ヒルカニヤの虎



 地下鉄の改札から218秒かけて

えっもうすぐ6月!?

犬の心が出るのでとりあえず確保した京橋夜芝居。
前回のBENKEIがイマイチだったので直前まで迷いましたが、
主役と脇役が攻守交代ということでチャリこいで行ってきました。

結果、すっっっごいよかった!!
明日どうしようか迷ってる人はぜひ千秋楽見にいってください。ベタだけどきっと損はない。まだチケットあるそうなのでほんとにぜひ。
これから確実に各都市まわると思うけど、時間があれば明日もう1回見たいなあ。BENKEIと同じ脚本家さんなんだと思いますが、前回よりずっとよかったです。


■YOSHIWARA〜過去を失くした或る男の話〜
2010/05/22/Sat_19:30-@京橋花月

芝居ものなのでストーリーは極力ネタばれず、芸人さんの感想だけ軽めに。

紀州みかんの帆掛け舟、ときいて♪沖の暗いのに白帆が見える♪が浮かぶ私は骨髄のパタリロっ子。
紀伊國屋文左衛門(紀文)=犬の心池谷だけ史実なのかな。
前回の海尊しかり、歴史上の人物を一人たててそれを軸になんちゃって歴史ファンタジーをふくらませていく、というタイプの脚本家さんのよう。
話の構成とか悪役のカンジとかも前回と激似ですが、今回は大変おもしろかったので無問題です。終盤は会場客席がほとんど泣いてた。

主役が犬の心2人で、グランジ・ラフコン・あべこうじが脇役。
でも裏主役はあべこうじ。悲恋悲劇でめちゃくちゃかっこええ役。にくいね。
オカマの遠山も影武者のごめたんも半ボケじじいの重岡もあやしい博士の森木も、皆いきいきしていてすばらしかった。BENKEIのときは主役級のグランジと重岡がしんどそうで残念だったのですが、彼らは脇に回ればまぶしいほど光る役者さんだったようです。なんという自由!グランジはやっぱイロモノだよね!反則すぎる佐藤大には爆笑させていただいた。佐藤大のアドリブのためだけでももう1回みたいです。楽しかったー。舞台上ではかたくななほど役に入ったままの押見さんが珍しく笑ってしまったほど。
ラフコン重は本来ああいう自由な役がいいんだと思う。遊びの部分はほんとに楽しそうだった。森木はそんなに役作りしてないのに、カメレオンのように色を変えられるいい役者さんだとあらためて思う。みんなハマり役です。

22日のゲストは浅越ゴエ。のっけから異常に高いテンションで、最終的にはコサックダンスを踊っていました。アレこんな人だっけ?EDで自ら「一皮剥けました」って言ってた。たしかに。追いつめられてもいないのに。恒例の大喜利コーナーは安定感があってよかったです。

あと今回の悪役だったライパッチの踊るほう、殺陣すごかった。池谷さんと互角で非常に見ごたえあった。見た目も舞台映えします。相方のダメメガネはいいお笑いパートを奏でていました。2人とも上背あるし、舞台に向いてるっぽいコンビ。

主役の犬の心は抜群の安定感でね、特に書くこともないほど。よい意味で期待を裏切らない人たちです。池谷さんがヒーロー役なのはすごい説得力。押見さんは受け身のほうの主役だからあんまり面白みはないけど、個性的すぎる脇役に食われてしまわない盤石の演技力でした。やっぱり犬だけ高性能マイクつけてるんじゃ?と疑う発声とカツゼツ。

予算ないのもがんばって工夫してたし、時代考証も言葉も途中で気にならなくなったし、熱い芝居だったなー。曲は9ミリ。
またこの組み合わせ・攻守の芝居があれば見に行きたいです。満足。



今日の関西ローカル:ウラマヨ(PM13:00-)にて小杉が「吉田の元カノが結婚した」とのできたてほやほや傷心話を暴露。暴露に「ガチすぎるやろ!」と憤る吉田→マヨブラジオ(PM24:50-)にて吉田が涙目でしみじみ元カノ結婚話。小杉の心配&思いやりにさらに涙目の吉田。話がぶりかえすたびにうるむおセンチ吉田。なんてドラマチックな土曜。

