15年ほど前、私はある男の子とけんかした。
彼は少し、精神的に不安定で薬を常に持っていた。 私より、7歳年下の彼は、裕福な家庭に育ち、彼の母親と知り合いだったので、彼女から、 『T君の話し相手になってあげてくれない?少し外に出てくれないと、このまま引きこもっちゃうし・・』 その頃は、彼氏もいなかったし、暇してたので、まあ姉さん面して、ドライブに連れて行ってあげてた。
そんなある日、彼が聞いた。 『ねえ、健康と、お金、どっちが大事と思う?』 『そりゃあ、お金だよ。お金なかったら、病院行けんでしょ?』 『僕はね、健康だと思う。お金があったって、健康じゃあなけりゃあ、幸せじゃないよ』 『あんたはね、お金があるからそんなこと言うのよ。お金があれば。どんな治療だって受けられる』 『違うよ!、健康じゃあなかったら、お金なんてあっても無いのと一緒だろ。役に立たないよ』
若かったとはいえ、バカなことで言いあいをして、その後、彼はちょっと精神的に弱くなっちゃって、家から出れなくなってしまった。・・・・わたしのせい・・・・?
その後、彼の母親とは2,3度会った。 彼も元気にしているらしく、相変わらず、母親の後ろをついてまわってるそうだ。
そして、今、ようやく私の言ったことが間違いだったって、後悔してる。
3年前に癌告知されたとき、鬱になった。 夫から渡されるお金も、どうでも良かった。外に行く気力もなく、テーブルに腰掛けて、ボーっとした毎日。 死ばかりを考えて、泣くばかりの毎日。 毎朝、朝食を作る時間に、お母さんといっしょの歌が流れてた。 なんて題名だったっけ・・。「ぼくのたからもの」だったかなあ。その曲を聴きながら、毎朝、泣いていた。 子供たちは、どうなるんだろうって・・・。地獄だったなあ。
こうやって、健康を取り戻せた今、彼に謝りたいって、思うこのごろ。どうしてるかなあって、思うこのごろ・・・。
クリスマスの時期になると、思い出す。 『ねえねえ、今日さ、プリンスホテルに1室とってんだよ。 ルームサービスなんかしてさ、2人でパーティーやろう よ』
・・・・・・・!!!やべえ!ずらかるぞ!・・・・・ 彼をなだめすかして、何とか難を逃れた。 やだよ。筆おろしなんて・・・・・。鳥肌立っちゃうよ・・。
懐かしいなあ・・。あの頃・・・・・・。
その頃って、私は夫のお父さん、すなわち、今のお舅さんの生徒だったんだ。英会話の。
ンでもって、その年下の男の子も、やっぱり生徒だったんだ。
ギャハハ〜〜!おもしろいなあ。
夫とデートしだして、しばらくはさ、夫の両親から、 「あのさ、T君とはどんな関係だったの?デートしてたでしょ?』
イエイエ・・そんな関係なんていう関係じゃあなかったですよ。まあ、いわゆるベビーシッターみたいなもんですかねえ。
なーんていって、夫をゲットしたんだよ・・・・・。
ホンとーだもん。なーんもやって無いもんね。ま、私にしては珍しかったですが・・・・(笑笑笑)
|