背の高いスラリとした身体。
ふんわりと柔らかく、ちょっと長めの髪。
キリッとした形の良い眉と、
目尻のちょっぴりつり上がったきれ長の瞳が、
とても印象的な男の子。
鮎川祐太。
高2で同じクラスになってから出来た男友達。
祐太は、とある劇団に所属しており時々テレビドラマに
登場するちょっとした有名人。
何たって、山ぴーが出演していたプロポーズ大作戦の野球部員の役で
2秒ほど映っていたのですから、たいしたもんなんです。
祐太 「ねぇねぇ聞いて、今度僕、オペラの劇に出る事になったんだ。」
オペラ!?
あらやだ、その声で!?
あみ 「祐太、オペラ歌えるなんて凄いね。」
イヤン私ってば今祐太が、オペラの劇でオペラを歌わないなんて
聞こえちゃったみたい。
そんな事絶対にあり得ないよ。
きっと私の聞き間違い。
あみ 「祐太、オペラ歌えるなんて凄いね。」
祐太 「だから僕は、オペラを歌わないんだってばよ。」
あみ 「何で歌わないの?」
祐太 「僕はね、オペラを歌わない人の役だからだよ。
あみ 「歌わない人の役なの?」
祐太 「そーなの。おまけに口もきけないんだ。」
あみ 「じゃ、台詞ないの?」
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