2010年05月22日(土)



 愛に溺れてフワフワ

ライセンス出演フレンドパークの傷心が癒えない今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
わたしはフレンドパーク永久保存版の木更津キャッツメン/オードリーの回を見て平常心を取り戻さんと躍起でした。あの子らはほんまにあかんたれやで...。
そんなことより今日は小沢君ひふみよツアーの追加公演1日め。でも関西公演はもっとずっと後なので、チケットが届くまでじっと我慢の子です。うーそわそわする。
で今日は6時半に仕事切り上げてチャリで梅田に向かって疾走。中ノ島から中崎町こえて、茶屋町でちょうど20分くらい。
東京のかっちょいいおじさまたちを見てきました。


■シティボーイズのFilm noir〜トーク祭り〜2010/05/18/Tue_19:00-@梅田芸術劇場メインホール

着くまでチケット確認してなくて、シアタードラマシティだと思ってたよ。おいおいメインホールて!3階席って!おそろしい高度から舞台を見降ろすハメに。しかもおそろしい近さに超巨大シャンデリア(ヨーロッパの大聖堂とかでもそうだけど、巨大で荘厳な建造物をみるとむしょうに破壊したくなる衝動は何なんだろう)。開演して出てきたお三方はヤクルトぐらいの大きさ。オペラグラス持ってけばよかった…!

フリートークでは何度となく「いとうせいこうを呼べ!」と思いました。きたろうさんの自由と斉木さんの無法に拍車がかかり、何となく泳がせている大竹さん。理屈屋の末っ子=つっこみマシーンを投入しないと収拾がつかないくだりが多発してた。

OPトーク:ゆるすぎてほとんど覚えていない!ふぃるむのーわるって何?という話をきたろうさんがド頭でしていた気がする。ゆるいのは台本もリハもない角さんの番組に出てきたから(ちちんぷいぷい)。ドン小西はデザイナーでセンスがいいのにどうして自分の服のセンスの悪さだけわからないんだろうね?とも言ってた※きたろうさんが無邪気に(無言で詰め寄る大竹さん)。

映画「俺の切腹」:南極料理人の監督さんで、明日処刑される剣士が辞世の句が気にかかりまくる時代劇。「泣きそうじゃ」から「クリエイティブとは何だ?」まで、台詞と間でけっこうクスリときました。主演は夙川アトム。いい味出てた。あいつはできる。

トーク:大竹さんと斉木さんによる「俺の切腹」時代考証ダメだし。次いできたろうさんによる夙川アトムの芝居ダメだし。気持ちで演じるきたろうさんと形式で演じる斉木さん。ふつうに斉木さんの勝ち「俺の演技はパロディだから」かっこいい。あと3人それぞれが辞世の句を詠んでいました。きたろうさんの朗読がかわいいので気持ち悪がる大竹さん。大竹さんの句が微妙すぎた。

映画「遠い少年の日」:多摩川で水切り教室をひらくリストラサラリーマン福森さん(きたろう)とその生徒の外資系リストラサラリーマン(大竹)。それをドキュメンタリー風にとるカメラ。大竹さんがおじいちゃんにしかみえない!!シティボーイズ好きな人が撮ったんだろうなあ、というショートフィルム。二人がコツコツ積み上げたリアリズムをぶちこわす道場破りの浮浪者(斉木)。

トーク:↑はまさにシティボーイズの関係性。つっこみの大竹さんとお笑いボケのきたろうさんが積み上げたものを、反則大ボケの斉木さんが破壊する。そんなトークの合間にも舞台にいない斉木さん。大竹さんときたろうさん小競り合い(フリ)→ハハーンさん登場!このくだりが2回あった!わーうれしい!10年以上も前のキャラ・ハハーンさんが拍手と歓声で迎えられる不思議。斉木さんはハハーンさんが好き。

ドキュメンタリー「中村有志」:きたろうさんが中村有志の異常性に密着。生でナレーションするきたろうさん。内容は詳述しがたいなあ。格闘技三昧→カビ訴訟→炊き出しという流れ。炊き出す側に電撃ネットワークと田代マーシーが!

