無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年04月14日(水) シロウオ料理とタランティーノの暴走

 今朝もしげはぶっ倒れたまま。
 これでもう三日も具合が悪いんだけど、医者に行かなくていいのか。夕方迎えに来た時には幾分調子がよくなっていたようだけれども、それでも「おなかイタイ」を繰り返している。「食事はどうする?」と聞いたら、食べられないと分かっているのにやっぱり「肉」と言う。さすがにそれはムリだろう、ということで、「ざうお」で妥協することに。いや妥協って言えるほど安い店じゃないんだけど。
 しげはネギトロ丼、私はカロリーを考えてお子さまランチみたいなのを選ぶ。ふりかけごはんが少量、おかずはミニハンバーグに唐揚げと、およそ和食の店で食うもんじゃないが、自分の体のことを考えればこんなもんで抑えるしかない。値段も安かったし。あと、しげが舌なめずりをしたので、白魚と新わかめの卵とじという季節限定メニューを頼む。シロウオは今が旬だけれど、本当は踊り食いをしたいところであった。魚料理の店なのにシロウオ料理を出しといて踊り食いがないというのは片手落ちもいいところなのである。まあ、卵とじも美味かったからいいけど。しげもからだが温まって、少し体調が持ちなおしたようである。

 帰宅して風呂に入ったあと、『トリビアの泉』。
 「トリビアの種」、「笑いの研究者がギャグを作ったら?」は、「青年の主張で性欲の強さを訴える」というギャグそのものよりも、その企画自体が面白い、ということは、これはメタ・フィクションの面白さなわけである。こういう企画を考え出せるようなら、この番組も立派なもの。ほかのネタが相変わらずなんということもないのも、許せちゃうかな。


 お隣りの北九州市の人口がついに百万人割れしたとのニュース。
 高齢化と少子化のダブルパンチが原因、ということだけれども、北九州市が全国一、高齢者率が高かったとは知らなんだ。もともと八幡製鉄所だけで持ってたとこだから、親亀コケたらでジリ貧になってくのは仕方ないんだけれど、ここ10年の北九州はなんとかその凋落を食い止めようとやっきになってたのが、見ていて胸が痛くなるものがあった。
 でもやっぱりあの北九州博の失敗と、暴力団の爆弾騒ぎなんかのイメージダウンが大きいと思うんである。駅前歩くのも危険ってんじゃ、そりゃ人は集まって来ないって。警察は総力あげて追放に乗り出してるということだけれども、目立った効果は上げられていないようである。政令都市としての指定は50万人以上だから、これですぐに何がどうなるということはないのだけれど、何でも北九州市は現在、中間市との合併を検討中とのことである。そうなるとまた「百万都市」に返り咲けるわけではあるが、「それが合併の目的なのか」と聞かれた末吉市長、「それを目的としているわけじゃないんだけれど、そう言われると弱いんだよねえ」とホントに弱った顔をして見せていた。ちょっと正直過ぎて同情を誘ってしまうが、もう無理して人口増やそうとしなくてもいいんじゃないかって思うんだけど。なんか目的と手段が逆転してるんだよね。市政としてはまず「暮らしやすい街」を作ることを念頭に置くべきじゃないのか。そうすりゃ自然と人は集まってくるはずなんだけどね。


 ディズニーがかなり危ないことになっている。
 『トイ・ストーリー』のピクサーとの絶縁のニュースも「あーあ、やっちゃった」だったけれども、作る映画作る映画が、ここんところ軒並み不振、新作映画『ジ・アラモ(アラモ砦)』も先週末に封切られたばかりだと言うのに出足が鈍く、既にアナリストからは「失敗作」との烙印を圧されちゃってるとか。だいたい題材が「アラモ」って、ファミリー層に訴えるネタじゃなかんべよ。かつてジョン・ウェインも『アラモ』で大コケしたけど、もしかしてメキシコ人の怨念でもかかってるんかね。
 株主による首脳の追放運動が表面化して、経営陣に対する不信が高まっているところにもってきて、このテイタラクだから、更に非難が高まるのは明らかなんだけれど、セルアニメの製作も中止することにしちゃったし(CGのミッキー・マウスなんて誰が見たいものか)、もうディズニーをアニメブランドとして見る時代は過去のものになってしまうんじゃないか。ディズニー嫌いの私だけれども、それはそれで残念に思うのである。
 やっぱ、『リトル・マーメイド』以降、長編を立て続けに作ってったのはいいけれど、あれでかえってスタッフが疲弊しちゃったんじゃないかなあ。どうせ作るなら、『ルーニー・テューンズ』のように、ミッキー・マウスほかのキャラクター総登場の新作長編を作ればよかったんである。少なくとも『ポカホンタス』とか『ムーラン』とかよりはヒットしたんじゃないかと思うけど、どないかね。


