしかして左利きじゃね? 時計右だし、いやーんなんかそれってステキ」と馬鹿みたいに疑っていたのだけど、先日、公式サイトに左利きであることが明言してあるのを発見して「なんで気付かなかったの私」とひとり恥じ入っていた、という過去があるのですが(すげえどーでもいいな(笑))、今日よく見たらやっぱり左手でパーカー万年筆を持っていらっしゃいました。何度もサイン頂いてるのに気づかない私って一体。

夜が終わるのが惜しくて、オーチャードから徒歩4分にあるとっておきの隠れ家ビストロで手に入れたばかりの映画本を開き、おひとりさましてから帰った。雨がやんで、星が出ていた。ああ、終わっちゃったなあ。
鴨のコンフィとフルーツのサラダ・ハーフポーション(絶品。フルーツは季節によって変わるが、今日は苺、梨、ぶどう)
イノシシの自家製ソーセージ
フォカッチャ
有機赤ワイン2杯
……しかしフレンチのビストロ、という認識でずっといたけど、フォカッチャだよなそういやこの店。イタリアンなのー? どうなのー(笑)。

昨日・今日が「最高の演奏記録」の更新であったか? という問いを、ずっと自問自答していた。昨日までは「そうかな、ペペは春の恵比寿が革命的で衝撃だったし、ダブのリキッドもかなり暴動だったじゃないか、本当に、自信と確信を持って、そう言えるのか私?」と。でも今日こうして感想を書いていると、やはり過去最高に素晴らしいライブであった、と思うようになってきた。どのあたりが、というのは今後おいおい言語化してゆけるのかもしれないし、できないかもしれない。とにかく今日は乾杯しよう。20世紀最後の12月に、出逢えた僥倖に、乱世に、官能に、憂鬱に、エレガンスに、エロスに、健康に、そして来る21世紀に。

乾杯。

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2009年12月04日(金)
菊地成孔コンサート2009・第一夜

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール@オーチャードホール
special guest:林正子

これは2日間通しての率直な感想であり、またエクスキューズでもあるのだが、これほどまでに言語化を誘発し、同時にそれを拒むコンセールがあるだろうか。エクスキューズとは、つまり、書きたい気持ちはあれど、なにからどう書いていいか今もって全くわからない、ということだ。ただ最初に記録しておこう。同時代に生きて、演奏を聴き、現実と共闘してゆけることの幸福に心から感謝したい。

「私がこのオルケスタの演奏を前にこうして喋るのははじめてのことだと思います。この夏、新しいアルバムの収録中に3人の偉大なダンサーが天に召され、アルバムが完成した秋にはクロード・レヴィ=ストロース氏が逝去されました。彼らの存在、業績がなければ、このオルケスタは着想されることすらなかったのです。彼らに感謝し、彼らを追悼し、演奏を捧げます」

1st
即興〜はなればなれに
(サックスをとりかえて)即興〜映画「アルファビル」〜悲しきワルツ
組曲「キャバレー・タンガフリーク」より 1)孔雀
京マチ子の夜
映画「バターフィールド8」〜バターフィールド8のテーマ
メウ・アミーゴ・トム・ジョビン
大天使のように

全体にわずかにテンポが遅い(かな、でも自信ねーな、と思っていたら本当に遅かったらしい。信頼できる筋(笑)の情報)。追悼、ということなのだろう。しめやかに、夏の葬列のように、3拍子が流れてゆく。客席がゆっくりと暖まっていく感じがおもしろい。あと、ホール仕様で拍手が「うおーばちばちばちっ!」じゃなくて「さわわわわわ〜」ってのも久々で。休憩の時にそれとなく見てみたら泣いてる方があちこちにいらして「わかるわかるよその気持ち!」とこっそり共感した。私はといえば甘いキャンディーをじっくり舐めるように味わいつくそうと前のめりで聴いていたのに、いつの間にか自分が溶けちゃった、っていうか(笑)。「はぁぁーっ」って。溶けちゃうよねえ、バターフィールドあたりで、どうしたって、バターだけに(笑)。
「あれ?」と思ったのは、サックスの音色が思ったより硬質に感じられたこと。アンプの特性、というか大きいホールの前の方だからかな、とも考えたが、セッティングとかリードを意図的に変えたのかもしれない。いつもは囁くような低音に心揺さぶられることが多いのだけど、今日は高音の伸びのほうがいいし、リードミスが多かったので。
リードミスで客席が「あ」ってなる体験は、ペペでははじめてだ。

