fleur bleue
sora



 優しい視線

街でみかけた、大きなクマのぬいぐるみ。
とても優しい目をしていた。
やわらかくて、あたたかくて、
包み込まれるような視線を感じた。

『キミは大丈夫だよ。』

まるで、そんなことを言っているような、優しい視線。
心が深く癒されて、気持ちがとても楽になった。

輝いていた頃の自分に、もう一度会える。
そんな気がした、ある晴れた日の昼下がり。

2006年03月29日(水)



 再診

救いがないとわかっていても、
そこに行かずにはいられませんでした。

待合室には、
たくさんの、心病める人たち。

この人たちとなら、
きっとわかり合える、
話し合える

・・・そんなものは幻想でしかないこと、
十分わかっているんです。

誰とふれあうこともなく、
すれ違って、
消えていくだけ。

誰ともわかり合えない。
それが現実。

そして、新しい薬だけが残りました。

2006年03月25日(土)



 人が怖い

久しぶりに、人の大勢集まるところに行きました。
いつ以来のことでしょう。
みんなの視線が怖くて、
隅の方でじっとしていることしかできませんでした。
知っている人とも、できるだけ目を合わせないようにしていました。

たくさんの人たちが、私の目の前を通り過ぎていきました。
誰もがみな楽しそうに微笑んでいます。
その輪の中に、両手を広げて飛び込んでいけたのなら、
どんなに心満たされることでしょう。

今は、じっとその場に佇むことしかできません。
たくさんの人の中で感じる孤独。
それが、とてもつらかった。

ああ、人が怖い。
人はなぜ、私をこんなにも苦しめるの?
みんな優しくしてくれる。
それが余計につらいのです。
いっそ一人きりなら気が楽なのに。

こうして、私と人との距離が、
確実に遠ざかっていくのを感じます。
私が、あなたから離れていく。
あなたが、私から離れていく。

2006年03月20日(月)



 便り

遠く離れたあの人から、風に乗って便りがやってくる。
文章の中にちりばめられた、優しい言葉たち。
あなたの持つその優しさに、救われる。
虚ろな心が、満たされる。

あなたの便りを受け取るとき、どんなにうれしいことだろう。
あなたの便りが来ることを、どんなに待ちわびることだろう。
あなたの便りを待つ間、どんなにさみしいことだろう。

いつも気遣ってくれてありがとう。
いつも心配ばかりかけてごめんなさい。

『元気ですか?』の問いかけに、
『元気です。』と言えない私がいる。

毎日がつらくて、逃げ出したくなる。
朝起きると、目の前が真っ暗になる。

いつの日か、『元気です。』って、
胸を張ってあなたに伝えたい。
感謝の気持ちを、伝えたい。
大切なあなたに、伝えたい。

2006年03月17日(金)



 診察室

診察室の白い扉を開けると、
そこには、一人の若い医師がいた。
毅然としていて、素敵な人だったと思う。
とても、優しい表情をしていた。

私は、椅子に座り、いくつかの質問を受けた。
できるかぎりの理性をもって、今の状況を的確に伝えた。
思ったよりもちゃんと話せる。
ただ、一度も目を合わせることはなかった。
そんな余裕なんてなかった。

初めて会った見知らぬ人に、心開けるはずもなく、
お互いに確かな手応えを掴むことができないまま、
初めての診察を終えた。

どこかで聞いたことのある名の薬を受け取り、
私は病院を後にした。

空は、不自然なほどに青く、
まるで私を嘲笑うかのように、どこまでも晴れていた。
一点の曇りもなく、晴れていた。

早く、家に帰りたかった。
灯りのない、真っ暗な部屋に、帰りたかった。

2006年03月16日(木)



 待合室

緑があふれる静かな街。
幸せそうな人たちが、穏やかな笑顔で過ごす街。

その街の一角に、病院がある。

一目では決してわからない。
明るい街並の奥の奥に、ひっそりと佇んでいる。

一歩足を踏み入れると、そこはもう、別世界。

憂いあふれる人たちが、救いを求めて集う場所。

そこでは、どこかで感じた懐かしさに襲われる。
そう、いつも感じている憂欝、不安、孤独。
そこには、そういった類の重い空気が流れて、
どこにも吹き抜けずに、淀んでいる。

待合室には、心を失った人たちが、
所狭しとひしめき合っている。

お互いは皆無関心で、会話を交わすことはない。
うつむきながら、遠くをみつめながら、
ひたすらに無言で、自分の番が来るのを、待ち続ける。
救いを求めて、待ち続ける。

ドアの向こうに、救いがあると信じて、待ち続ける。

2006年03月15日(水)



 闇、そしてまた闇

またひとつ、
灯りは消えて、
闇が再び心を支配する。

声にならない悲痛な叫びが、
心の中で鳴り響く。

絶望に次ぐ絶望で、
心が荒みきっている。

信じて、愛して、裏切られ、
それでも光を求めてしまう。

救い様のない心を抱えて生きている。
何のために生きているのか、
それすらもわからずに。

明日の見えない、
大きな不安を目のあたりにして、
ひたすら途方に暮れている。

2006年03月13日(月)



 救いがない

救いがない。
救いはない。
救いなんかない。

神様なんか信じない。
救世主なんか現われない。
頼れる先生なんかどこにもいない。

何にも求めない。
信じられるのは自分だけ。
ずっと一人で、生きていく。

2006年03月10日(金)



 優しさに気づいて。

あなたは、とても純粋で、一途な人。
でも、その一途な思いが、時として相手を、自分さえ追い詰めることも、どうかわかってほしい。

そんなこと、言えない。
その一言が、あなたをきっと深く傷つけるから。

相手のために、身を引くのもまた優しさ。
その優しさに、気づいてほしい。

どんなにつらくて孤独だとしても、大切な人を気遣う心だけは、どうか忘れないでいてね。
いつか、幸せな日々に、きっとめぐり逢えるから。

優しい心を持つあなたへ。

2006年03月06日(月)



 週末の夜

週末の夜、
一人で過ごす時間。

ゆっくりと流れる、
この時間がすき。

迷いや不安から解き放たれて、
心静かに、
思いに耽っていられるから。

遠くに流れるピアノの音が、
私の心を深く癒してくれる。

明るい光差す店内から、
一人、外の景色を見つめて、
思いを馳せる。

今は、現実のことなど忘れて、
幸せな思いに、
浸っていたい。

2006年03月03日(金)
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