 さて、も一つ、実現はまずムリだろうけれど、できたらいいなというニュース。
 OO7シリーズ・ジェームズ・ボンド役を次作も引き受けるかどうか、製作会社と揉めているというピアース・ブロスナンになんとクエンティン・タランティーノが接触し、「俺と一緒に『カジノ・ロワイヤル』をリメイクしないかい?」と申し出たとか。
 知る人ぞ知るOO7シリーズ第一作、ところがこれだけはシリーズ製作のアルバート・ブロッコリーが映画化権を取得しておらず、結局、映画はチャールズ・フェルドマンの手によって、「七人のOO7」が登場するという大スラップスティック映画として完成し、超酷評を受けた。でもこれがやはり大デタラメ映画(誉め言葉である、念のため)である『キル・ビル』の監督であるタランティーノが目をつけたというのは実に納得が行く。ブロスナンがセルフ・パロディを演じるというのも嬉しいが、旧作でイブリン・トレンブルを演じたピーター・セラーズを、ジミー・ボンドを演じたウディ・アレンを、ル・シッフルを演じたオーソン・ウェルズを、ヴェスパー・リンドを演じたウルスラ・アンドレスを、いったい新作では誰が演じるのか、と想像するとこれはもう楽しみが尽きない。
 でも、タランティーノ、『キル・ビル』のスピンオフ映画も作るとか(ビルの若き日をアニメ化するんだと)、『キル・ビルvol.3』も十五年後に作るとか言ってるけど、どこまで本気だか分からんのである。でもこういう冗談企画に乗ってこその役者だと思うんだけれど、そういう度量が果たしてブロスナンにあるかどうかって考えると、やっぱり実現性は薄いんだよねえ。

2003年04月14日(月) メモ日記/一人ぼっちの夜。
2002年04月14日(日) にほんじんにえーごはむりれす。/『ウラグラ!』(唐沢俊一)/『探偵学園Q』4巻(さとうふみや)ほか
2001年04月14日(土) 土曜ワイド「女三人露天風呂殺人事件・湯煙の向こうに殺意が見えた」……ってウソだからね。


2004年04月13日(火) 食欲のない家

 今日もしげは具合が悪くて起きられず。
 仕事も休んで寝たきりであるが、私も仕事にいかなきゃならないんで、ほっとくしかない。タクシーで職場に着くと、玄関で挨拶した同僚が「今日は奥さんはどうしたんですか?」と質問してくる。もうすっかり女房に送ってもらってることが同僚に知れ渡っているのだ。
 「今日はカラダ壊して寝てます」
 「藤原さんの病気がよくなったと思ったら今度は奥さんですか。大変ですねえ」
 同情していただけたようではあるが、眠ってる間に布団をとっちらかしてヘソを風にさらしてるからおなかも壊してしまうのである。
 私は逆にもう3日も便通がない。夫婦でも腹具合のベクトルは逆向きなのである。しげは「気が合わんね」とか言うが、一緒に下痢してたらもっと困るだろうが。
 帰宅したあと、うどんを作ってやるが、気分が悪くてろくに食えずに残した。けれど食欲はあるらしく、「外に出てなんか食う」と言う。
 「具合悪いなら寝とけよ。外うろついたらまた気分が悪くなるだろ」
 「でもなんか食わんと落ちつかん」
 「具合が悪いのになんか食えるとは限らんだろう」
 「でも食うと!」
 あまりに強情なので、仕方なくロイヤルホストに行く。私も食欲はなかったので、頼んだのは野菜スープ飲み。ところがしげはと言うと、アホなことにまたステーキとか注文しようとするものたから、押しとどめて、お粥を食うように勧めた。けれどこれも一口二口食べただけで「食べきれん」と言う。こんなときまで自分の好き嫌いの方を優先させるのだから、いったい何を考えているのか。そのくせやっぱり「腹が減った」と文句だけは言うのだ。しげは、自分で体調を悪化させてるとしか、私には思えないのである。