トーク:中村さん登場。異常だという自覚がない中村有志。体の右側にAさん、左側にBさんが入っていて二人が円柱の場合と球状の場合で歩き方は変わってくる。パントマイマーは仮想現実に生きているから。うん、喋ってる意味がほとんどわかりません。大竹さん「気違いだよ!」でも斉木さんにはわかる。斉木さんも自分はいたってノーマルだと主張。きたろう「異常な人ほど自分の異常性には気付かないんだよ、ドン小西だってそうだよ」ドン小西違う。しかも後ろで斉木さんが自分を忍者だと主張している。いとうせいこうを呼べ!大竹さん一人では全然追っつかない。

映画「dark on dark」:大竹まこと監督作品。これも内容は書きあらわしがたい。あの年でこういう世界観を撮ろうというのは若いなと思った。大学生の作品でも違和感ないよね。老いさらばえた身体が笑いどころ。

EDトーク:意味なんて考えたらダメだときたろうさんが言っていました。大竹さんの映画論がいつかのカリカ家城さんのシュール論と同じだったので、へーと思う。映画の世界がこちらの世界と全然違っていて理解が至らないとしても、向こう側の世界が世界として成立していたらそれでいい、あとはこちら側の解釈次第、というもの。とすると家城さんのほうが演出者としてはすごいな。
映画に出演した斉木さんが勝手にコマ割を決めてしまって思ったものが撮れなかったと大竹さん。いくつになっても仲の良いことで、素晴らしき哉。

最後は例によって斉木さんのリサイタル。「dark on dark」に出てきた大道芸フワダンス(その前に中村有志の最低なダンスがあったのだが、あれは心の大事な場所にしまっておきます)。ドレスも映画中では未完成だったのが、やっと完成しました。そんな呑気な。歌も完成したらしい。途中、子どもがツボって大笑いしてたのがほほえましかった。


あんなバカでかいホールでやる必要はひとつもないライブでした。くだらねー、とにこにこしながらチャリで帰ってきた。いつものGW公演は10月にやるそうです。チケットとれたら行こう。
しかし彼らおじさまっていうか、もうおじいさまかもしれない。それもまたよし。

途中でどっか寄る気力もなく帰ってきたら、兄作のやきそばがあった。いつもごちそうさまです!しかし材料ないのにどうやって作ってるんだろう。


気になる
・前売り500円とリーズナブルすぎるBコース羽生先生の単独ソロライブ、行きたい。でも5月中は東京に行く余裕がない。だれかレポ書いてくんないかな。
・無煙タバコ発売。嗅ぎタバコは鼻の粘膜から吸うものだ!ニコチン中毒者は潔くあれ。
・google・yahoo等のクローラーのアクセスがはんぱないけど、エンピツで検索避けできないのかしら。
・ブラマヨとサバンナとフットのバランスシート、私は今んとこフット>サバンナ>ブラマヨ。芸人として。

2010年05月18日(火)



 どこまで行っても同じことさ

■ルミネtheよしもとダメ芸人グランプリ2010~ダメエピソードNO.1決定戦!2010/05/03/Mon_19:00-@ルミネTHEよしもと

こちらは完全に消化試合です。新宿近辺で時間つぶしに取った公演。ライス・囲碁将棋・ロシアンモンキー・LLRあたりが出てるとついふらっと取ってしまう。あと泥の2期。
GWの中日、ルミネは満席&立ち見でいっぱいでした。MCはできる子ピース。
エピソードはシチサン等で聞いたものばかりで特に新味はなかったのですが、ブレーメン岡部の磁場はやはりすごいなと。相方スター関根もよい仕事をしていた。10期は強いよね〜。LLR福田のプレゼンはうまいというかきついというか、彼はどこかがとてつもなくおかしい。あとグランジ大のダメさに涙が出そうになりました。あれはまさしく芸人。そう考えるとポイズンのぼっちゃん率いる東京大吾組はおかしな面々が揃っているなあ。