休憩(20分)
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ1997(ボルドー)
華やかな香りが印象的な、エレガントな赤。
ふんわりとほろ酔いになりながら席に着く。
酔っていたせいか、2ndはますますエレガントで、なめらかで、官能的で、甘く誘うような、まるで死、そのもののようで、けれど光が見えて。きらきらと。それは死の果てにあるものではなく、確かに希望のようなものであったと。

2nd
即興〜プラザ・レアル
即興〜When I Am Laid In Earth
キリング・タイム
組曲「キャバレー・タンガフリーク」より 3)儀式
バンドネオンsolo〜ルペ・ベレスの葬儀
映画「81/2」〜それから…(ワルツ)より

林さんはエレガントなドレス姿なのにオトコマエ、というかさばさばした印象の楽しい方で、歌との落差が面白い。林さんの歌にバトンを渡した後、静かに楽器を置いて、数秒、虚空に視線をやってからふ、と背中を向けたキクチさんの姿。魂の行方を見極めるかのような。そして振り切ったみたいなキリング・タイム。アレンジが違う。もーなにこれーどーしてくれるのー(泣)。あとはノンストップでとろとろに溶ける。鳥越さんホント天才だなー! なにあのハーモニクス、なにあのつやっとした音! ピアノがまた身体ごと乗ってく感じで、翌日に登場される坪口さんとの対比もすごく面白い。どっちも素晴らしいんだけど、林さんが外に放出する熱だとするならば、坪口さんは内に秘めた熱(明日の分に書けたら書くが、エロティックかつチャーミングだ)。吉田さんのソロもすっげえいい。キクチさんの細身のパンツ(もちろんクール・ストラテティン)、ダンス(と言っていいだろう、もうアレは)のステップがよく見えて、かっこいい。
ステージを去るときのキクチさんの投げキスがなんだかいつもと違う気がしてざわざわした(笑)。いつものチャーミングなやつじゃなく、女性に対して、のような艶っぽいイメージだった。

「えー「自慢とやっかみだけは人前で口にするな」とオヤジから口を酸っぱくして言われて育ちましたが、もうくたばっちまいましたからいいでしょう、これから自慢をいたします……あれ、マイクが嫌がってる(角度変わる)、やめとけってことか……いや、自慢します(きっぱり・笑)。このオルケスタは、僕の自慢で、誇りです。メンバー紹介をします。各人の姓名、年齢、職業、支持政党、支持する宗教、を詳細に……自慢ですから詳細にね(笑)……、自由共和党、林正樹(笑)、職業、ピアニスト、続いて国家社会主義ドイツ労働者党、堀米綾……嘘ですよ、ちなみにドイツ労働者党っていうのは(略)ですけどね(笑)、さて人数分政党と宗教を捏造するのが大変であることが判明したので後は普通に行きます……以上、僕の自慢の、オルケスタメンバー紹介でした」
「協賛はまず、パーカー万年筆様……ええとこういう仕事をしてますと万年筆のスポンサー様からありがたいことに何社かお申し出があったのですが、やっぱジャズメンならパーカー万年筆だろう、と(ウケ1割程度(笑))……あー、ええとですね、チャーリー・パーカーってご存知でしょうか? 日本で今最も彼に酷似している日本人、というネタがありまして、どうしてもここで披露したかったので発表しますが、それはタカ&トシのタカさんです。太ったころのチャーリー・パーカーに特にそっくりで、テレビに出るたび「あ、チャーリー・パーカー」って(笑)」
「ええとクール・ストラテティン様は若者がオーダースーツを作らなくなってしまったので倒産しそうらしいですが……嘘ですよ、すばらしい業績をあげていらっしゃいますが、みなさん、もっとスーツを作りましょう(笑)」
「あと何だ? ああ、終演後もワインその他が飲めますので、飲み足りない方は飲んでください。踊り足りない方は踊ってください。殺し足りない方は……我慢していただいて(笑)」
「2000年問題、という都市伝説を、皆さんはまだ記憶していらっしゃるでしょうか。コンピューターが誤作動するだの、ミサイルが発射されるだの、ノストラダムス級の騒ぎでしたが、結局何もおきませんでしたよね? しかし、驚くなかれ、2000年問題は、実は秘かに、10年遅れで、進行していたのです。でなきゃ森繁久彌と加藤和彦が立て続けに亡くなるわけがありません。今年が、20世紀のほんとうの終焉なのです。あと数日ですね……今が、ほんとうの世紀末なのです」