 イラク人質事件が当人たちの「狂言」ではないかという説が、ネットでかなり出回ってることは前の日記にも書いたことだけれど、新聞やテレビはその件に関しては慎重に、明言を避けていた。それが、今朝の毎日新聞、例の解放宣言声明文を「日本の事情に詳しすぎる」などの理由でその信憑性を疑う記事を一面に堂々と載せてきた。
 この一件の疑念をもって、事件全体が狂言と断定することはできないけれど、「いったいあのテロリストたちは何を考えているのか」と首を傾げたくなる状況が多々あることは間違いのないことである。実際、日本政府に要求を明確に拒絶されている以上、人質を解放するにしろしないにしろ、何らかのリアクションを取らないことには自分たちが苦しくなることは分かりきっているはずである。日本でどんなにデモが起ころうが、自衛隊撤退がないことは、それこそ「日本事情に詳しい」らしい彼らには理解できているだろうから(^o^)。いったい何を「待って」いるんだろうかね。
 私の中では、あの「サラヤ・ムジャヒディン(戦士隊)」とかいう連中の印象が、なんだか頭の悪い日本のヤンキーどもと重なるくらいレベルダウンしてしまっているのだが、小林よしのりあたりは、これでもあの連中を「レジスタンス」と呼び続けるのだろうか。
 
 さらにカタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は、「カタイブ・ムジャヒディン(戦士大隊)」(名前は似てるが日本人誘拐した連中とは別らしい)を名乗るイラクの武装勢力が、ファルージャでイタリア人4人を人質に取り、イタリア軍のイラク撤退を求める映像を放映した。日本人拉致監禁に続いて2件目だけれど、イタリア軍だってこれで撤退しないのは間違いない。全く、なんの効果もないただ卑劣なだけの作戦とすら言えない手段をなんでまたこうも取りやがるかな。おかげでアメリカがどんどん「正義」に見えてくるぞ。こんなことやってたら、予定されていたアメリカからイラク暫定政権への統治の完全移譲すらできなくなりかねない。逆効果にも程があると思うんだが、もう反米勢力は殆ど掃討されていて馬鹿しか残ってないってことなんだろうかね。

 でもって日本国内のテロリスト同調家族だけれど、中傷や嫌がらせの無言電話や「自業自得」と書かれたファックスなどに悩まされているそうである。もちろんそういう卑劣な手段を取ってる糞野郎は大っ嫌いだけれども、相手が馬鹿親どもだから、なかなか同情する気になれないのが困りものなのである。同情してやりたくても、それ自体がテロリストに賛意を表明することに繋がってしまうからできないのである。そこんとこ安易に「自衛隊に撤退してほしいと訴えている家族には同情するけれども」とか言っちゃってる人は考えた方がいいと思うけどね。
 あの家族たちは、政府に陳情するだけなら特に問題はなかったと思うが、「市民」に訴えかけるなど、政治活動をしすぎた。自分たちの行動が「イラクの治安を悪化させてかまわない」と主張しているのと同義だということに気付かない限り、今後も非難はされ続けるだろう。今からでも遅くはないから「自衛隊撤退を訴えていたのは間違いでした。ともかく政府には息子たちの救出の手段を考えていただきたいと思います」って言える勇気があの連中にありゃいいんだが、思想信条に凝り固まった人間には土台、ムリな話なのであろう(-_-;)。

2003年04月13日(日) 夢の中の足蹴り/映画『動脈列島』ほか
2002年04月13日(土) 多分それはアニムス(~_~;)/アニメ『アベノ橋魔法☆商店街』第2話/『裏モノ見聞録 怪網倶楽部』(唐沢俊一)ほか
2001年04月13日(金) ファイティング・スイーパー/『こち亀』124巻(秋本治)


