どーでもいいけど、丸山さんが何でここにいるのかって事なんです。
理沙が今日学校をお休みしたので、奈々と理沙の家に電話しようとした
瞬間に事件は、起きたのです。
受話器は、奈々が持っているので、電話番号を打つのはこの私じゃないですか。
誰もが、そう思うじゃないですか。
しかし、現実は違っていたのです。
そんなに現実は、甘くなかったのです。
どっからか急にやって来た丸山さんが、理沙の家の電話番号を打ってるじゃないですか。
ピポパポンッ!!!
はやっ!!
そうなんですよ。
早いのにも程があるのです。
誰もが『こんなに早く打てないよ。』と言うかのように打つんですよ。
「はい、佐々木です。」
奈々 「あっ 間違えました。すみません。
丸山さん、間違ってたよ。」
丸山 「そぉ?じゃもう一回だね。」
ピポパポンッ!!!
はやっ!!
ちょっとちょっとちょっと!丸山さんさぁ〜!!!
今、間違えたばっかぢゃんよ。
今度はもっと、ゆっくりと打つべきなんじゃないの?
受話器を持ってるのは、奈々なんだからもっと気を付けてよ!!
「はい、佐々木です。」
奈々 「あっ すみません。また間違えました。」
「何処に、かけてんのよ!?」
ガチャッ!!!
ほら、怒らせちゃったじゃない。
どっかの佐々木さんが、怒ってるじゃない。
奈々 「丸山さん、打つの早いんじゃないの? 今度は、もっとゆっくり打ってみて?」
丸山 「あっ 原因が手に取るように解ったわ。」
ピッ!ポッ!パッ!ポッ!!!
理沙 「はい、もひもひ?」
理沙が出た!!!
やっとだよ。
理沙の家にやっとかかったよ。
当たり前の事が、こんなに嬉しいと思った事はない。
当たり前って、こんなにも人間を幸せな気持ちに
してくれるんですね。
だけど、解らない。
何であの時、丸山さんがいたのか。
何であの時、丸山さんが理沙の電話番号を打っていたのか。
ホント、解らない。
不思議な事が、時にはあるんです。
そんな光景を見たのです。
何度もみたのです。
何度も何度も見たのです。
あきれるほど、見たのです。
まぁ そんなに強く言わなくてもいいと思うけど。
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