アンコール
嵐が丘
時さえ忘れて
暗くなるまで待って

隣席が年配の男性だったこともあり、男性にとってもキクチさんの歌はセクシーに聴こえるのかしら? なんてことを考えた。「僕の歌ばっかり聴いてるご贔屓の方は林さんの素晴らしい声に触れてぶっとんじゃうかと懸念しましたが……(笑)」ああ、ほんとうにこのひとの歌声は、どうしてこんなにも胸をかきむしり、かつ慰撫してくれるのだろう。

「現実は辛く、我々の人生は短い。たった150年生きられる人は絶無なのです」(キクチさん公式より)。
一貫して(強弱はあれど)追悼ムードだったこともあり、私を含めて、このホールにいる人全員が100年後には生きてはいないのだな、という村上春樹的なこと(どこがと言われても困るけど)を思う。だからこそ、同じ時代に生きて、演奏を行い/聴くことのできる僥倖を強く感じ、改めて感謝する。3人のダンサーと、レヴィ翁の魂も、あの空間のどこかに浮遊していたに違いない。あの時、キクチさんには見えていたのかもしれない。
総括的な内容ということなのだろう、案外古い曲が多く、嬉しいながらも「ニューアルバムももっと聴きたい!」「踊りたい!」と思ったが、それはまた来年のお楽しみだ。素晴らしいことに来年さっそく(しかも私の誕生日の前日である)2月4日にリキッドルームでスタンディングのライブがあるのだそうで、素晴らしいプレゼントとなった(チケットもちろん買った)。

迷惑な客だが、最後のパーティーなので2日ともサインしていただこうと決めていた。「ニューヨーク…」はもちろんもう持っているし、何にサインしてもらったら……とちょっとだけ(ほんとにちょっとだけ)悩んで、結局プレパーティーの時から購入を迷っていた12インチを持って(2枚買いじゃなくてスミマセン(笑))列に並ぶ。長い長い列で、私の番が来るまで1時間ちょっとかかったのだけど、キクチさんが始終にこやかに、ご機嫌で対応されていたのがとても印象的だった。お疲れ様でした。
サイン会にはバンドネオンの早川さんと、セロの徳澤さんも参加されていて「すばらしかったです」と直接伝えられて嬉しかった。特にセロの音が艶やかで良いな、と感じたので。「3人のサインが入った限定アナログ版超ー貴重!」とほくほく胸に抱いて帰る。家宝としてベッドルームに飾ってあるが、ジャケットの色も素敵で、目覚めるたびにちょっと甘いきもちになる。