2004年04月12日(月) イラク事件の膠着と『ハウル』の声優

 しげ、朝になっても睡眠薬が抜け切れず起きれず。
 夕べしげは、薬が効きすぎてトイレで座りこんでしまい、私に助けおこされて寝床まで運びこまれたのだが、「結婚しててよかった〜。そうでなかったらトイレで寝てたよ」としみじみ呟いていた。別にトイレに放置してても良かったのだが、それじゃ私がトイレ使えなくなるから仕方なくそうしたのである。つかよー、薬飲むなら寝る直前に飲めよ。
 すっかり寝惚けて「添い寝して〜ん♪」というので側に来てやったのだが、すぐにイビキをかき出したしげ、ふとんは跳ね飛ばすわ、エルボーにニーキックは食らわしてくれるわ、とても寝られたものじゃなかったのである。
 結局しげは朝になっても悠々と寝ていて、仕方なく私はタクシーで通勤することになったのだが、まる一日睡魔に襲われるのに耐えながらの仕事になってしまった。週の初めからこんなに疲れたかなかったんだけどなあ。

 結局しげはまたも夕方まで寝こいていたようである。14、5時間は寝てる計算になるなあ。全く私もいっぺんそれくらい寝てみたいわ。
 一応、寝ぼけ眼をこすりながら迎えに来てくれたしげと、久しぶりに外食。といってもジョイフルで400円の焼きサバ定食である。金欠病の時には、ジョイフルや吉野家は強い味方であるのだが、しげは貧乏人のくせに、外食となるとこういう安い店にはなかなか行きたがらないのである。来月東京行きを控えていることでもあり、しげにしては珍しく「節制」しているつもりなのであろう。でもあいつが食ってたのは600円のしょうが焼き定食。……まあ、おごってもらったんだから、文句は言わないけど。


 イラク人質事件の続報、ここに来て動きがピタッと止まってしまう。
 日本政府がまるで動揺してないので、犯人グループが対策を協議している、あるいは意見が分かれてあっちも膠着状態に陥っている(~_~;)ためとも考えられるが、情報が錯綜している現在では、全て憶測の域を出ない。言い換えるなら、その「憶測」に踊らされて、国内で「自衛隊撤退」デモを起こしてる連中なんかは明らかに常軌を逸している。だから自衛隊の問題と、テロリストの要求を飲むことと、いっしょくたにしちゃダメだってば。じゃあテロリストが「コイズミを処刑せよ」っつったら、あのデモやってる連中は「コイズミ逝ってよし」ってプラカード掲げるんかね。あいつらはテロリストの要求が「たまたま」自分たちの政治信条に合致してるから撤退撤退と騒いでるだけなんで、それが犯罪者の尻馬に乗ってる腐れた行為になってるということに少しも気がついちゃいないのである。
 「報道ステーション」で古館伊知郎が「人質のみなさんを自分たちで危険地域に入ったんだから自業自得などと非難するのは間違い」と発言しているのを聞いて、この人も「守り」に入っちゃったなあ、とちょっとガックリと来た。NGOやらピースボートを過剰評価するとこういう意見になるので、こいつらが過激な抗議行動に出た時、法を犯すことも辞さないことはこれまでにもいくらでも例のあることだ。いつだったっけ、ボートで自衛隊の船に体当たりして転覆した馬鹿がいたのは。ペシャワールで活躍している医師、中村哲さんのような行動を一概に否定しようとは思わない。ただ、それだって時と場合による。あの三馬鹿は自分たちの無謀な行動が、どのような事態を招くことになるか、それこそ現地にいて「わかってて」やったんだから、「あえて人質になる道を選んだ」と批判されるのは当然のことだろう。百歩譲って、別にヒロイズムに酔ったわけでもなく、やむにやまれぬ行動だったことを認めたしても、それで批判をかわせるわけではないのである。
 番組は「そもそもアメリカにこそ非がある」ことに話をスライドさせようと躍起になっていたが、そんなこたぁ言われなくったって分かってるのだ。だからそれだって「それはそれとして」って話なんで、「アメリカが悪いからテロやっていい」ってムチャな論理を押しとおしたいのかこいつらは、と頭が痛くなる。これが通るようなら、世界でテロは花盛りである(もうなってるけど)。小学生は「運動会を中止しないと道子ちゃんを殺しちゃうぞ」と女子トイレに立てこもり、中高生は「修学旅行を中止しないと良子ちゃんを殺しちゃうぞ」と女子更衣室に立てこもり、大学生は「単位をくれないと教授の秘書の奈々子ちゃんと○○しちゃうぞ」とヒミツの小部屋に立てこもり、寝たきり爺さんは「シモの世話をしてくれないと、なんもかんも垂れ流しちゃうぞ」とホントに垂れ流す(それはいいのか)時代になってしまうのである。いったいどこまでこの国は既知外を増やしていけば気がすむのだろう。
 あと、3人の家族をマスコミに露出させるのはそろそろ控えたらどうか。あの人たちも政治活動やってることは明々白々なんで、少しも同情を買えないのである。「みなさんのお力を」と、なぜか市民に協力を求めたり、人質がナイフ突きつけられてる写真の載った新聞を振りまわしたり、政治的パフォーマンスが過ぎるのである。だから三人の救出を求めるのなら、政府の方針に従う以外なかろうに、なにを「活動」してんのよ、この人たちは。
「誘拐された人質の家族が、人質の身を案ずるあまり『身代金を払う』と言うのと同じ」と擁護する向きもあるようだが、場合が違うでしょ? だってその場合、「身代金」を払うのは家族たち当事者だけれど、今回の場合、家族は要求突きつけられてる「日本政府」の当事者じゃないんだから。全く黒澤明の『天国と地獄』そのまんまで、犯人は「誰でもいいから誘拐して、関係ない人間に要求を突きつけてる」のである。あんた、あの映画で子供を誘拐されたタクシーの運ちゃんが、テレビに向かって、「うちの社長は身代金払わないって言ってるんですよ! 市民のみなさん助けてください!」なんて訴え出したら、どう思いますか(-_-;)。自分が何かを主張できる立場にいるのかいないのか、少しは頭を使って判断してもらいたいものである。
 土台、勧告無視してとっ捕まった馬鹿の面倒まで政府に見ろというのが大間違い。現時点で政府はできる限りの努力をしていると言えるだろう。情報収集に努めてくれてるだけでも充分なのに、その政府を批判して足引っ張ってどうするのか。あの人質たちを危険に落とし入れているのは、誰よりも何よりもあの家族なのである。こんな「情のない」鬼畜のような親をどうして擁護などできようか。


