夕暮れに向かう柔らかなアメ色の日差しの中で、
祐太が、こんな事を言うのです。
祐太 「ところで、マコちゃん、今頃何してるかなぁ?」
あみ 「マコちゃんって何処のマコちゃん?」
祐太 「あれ?何処のマコちゃんだったけか?
だけど、マコちゃんだったじゃん?」
あみ 「マコちゃんって誰?知らないんだけど。」
祐太 「何だよ、今年の夏ずっと一緒に遊んだ仲間じゃんよ。
あみって意外と冷たいな。」
あんまりだよ。
私は、冷たくないよ。
私が、冷たくない証拠だってちゃんとあるよ。
あれはたしか今年の夏か去年の秋、
祐太がプールに入る前、ワキ毛剃るの忘れた事に気づいた時、
慌て乱れ狂って暴れるから、私が優しく祐太のワキ毛を剃ってあげたよね?
ほらごらん。
私、冷たくないじゃん。
あの時は、ホント大変だった。
だって、男のワキ毛だよ男のヒゲじゃなくて男のワキ毛。
どんだけ、臭かったか。
どんだけ、技術がいたかって話。
そこんとこ、分かってないんじゃないの?って物語。
何たって私は、男のワキ毛剃り準2級なのでプロ級なのです。
|