追記。
サインの列に並んでいる間に、長いことずっとちょっとだけひっかかっていた「大天使問題」が不意に決着をみた。それはコンセールに行き、演奏を聴いて、セットリストを顧みるたび、「大天使のように」の演奏を思い起こすときだけ奇妙な違和感につきまとわれる、という問題であった。これがさ! リュークに入ってないから「聴き慣れ度」に差があるんだということが判明したわけ。つまりウチのリューク(iPodnano第2世代)にはいつもキクチさんの曲がたっぷり入っているのだが、なぜか「大天使」が抜けてるの。なぜかは不明。サインに並びながらイヤホンして今日の復習をしてたら大天使が入ってないことにはじめて気付いた、というわけ。

もひとつ追記。
サインしてもらって駆け込んだ電車は終電間際の満員。
タワレコの黄色い袋にあの大きさだったらLPってわかるでしょ? LPったら壊れ物だってわかるでしょ? と思っていた私に不意に戦慄が走った!(大袈裟)
「もしや今の若い子って、レコードが壊れ物って認識ないんじゃ……」
すげえ大事に抱え直しましたよ、タワレコの袋(に入ったバイレ・エクゾシズモ)を。
後日、編集者に「レコードって割れるって知ってる?」と失礼な質問をしたところ「知ってる」とのこと。しかし「45回転と33回転があるのを知ってる?」という質問には「え、何それ?」「回転数、つまりレコードを回すでしょ? あの回す早さが盤によって違うの」「へー自動判別するの?」「まさか! 選ぶんだよ、ツマミで」「ツマミ……?」。
いやはや隔世の感。割れなくてよかった(笑)。

ドレス:エクサントリークのツイード素材コルセットドレス(ケープつき)