 国立天文台の縣(あがた)秀彦助教授らが今年の2月、長野市と北海道上富良野町の公立小学校の4、5年生計116人を対象に行った調査の結果、「地球は太陽のまわりを回っている」「太陽は地球のまわりを回っている」という2つの文章から正しいものを選ばせたところ、41%が“天動説”を選んだとか。
 同助教授らはまた、2001―2004年の間に、長野市、上富良野町、広島市、東京都三鷹市の小学校4―6年生の約500人に対する調査も実施。「日が沈む方角はどこか」「月の形が毎日変わるのはなぜか」という質問の答えを4つの選択肢から選ばせたところ、日没の方角を「西」と答えたのは71%にのぼったが、月の形が変わる理由を「地球から見て月と太陽の位置関係が変わるから」と正しく答えた子供はおよそ半分の49%、「月が地球のかげに入るから」という誤答が多く、少数だが「いろいろな形の月があるから」という解答を選んだ児童までいたとか。いいなあ、見たまんまを信じる素直な子供(^_^;)。
 この結果について、縣助教授は「現在の学習指導要領が、目で見える事象の観察や実験を強調し、なぜそういう現象が起きるのかを考えさせる仕組みになっていないため」と分析しているが、「学校教育」のレベルで語れる問題じゃないでしょ。こんなん、親が子供になーんも常識を教えてないって証拠じゃないか。日常のこと以外なら知らんでもいいと親は考えているのか。いや、日常のことすら教えてるかどうか疑わしいよ。子供に朝食すら作ってやらない親もどんどん増えてるらしいから。
 シャーロック・ホームズが地動説を知らなかった(実はそのフリをしていただけ)というのは笑いばなしだったんだけれど、笑ってられなくなった。だってこの子供たち、いったい何歳まで、その「間違った」知識を信じたまま大人になってくかってこと考えると、ちょっと恐ろしくなってくるしね。この調査、小学校の5、6年生、中学生、高校生と調べて行ったらどうかね。誤答者がゼロになることはないんじゃなかろうか。