珍しくおとなしかったBコース羽生先生が最後に「みなさんこの2時間で他のことができるでしょう!」「お笑いなんてくだらない!」「お笑いを嫌いになるんだ!」と至極尤もな意見をアジっておられて、心に深く沁みました。
そしてお笑いを嫌いになるために、この新緑の季節に「RG vs ハブ」をやるとのこと。うおおおお!!周りから浮くテンションで吠えましたが、肝心の開催日と場所が聞こえなかったんだ...。よしもとのサイトにもまだ情報ないみたいだし、ご存知の方どうかどうか情報をお願いします。東京にいる日であってくれ!

2010年05月04日(火)



 夜2時15分の待ち合わせ

3日は朝から神保町。神保町という街に足を踏み入れるのはゆうに5年ぶりです。御茶ノ水から明大通りをてくてく歩き、伯刺西爾で唸るほどうまい珈琲を飲む。飲みつつ2日の観笑記録を忘れないうちにメモ。最近もの忘れがひどくてねえ。
12時過ぎ、「ムネリンピック」前にお昼でも食べようと外に出ると3冊500円の古本ガレージセールが開催されており、そのまま14:00の開演まで古本を漁っていました。キッチン南海でカツカレー食べたかったのに!神保町はおそろしい街やで。大阪梅田のかっぱ横丁は高尚な稀少本ばっかりで叩き売りがないのです。ザツな本や雑誌の中に時代の匂いをかぎとるのが楽しい。

そんなわけでヨーロッパ企画永野宗典脚本/演出「ムネリンピック」、出演はカリカと犬の心。およそ不安要素のみつからない演劇なので、見てきました。前日に「神保町花月の椅子はヨシモトでいちばん座り心地のわるい椅子です」と教えられたとおり、途中2回くらい空気椅子で乗り切った。なんだあの謎な椅子の構造は。


■神保町花月‘ムネリンピック’2010/05/03/Mon_14:00-@神保町花月

この日の日替わりゲストはグランジのごめたんと大さん。ちまい永野さんとの暴力的なまでの身長差よ。永野さんは途中「小さい右翼」といじられていましたが、場所・時期ともにとても危険です。そういえばカテコでも「よくこの身長でこの台本が書けたね」「ジャンプして入力キー押すの大変だったでしょ?」等いじられたおしていたなあ。おいしい。公演中京都に帰りたくてしかたなかった角田さん。これもおいしい。

「ハレとケのタペストリー・ムネリンピック」。それにつどう男たち。
演劇はほとんど見ないのでこういう劇を何というのかわからないのですが、メタにつぐメタ、そしてメタ。でも芸人の個性をうまく活かしきっていて、最後には手堅く永劫回帰で締めた。「ガチに見せる演技」を客にガチかどうかわからないほどのテンションで演じるにはそうとうな演技力がいると思う。けどそこはそれ、カリカと犬の心なので安心して見ていられる。大喜利っぽいムネリンピック種目はアドリブだったのかなあ(無名塾の仲代写真de大喜利はもう二度と見れないにちがいない)。それ以外はとてもよく練られた心理実験劇でした。役と素のはざまで揺れ動く山田こと家城さんの演技がよくてねえ。あ、でもおとしどころとしての「虚」っていう要素はいらなかったかもしれない。私は同時代としてのそういう集合意識にどうにも共感が薄いので、弱る。

最後に永野さんがこの劇の意図を「演劇というツールで芸人を殴る」と語っていましたが、どちらかというと演劇人が芸人というツールでお笑い客を殴ったんではないかと。いやな殴られ方ではなかったけれど。気が向いたらストーリーや構造等の内容詳細を書くかもしれませんが、しばらくは忘れないと思うので今はいいや。※このパターンで感想を書き損ね続けているのが1月シュール5の田所仁プロデュース公演。
あ、あと関係ないけど大地震による建物崩壊という事象で笑うことができない自分にびっくりした。おもしろくないのではなくて、自分のなかに変な規制がまだある。笑うためには不自由だなあ。