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2009年12月03日(木)
その唇で囁いて。

橘の萌えの源流はほもにありますが、創作の源流が男性向けなため、好き勝手書くとなんちゅーか乙女の夢とはかけ離れてオヤジ方面へと驀進してゆきます。たとえば。



「ほな裸ンなって、コレ付けてくれへんか」
服部はピンクのエプロンを差し出して言った。
「……」
工藤は怪訝そうな顔で服部とエプロンとを見較べてから、かわいそうなモノを見る目で服部を見て溜息をついた。
「ちゃうちゃう、あくまで潜入捜査用の訓練メニューの役割、ちゅうことでやで? そんなん工藤かて納得しとることやないか」
「役割、なぁ」
「オレを疑うんか?」
「いいや……わかった。「新婚の若妻イメージ」が必要なんだろ? 仕事ならしょうがねえ……よな」
「さっすが工藤、仕事熱心やし、ものわかりも早いわぁ」
エプロンを身に着けると、さっそく服部は流し台の前に立つようにと工藤に指示した。工藤はおそるおそる言われた場所に立ち、調理しているふうを装ってみせたが、服部はいまいち不満、という表情で首を捻っている。
「なんだよ、ちゃんと若妻みてえにしてンだろ?」
「コスチュームだけなら誰でも着られるしなァ……オレはほんまの実力、つまり工藤の演技力を見たいんやけど」
「そ、そうだったのか……」
唆されまくっている気がしないでもないが、こんな格好になっておいて異を唱えるのもいまさらだ。演技派女優の息子というプライドもある。それならば、と工藤は精一杯、しなをつくった声で服部に呼びかけた。
「『お、おかえりダーリン。早かったな……』」
「『おう、工藤が待っとる思うたら走って帰ってきてもうたわ』ええやんええやん、なかなか上手いで工藤」
「『ご飯にする、お風呂にする、それとも……』」
「そんなん決まってるやないか、コレや、コレ」
エプロン一枚の細腰に手を回して、唯一の砦であるピンクのリボンを指先でもてあそぶ。
「『あ、ああっ、イヤ……そんなの』」
「上手い上手い、気分出るわあ」
服部はす、と一歩引いて、いやらしい姿を存分に眺めまわした。視線を感じるのか、工藤は興奮とも恐怖とも判別できぬ細かな痙攣に襲われて、ぴく、ぴく、と全身をわななかせている。相当恥ずかしいらしい。俯いた首筋が真っ赤だ。
(マジで堪らんな……)
限界だった。
「く、工藤ッ」
うわずった声をあげ、服部は背後から抱きついた。ベルトを抜くのももどかしく、降ろしたファスナーからそそくさと引っ張り出した怒張を背後から押し付ける。それでも一生懸命に演技を続ける健気さに、ますます興奮が募るのを工藤は知らないだろう。
「『だ、駄目よ、ダーリン、食事の支度を……』」
「『そんなん後でええやん』」
「『でも、食事が遅れちまう』」
可愛い新妻のエプロンをたくしあげ、リボンを引きほどく。剥きだしになった肌はかすかに上気して桃色に染まり、輝かんばかりにつややかに見えた。ひときわ輝く双丘の肉を押しひろげ、服部は予告もなく、背後から一息に押しこんだ。
「!? うわッ……『ああっ、駄目えッ……』……ッ?」
それでもセリフを読み続ける工藤の女優魂を育んだ母親に感謝しながら、服部は腰を進めていった。
ついシンクに手を突いてしまい、いきおい尻を突き出した格好になっている工藤を背後から抱き締めて体温を伝えながら、耳元で囁いてやる。
「ほぉら、ナカに全部入ったで」
「あぁッ……や……だめ、だって」
本気とも演技ともつかない悩ましい声をあげる、その唇に触れたくなって、服部は工藤の顎を掴んで振り向かせると唇を押しつけ、差し入れた舌を絡めた。口のなかに唾液を溜め、舌に沿って流し込むと、さすがに正気づいたか、工藤は首を振って逃れようとする。
「てめぇ、いい加減に……ッ」
「工藤、演技、演技忘れたらあかんて」
工藤ははっ、とした顔で、蹴り上げかけていた脚をおさめた。その隙に服部は尻に腹筋を密着させるようにして、最奥へと腰を進める。
「けどよ、ホンバンまで必要ねえんじゃ、あッ」
「阿呆、犯人も馬鹿ちゃうねんで、リアルな演技やないと引っ掛ってくれへんやんか」
「そ、そういうモンか……?」
言い返す工藤の声が、徐々に自信を失って弱まっていく。
「せやで、もっと気合入れて喘ぐ演技してくれんと困るわ」
「『はあぁあっ、おっきい、あっ、あっ……』」
「おー、やればできるやんか、ええでええで、最高や工藤。『うッ……工藤、めっちゃ締まるわ』」
「『ああぁっ……服部、もっと、もっとシてぇ……』」
卑猥な言葉を使うのは演技のつもりだろうが、とうとう服部のどこかがぷちん、と音を立てて切れた。
「ああ、工藤……気持ちええで……っ……」
「あのさぁ、やっぱヤりすぎ……う、ああッ」
服部は後ろから手をまわして、エプロンが纏わりついた工藤の屹立を掴み、力任せにしごきあげながら、腰を前後に揺り動かした。パンパン、と大きな音がキッチンに響き渡る。
「ふうあっ……んんッ……」
言葉では拒絶しても、反応をはじめてしまった工藤の身体ももう、止まらない。拒むように固いばかりだった内肉がとろけて収縮するのを感じながら、服部はとうとう内部にどくどくと精液を流し込んだ。同時に工藤も全身を弓なりにそらして達する。
「も、ダメ、だッ、あああっ、出るッ……!」
工藤はは糸の切れた人形のように、ぐったりとシンクにもたれかかり、荒い息を繰り返している。引き抜いた後からどろりと白濁がこぼれ、太腿で工藤の放出と混じり合って白い筋を引いた。




えろす最高!もっと書け、こういう本を出せ

ネタは好きだけど生生しくてちょっとなー…

エロはいいけどネタがちょっと…

いやーん、もっと清純な平新にして








どっちかっていうと白新のねただと途中で気付いたが書き直さない橘クオリティ。つーかそもそも書こうとしてたのはタイトルのネタ(眠ってる工藤の口元に"最低だ……"ばーいシンジ)だったのにどっかでまちがえた。その上アンケート設置が面倒になったので送信を押しても何も起きません(すでに押されたかたがいらしたらすみません・笑)。ひとこと言ってやろう、とおっしゃるお客様はぜひトップページのメルフォか拍手からよろしくです。あ、選択肢に「まだまだヌルい」とかも必要か(笑)。「いいから原稿やれ」とか(笑)。お待ちしてまーす。