 上戸彩主演の映画『あずみ』が米、英など世界21ケ国で上映決定とのニュース。
 言われてみりゃ、世界的に受けそうなネタではあるかな、と思いはする。『ラスト・サムライ』で時代劇にまたちょっとスポットが当たってる時期ではあるし、ニンジャものは受け容れやい土壌がもともとあるだろうし、女性アクションヒロインは向こうでも一つの潮流を作ってはいるし。
 ただ、上戸彩のカオが、アチラのひとの好みに合うのかどうか、という、そっちの方が気になってしまうのだが、実を言うと、日本で上戸彩が人気を呼んだというのも私にはよくわからないのである。あずみに岡ひろみとマンガキャラの実写化に連続して主演してるけど、なんだかしっくりきていない。印象だけでうまいこと言葉にできないのがちょっとはがゆい。どっちかっつーと、私には「主人公のトモダチその2」レベルの平凡な顔にしか見えないし、加藤夏季とかが演じたほうがよっぽど個性が強くていいと思うんだが、世の中、女の子の趣味もいろいろだからねえ。
 続編『あずみ2』も、前回の北村龍平監督から金子修介監督にバトンタッチされて製作、ということだけれど、私はもう最近は誰がどんな形で映画を作ろうがすっかり寛容になってしまっているので、素直に期待しちゃいますよ。いやもう、ヒロイン撮ってナンボって言われてる監督さんですからねえ。でも実は、安田成美とか大寶智子とか斉藤由貴とか、八割方の映画で、ブ○にしか撮れてないのであった(^_^;)。


 宮崎駿監督の新作アニメーション映画『ハウルの動く城』で、ハウルの声優にSMAPの木村拓哉が決まったとか。またぞろ「客寄せパンダか」とか「声優をないがしろにするのか」とか「宮崎監督の上昇志向」とか、見当外れな批判が続出しそうだが、要は演技がヘタじゃなきゃいいのである。
 私の見るところ、宮崎監督の「声優以外」の起用は、8割は成功している。前回の『千と千尋』だって、内藤剛志や沢口靖子は見事なものだったと思うが、声優フリークはアレまで否定する気なんだろうか。まあ確かに、失敗した過去の例として、「なんだあれは」的な糸井重里とか立花隆ってものすごいのがあるんで、文句つけたくなる人がいるのも分らないではないが、あれだって「既成の型にはまった声優演技よりはマシ」という見方だってあるのである。一面的に「声優じゃないからダメ」というのは偏狭なオタクの勝手なヘリクツに過ぎない。
 実際、実績を残している人を宮崎監督は再度、再々度起用している。今度の『ハウル』でも、ヒロインのソフィーに倍賞千恵子、荒地の魔女には美輪明宏が出演することになったそうだが、この二人まで「声優として疑問がある」と言い出すやつがいるんだろうか。いそうだよなあ、最近のオタクはもう何も知らないから。


 相変わらずヘンなメールは届いてるけれど、こないだ「英語で書かれても読まねえよ」と日記に書いたら、珍しく日本語のメールが来た(^o^)。もしかしてやっぱ読者がいたのか。
 笑っちゃったので、個人宛てメールにもかかわらず公開しちゃうが、差し出し人、訴えたいなら訴えなさい。

>「急ではありますが連絡させて頂きました。私は関係を求めています。それによる代価として金銭が発生するのも致し方ないと考えています。条件は癒しと開放、月最低二回。以上それが私の望みです。既婚者である私とでも問題がなければ。代価として月に20万円のサポートをお約束します。上記を踏まえた上で契約関係になってはいただけませんか?興味頂ける内容と思います。まず明日お手隙でしたらお会いしてみませんか?場所はご指定ください、重ねてどこにお住まいかもお願いします。○○○」

 多分、同一内容のメール受け取った人間は多いと思うが、どういう目的なのかがちょっとわからない。返事が来たとして、何かのやりとりをする気があるのだろうか。それとも返事が来たというだけでイタズラの目的が達成できたと満足できるものなのだろうか。まあ馬鹿の心理などわかりたくもないが(イラク人質事件に対する腹立ちが、こんな殺伐とした気分にさせているのである)。
 仮にこれに応じたやつがいたとして、「癒し」の正体が「私とオセロしましょう」だったら楽しいけどね。

2003年04月12日(土) 夢は続くよ/『全日本妹選手権!!』4巻(堂高しげる)/『Heaven?』5巻(佐々木倫子)/『本気のしるし』6巻(星里もちる)
2002年04月12日(金) オトナ帝国、四たび/『寄生人』(つゆき・サブロー)ほか
2001年04月12日(木) 驚天動地/『ストレート・チェイサー』(西澤保彦)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)