個人的には、家城さん朗読の遺言詩がよかったです。

2010年05月03日(月)



 水色のキャンディがへばりついたまま

■ラ・ゴリスターズvs東京シュール5vsキュートン キュートン撲滅2010/05/02/Sun_16:30-@浅草公会堂

10分くらい押して始まったのかな?ギリギリまでオレンジ通りの喫茶店で茶をしばいていたので助かりました。撲滅は前から4列目のど真ん中、ムダにいい席。マイク通さなくてもナマ声が聞こえるので、参入よりずっと聞きやすかった。
またしてもかたつむり林の影マイクでOP。なぜか最後に蝸林「はやし―!」客「だいすき――!」と叫ばされるオーディエンス。まあ好きなんで大いに叫びましたけど。
まずは各コンビの紹介Vからラゴリ、なぜかノブコブ吉村がいない。続いてシュール、なぜかしずる池田がいない。そしてシャツイン&ハイウェスト&ムキムキポーズの阿部・押見・そして林さん。本当にシュールさのないシュール5。キュートンは参入でお客様を刀で切り刻んでしまったので、おとなしく舞台から登場。
結局遅れた吉村さんと池田は2階席・3階席で愛想を振りまいていたようです。前列から見るのは首痛い。3階の吉村さんへの家城さんムチャぶり「落ちるなよ吉村!落ちるなよ!!」さすがにそれはできなかった破天荒。
OPの映像が微妙に参入と違っていた。

ラゴリプレゼン「王様ゲーム」王様をお客様にして、壇上のお客相手に繰り広げられるサービスの数々。ラゴリって衒いがなくてすごいなあ。2人目の女性が「告白されたい芸人」にまさかのポイズン阿部ちゃんを選んで好感度がウナギ登りました。しかしそれを聞くや股間にくじ引きの割り箸をあてがい、おっ立てはじめたポイズン阿部ちゃんが最低すぎた。さらに企画を終えて舞台をおりる間際、その女性にお部屋の鍵を手渡した阿部ちゃんはもう芸人でしかないと思いました。ここではしんじの引きが強く、独壇場。

ネタ
ハイキングウォーキング:トランプの新しいルール。ポップ…!私ごときに語れることはなにもないです。
カリカ:弁慶と牛若丸から入る能の「夜空ノムコウ」バージョン。このバージョン初めて見たわ〜。今更ですがカリカのセンスはズバ抜けている。
椿鬼奴:漫談。38歳の奴ねえさん、生まれたのはあさま山荘の年。あの巨大鉄球が突き破ったとき臨月だった(これ若い娘さん通じてなかったな…)。桃井かおり、おしゃべりクッキングの上沼恵美子のものまねをやってくれた。奴ねえさんの笑いは上品でがっついてなくていいなあ。

シュールプレゼン「アドリブコント」悪意どっきり電話。しずる地獄五景のときのだよねこれ。今回は綾部さんとくまだまさしが犠牲。設定は学園祭後の高校生男女グループのカラオケ。綾部チームは男子学生が池谷さん・関町、女子学生がかたつむり林と村上。村上がすさまじいパンチラをかましていました。貪欲な姿勢がえらい。カラオケは関町の絶唱、その後「どうする?帰る?このままどっか泊まる?」で「綾部、泊まってくって親に電話しろよ!」と逃げ道をふさがれた綾部さん、実家に電話をかけさせられる。わけわかってない母親とのほのぼの会話を全部客に聞かれるという苦行です。でもなんとか外泊OKをもらってコント終了。
くまだまさしチームは男子学生が家城さん、押見さん。女子学生が池田と田所仁。田所さん存外違和感ない。カラオケは池田のラブサイケデリコ。で例のごとく「泊まってく?」で田所さん追い打ち「うちSMの道具とかあるよ」ということで、妻帯者で子どももいるくまださんは猛烈にてんぱりつつ電話。結局くまださんは嫁ではなく娘さん(2歳9ヵ月)に電話をかわってもらい、「パパ今日うち帰んなくてもいい?」「SMの道具があるおうちに泊まるからね」と伝える。そのうえで奥さんに「詳しくは○○ちゃんに聞いて」で通話切って終了。任務を遂行できなかったので、これはキュートンチームの負け。

