雑記目録
高良真常



 骨は珊瑚、眼は真珠 (本)

骨は珊瑚、眼は真珠
      池澤夏樹
    文芸春秋



眠る女 / アステロイド観測隊 /
パーティー / 最後の一羽 /
贈り物 / 鮎 /
北への旅 / 骨は珊瑚、眼は真珠 /
眠る人々




亡くなった夫の最後の願いを叶えるために、悲しみをこらえて実行する妻。そしてそれを、何処でもない場所から優しく見つめ、語りかけるとも語らず話す夫の一人称で進んでいく、表題作「骨は珊瑚、眼は真珠」。最後に残された一羽の野性と、彼を取り巻く環境を映し出す「最後の一羽」。遥か遠い島の儀式に夜毎参加する女性の夢、「眠る女」。
透明な文体と容赦を許さない描写が、とても光って見える、そんな作品集。どちらかというとジャンル的にはバラつきがありますが、この著者という一括りで不自然なく収まる、そんな感じです。
夜の篝火と、青い空と藍の宙を思わせる小説。













2004年09月25日(土)
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