公園の枯れ木を夕陽が、赤くふちどっている。
昇る朝陽と同じ太陽のはずなのに、
夕陽に照らしだされた風景は、どーしてこんなに物悲しいんだろう。
「あみ先輩!!」
後ろからの呼び声に はっとして振り返る。
何となく、心配そうな虫子の顔。
あみ 「やだ虫子ったら、いつからそこにいたの?」
虫子 「あみ先輩!?チョコレート食べませんか?」
あみ 「これ、ホントのチョコレート?」
虫子 「本物ですよ。」
あみ 「美味しいの?」
虫子 「美味しいですよ。」
あみ 「まさか、虫子の手作りとか?」
虫子 「いいえ、今コンビニで買ってきたものですよ。」
じゃ、安心だね。 パクッ。
あんめぇ〜〜!!!
と、思いきや〜!!!
( ̄* ̄ ) すっぺぇ〜!!!!
あみ 「このチョコ甘過ぎて、すっぱくない?」
虫子 「あみ先輩の舌は、どーかしてませんか?」
あみ 「あっ!何か、止められなくなってきたよ。」
虫子 「私も、止まりません。」
そんな乙女チックな会話をしながら、チョコを食べまくっていると、
枯れ木の間から、耳なし法一みたいな顔をした女の人が、
突然現れたのです。
女 「ワタシソコウカネナイ。」
あみ 「お金を落としたんですか?」
女 「ワタシソッチウカネトテチゴネ。」
何か、ただごとじゃない雰囲気なんです。
慌てふためいちゃっているんですから。
ただ唯一解る事は、この耳なし法一みたいな顔の女の人は、
日本人じゃないって事なんですよ。
虫子 「ワタシ、ニホンゴ、ワカラナイ。」
あみ 「虫子、日本語 解らなかったの?」
私は、驚きを隠せませんでした。
だって今まで、私と日本語で話しをしていた虫子が
日本語が、解らないと言っているんですから。
日本人じゃない、耳なし法一みたいな顔の女の人を見た途端
日本語を、忘れちゃったみたいなんですから。
人間、気が動転すると、日本語を忘れてしまうんですよ。
ホント、怖いです。
だから私が、しっかりしなくちゃいけないんです。
私は、スペイン語みたいなフランス語で、こう言いました。
あみ 「ケイサツ、アッチ、ダ〜ヨ。」
女 「アリガト。」
何か、つうじちゃったみたい。
今まで、スペイン語みたいなフランス語を習っていて、
ホント良かったです・
こんな所で役に立つとは、思ってもみませんでした。
虫子もビックリしてますよ。
そりゃそうですよ、今まで日本語と英語しか話せないと
思われてた私が、スペイン語みたいなフランス語をカッコ良く
話しているんですから。
そんなカッコイイ私を、生で見る事ができたんですから。
そりゃ興奮せざるえなかった事でしょうよ。
虫子 「あみ先輩!?」
あみ 「なに?」
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