ネタ
POISON GIRL BAND:作詞漫才。阿部ちゃんが作った詩がことごとく既存の有名な歌、というもの。阿部ちゃんの空気感がすごすぎる。夏のお嬢さんで爆笑。ポイズンの漫才は面白いなあ。
増谷キートン:ムード歌謡の世界。コモエスタキートンが初めてのデュエットを、ということで舞台袖からキリキリと釣り糸を引っ張ってくる。曲が始まるとキートンさんの手元めがけて首だけのマネキンがスーッと!会場悲鳴&爆笑。生首を台の上に置き、デュエット曲を歌い上げるキートンさん。はじめは歌わないマネキンが歌いだし、クライマックスの合唱でなんとマネキンの首が高速回転、悲鳴と爆笑のカオス。ラゴリとしずるファンにはなかなかのトラウマです。キートンさんお得意の全裸こそなかったものの、非常におもしろかった。私はつくづくこの手の衝撃がほしい。
平成ノブシコブシ:猿蟹合戦の漫才。よくぞキートンさん後の空気感でがんばったと思う!中盤からだいぶ盛り返していました。

キュートン企画「キュートンルーレット」当たりだと美女とキスができるけど、どんなタイミングで押しても必ずしんじになってしまうルーレット。Qちゃん→かたつむり林→又吉の順でしんじの餌食になりました。しんじすごい活躍。最後はしずるの強制コンビキスであほほどボルテージが上がる客席。前から4列目ど真ん中で苦虫かみつぶしてて申し訳なかったよ。しずるには何の蟠りもないし流れ的にも仕方ないのですが(終演後、いつもお相手していただくIさんに開口一番「しずるかわいそう!」と訴えた)、この安易に流れまくりの風潮を何とかしてほしい。だっておもしろいか?お笑いのオチとしてキスは本当におもしろいのか?客が喜ぶから芸人サイドだって楽な落としどころで濫用しちゃうんでしょ。なんだか最後にヤなものを見たなあ。残念です。ああいう消費のありかたは生理的にダメなんだよ。1000人からの巨大な欲望が一つに向かってしまうのはなんだかすごく怖い。
お笑いとして正しかったのは唯一、リンカーンのダウンタウンパイ投げのあれだけだと今でも思っている。

エンディングは惜しげないキュートン演舞からの光線炸裂=撲滅!で舞台上に6本並ぶ十字架。死んだんかい!めいめい花を手向けるラゴリとシュール。最後に家城さんがマネキン生首を墓前に置く、しめやかな追悼の儀です。でもキュートンを撲滅したのはラゴリとシュールだけどな。またこれからも新しいユニットが出てくれば対決して潰すとのこと。
すすり泣きながら告知などするシュールの無駄な演技力ににやにやしました。※特に家城さんと押見さん。


終演後、念願の神谷バーで電気ブランと洋食をたんまり食らう。Iさんいつもお付き合いくださってありがとうございます。カリカのハイセンスとキートンのすごさと、ライスが足りなかったことなどについて議論。ライスはなんでネタやらなかったの!?

2010年05月02日(日)



 焼け落ちた夢のカケラがメシの種

5月2日昼前、大阪から東京まで空の旅。
浅草公会堂は京急1本&スーパー早割は8,900円也でとにかく早い安いうまい。ありがたいことです。GWは今年も東京でお笑いざんまい。去年はライセンス単独があったんだよねえ。そう思うと1年は短いようで長い。