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2009年12月02日(水)
声はせで身のみ焦がす蛍こそ

そうですか常識なんですねたくみくん……(笑)。
こころの奥がざわつくような満月。冴え冴えと。
先日流星の双子がよくてのけぞったって書いたけど、なにがよかったってへーが「川崎」を飲んでるとこ(笑)。でも「ハイボールは角に限る」んだそう。です。小雪でもいーのか! というツッコミができるひとになりたいものです。



2009年12月01日(火)
パーティーシーズン到来

さあ12月のスタートです。
あちこちから思い出したようにジョンの声です。
パーティーピープルと化して街へ繰り出しますよー。
てなわけで。

intoxicate presents “Ecole plus”@EATS and MEETS Cay
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』発売&オーチャードホール公演プレパーティー

DJ:菊地成孔
GUEST DJ:小林径、二見裕志、日向さやか
映像:冨永昌敬
展示:記憶喪失学・及びニューヨーク・ヘルソニック・バレエジャケットの原画

・ビール
・カシスオレンジ
・当日限定カクテル”バイレ・エクゾシズモ”(「緑色のアヤシイ奴」)
・同上”ヘルソニック”(「いちごのカワイイカクテル」)
※括弧内は黒板の表記そのまま
・ジンライム
・グレープフルーツジュース
・ナムルの生春巻き
・メキシカン風ローストビーフライス
(以上、フード&ドリンクコーナーで各自注文)

日向さんと二見さんが40分くらいずつ回す。まだフロアに人はまばら。座ってたのしむ。
小林さんとキクチさんは交代のときに少し喋っていらっしゃった。
小林さんは「ナルヨシさん」へのリスペクトを。「アーカイブじゃない(均一な、倉庫的な、じゃなくて歴史の重みを持った、みたいな意味?)音楽観を表現できるのはナルヨシさんだけ」。
キクチさんは「せっかくあたたまってきたのにアレだけど一回下げます(笑)。現代音楽とかオペラとか回しちゃうからねー、でも踊りはじめたらノンストップ、だと思います」喋ってるときだけ最前列でかぶりつきにキクチさんを観察し(笑)、その後はまったり座ったり揺れたりしながらたのしんだ。

DJされている曲を言い当てられるような器量は勉強不足の私にはないので、ほんとに極私的所見というか拙い感想、にしかならないのだが、ゴジラ風現代音楽(不安感を含んだ、伊福部先生的な、と言いたいらしい)〜電化コンゴみたいなリズムもの(コンゴトロニクス、と言いたいらしいが正確じゃないと思う)〜イナバウアー的な(あ、これはわかりやすい私(笑)。オペラ=トゥーランドットみたい、いうようなこと)〜KillingTimeで大虐殺(叫んだ(笑))!
曲目もろくにわからない癖にアレだけど、キクチさんのDJがやっぱり大好きだなー、としみじみ思う。演奏してる時とはちょっと違う、マニアの生真面目さ、みたいな雰囲気があるのも好き。あんなに動くDJはいまどき珍しいのだそうで、板前のよう、と評されていた方がいらして膝を打つ。お父様が板前でいらしたことも含めてね。
踊り狂う、というほどでもないが、小さくあたたかいかんじのパーティーで、とてもよかった。パーティーにはかわいい子同伴がセオリーでしょう、と病み上がりの子を連れ歩いたのだけが申し訳なかった。つきあってくれてありがとうね。今度(こそ)はちゃんとシッティングの席にエスコートさせていただくよ。

あーもう明後日(これ書いてるのは2日)にはオーチャードなんだなー。