時計が秒針を刻むごとに、
刻一刻と、大きくなっていく心臓の音。
時間が、近づく。
箱崎さんに、近づく。
たこ焼き屋さんの前で、箱崎さんと 遭遇してしまった。
こんなに運が悪いのは、1個しか残っていなかったコンビニのおにぎりを
ブタみたいな女の人に、騙し取られた時以来だよ。
何と言う最悪な日なのか今日と言う日。
だけど箱崎さんはまだ、私に気付いていない様子。
このまま知らないフリをしてしまおうか、それとも挨拶ぐらいして別れようか、
悩み乱れ悶え狂っていると、大変な事に気付いたのです。
こんな事気付きたかぁ無かったけど、気付いてしまったのです。
箱崎さんの、ぴっちぴっちのおズボンが、
箱崎さんの、お尻のど真ん中の部分のおズボンが、
ちゃっかり、破けちゃってんも〜ん!!!
ぱっかりと、破けちゃってんも〜ん!!!
おパンツみたいな、白いの見えちゃってんも〜ん!!!
箱崎さんは、焼きそばにするか、たこ焼きにするか迷い狂ってる模様。
これは、チャンス!!!
このまま知らないフリをして、通り抜ければ何て事ないですよ。
私は、ちょっと小走りで、通り抜けようとしました。
通り抜けられると思っていました。
通り抜けられるハズでした。
しかし、現実は違っていたのです。
ドラマみたいな、人生は無いのです。
ちゃっかり箱崎さんと 目が合っちゃったよ。
箱崎 「あれ?あみぢゃん、どこ行くの?」
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