3日の「ムネリンピック」前に神保町のワゴンセールにて夢中で本を漁っていると、バタイユ「非−知」が二束三文で叩き売られていました。ぱらぱら立ち読んでたらこんな一文。
「笑いの中にある最も不可解な謎は、生の均衡を危険にさらすような何かを人が喜ぶという事態に関係しています。そんな場合に人は最も強烈に喜びさえするのです」
これは「非−知」のメインテーマ「涙」につなぐ導入ですが、「笑いと同じように涙も未知のものの侵入に関連している」とバタイユは続けて書く。その前段階としてバタイユは、笑いをふつうの愉快な笑いと、未知のものの侵入・生の均衡を危険にさらす笑いとに大別している。
ラ・ゴリスターズと東京シュール5とキュートンを5時間見てずっと悶々していたわたくしは、なるほどなるほどと膝を打ったのでした。そう、そういうことなんだよね。所詮わたしはしんじの「人間が喰いたーい!」に何がしかの喜びを覚えてしまうほうの人間なんだよ。
たまには本読まないとだめだな。


■ラ・ゴリスターズvs東京シュール5vsキュートン キュートン参入2010/05/02/Sun_14:00-@浅草公会堂

OPはかたつむり林の影マイク、例によって客席大盛り上がり。1階席−2階席−3階席の1000人超が即完売だったそうですが、拍手の感じではシュール5:ラゴリ4:キュートン1ぐらい?でもシュールの7割はしずる枠。なぜか女王様口調のかたつむり林「浅草公会堂まで歩いてきたら人が多くてびっくりしたねえ…ゴールデンウィークだからね!」M-1決勝のフットのSMタクシーみたいだ(笑)そして衝撃の告知「2階席・3階席からは見えない企画があります!」ええー!まあ1階なんでよかったですけど。
それぞれの紹介映像のあと、ラゴリ→シュール→キュートンの順で登場。ピンクTシャツでポップなラゴリチーム。音楽が鳴るとなんとなくリズムに乗って踊る人たち。主将のハイウォー松田さんは撲滅Tシャツだったのかな。次いでシュール5、ポイズン阿部ちゃんとライス関町がすさまじくシャツイン&ハイウェスト。「さっきまで舞台袖で相撲とってたから」なんなの。ユニット内で収入格差が拡大している紺Tのシュールチーム、しずるだけ名前を呼ばれず。ベタにコケる池田と村上「ちょっとおー!」。綾部「どこがシュールだよ!」まったくです。主将の林さんは参入Tシャツにスーツ。なんだろう、ワイシャツじゃないだけでものすごい違和感!人数が多いうえに基本だらだら慣れ合っているシュールの文化系度は時に目にあまる。キュートンのほうがよほどピシッとしていた。
そんなキュートンの登場は客席うしろからの乱入スタイル。全身ピンクタイツの増谷キートンの首は2つ生えており(双頭の額に「愛」の鉢巻き)、椿鬼奴はチャイナドレスに3本刀(暴れて何度も客の顔を切りつけてしまう)、しんじはパソコンおたく(足の骨折治ってよかったです)、アホマイルドとくまだまさしはふんどしとブリーフケツ出し。
舞台でおなじみキュートン演舞により倒されていくラゴリとシュール。やっぱり演舞は盛り上がるね!要するに殴りこみで、対決です。
OPの映像、全共闘の映像とか使ってたけどよかったのかなあ。あとワイプで爆笑してる浜ちょんは何だったんだろ(本映像は猪木の闘魂注入)(ワールドダウンタウン??)。

ラゴリ企画「触って触ってなんでしょね?」にあらかじめイグアナが入っています。巨大に育ってしまったイグアナの名前は綾部さんの名前「ユウジ」。MCなのに綾部はイグアナを異常に恐れている。キュートンは奴ねえさんとキートンさんでこんにゃくを当て、シュールは関町ひとりでかまぼこを当てる。どっちも不正解で引き分け。しかし無駄にイグアナを触りまくってしまっていた関町、捨て身で箱の中に顔面をつっこんだのにズルッと滑る。
ハイライトはなぜかイグアナを恐れないノブコブ吉村がユウジを鷲掴み、パニックになる芸人を舞台上で追い回し。2階・3階へのサービスかな?ユウジ胴体をうねらせて大暴れ。しずる村上に逃げ際おもいっきり手の指を踏まれたうえ逃げ遅れた押見さんが舞台上で吉村に全力土下座していました。おいしい。MC綾部はありえないほど舞台袖まで逃げ伸びていた。あいつへタレだぜ。

コンビ&ピンネタ。企画とネタが交互になるみたいです。出囃子はTMGEのブラックタンバリンとかCANDY HOUSEとか。
・イシバシハザマ:冒険がしたい漫才。気持ちいいくらいタイミング合うねえ。掴みに最適の間口の広い漫才。
・くまだまさし:おもろかった!なんだあれ超たのしい。浅草から世界にまで通用するすばらしいピン演芸。
・犬の心:ガムテープコント。大阪でやった19の犬のOP/EDコントとはオチが違ってた。押見さんが池谷さんにごろごろ転がされるこっちのほうが好き。

シュール企画「裏切り者クイズ」シュール5田所プロデュース名物の裏切り系。○×クイズをプレイヤーと裏切り者の半々に分けてやる利根川のアレ。「ゴミめら」は相変わらず言えてない。これはもうラゴリの驚くべきポップさ・素直さに唖然といたしました。誰も裏切り者を特定しようとせず、おのおの正解を主張するだけ!!いやもちろんラゴリが悪いんじゃない、むしろラゴリは皆いい人たちです。ハナから正解が何かなど考えようともしない腹黒シュールの面々じゃないとおもしろくなりようがないクイズルールだと痛感する。シュールの面々が裏切りクイズをやる場合、謀略知略が張り巡らされ、すさまじい腹の探り合いが展開され、仲間の思わぬ裏切り、信じたいという祈り、さらなる裏切り、心理戦のすえやがてあらわれる心の深淵、最後にはおのおのが人間不信に陥っていく。そのさまに客席は阿鼻叫喚するのです。あんな壮絶な心理ドラマはなかなかないのに…。シュール5の裏切りクイズを愛する人たちはみな、心に闇を抱えているのだと再確認した一幕でした。キュートンメンバーはまだしも心理戦を繰り広げていましたが、なぜか宗教じみてくるアホマイルドのクニさんとしんじがおもろい(笑)

ネタ
・しずる:怖い話コント。バナナマンの古典「Scare Story」とまったく同じセッティング。バナナマン好きのしずるがあのネタ知らないわけないと思うけどなあ。そこを度外視すればしずるらしいひねった切り口でしたが、客席の「キャー!」が半端なかった。おおお…シュールの本ネタ公演ではクスリとも湧かないのに…!客席は青春コントをこそ求めているのだろうなあ、と思う。
・アホマイルド:小技をいろいろと、スタンディングコメディ風。アホマイルドすごくおもしろいのに、どうして会場受けしないんだろう…?見た目?次の単独に行きたいぐらい好きだ。セロリとマヨネーズの相性。
・ピース:山姥と町役場役人の恋。コント、いや新喜劇かな?ピースのネタは初めてちゃんと見たけど、おもしろかった。ピースには物語へのつよい欲求があるので、もっと長い時間のネタならベタを超えて抒情に辿りつくと思う。

キュートン企画「鳥人間コンテスト」お客様が風になり、その動力で芸人が飛ぶ。抽象度が高すぎてようわかりませんが、要は家城さん着用のブリーフ局部にプロペラがついていたり、吉村さん着用のブリーフ局部にゴムパッチンがついていたりする。これを1階席の客が回したり引っ張ってはじいたりすることで芸人が前へ進み、リレーするわけです。他にポイズン阿部ちゃんの腹殴り、ハイウォー松田さんのキスなど。ああ家城さんのプロペラ回したかったなあ!席の位置によっては通路の芸人さんまで遠かったりするのですが、誰にもプロペラを回してもらえず泣いている家城さんのためにものすごい遠くから走って行った人がいて、その勇気に感動した。シュール5ファンにもあんな熱い人が…!

ED後、暗闇の中ややこしいところにややこしいものをくっつけたままの家城さんと吉村さんが踊り狂う姿がありました。何なんだろうあの人たちは。「参入」は随所にしんじ暴走→奴ねえさんによる捕獲&おぼつかない折檻などあり、とっちらかりつつも楽しく終了。

2010年05月01日(土)
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