無責任賛歌
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2002年04月14日(日) |
にほんじんにえーごはむりれす。/『ウラグラ!』(唐沢俊一)/『探偵学園Q』4巻(さとうふみや)ほか |
書きたいことが山ほどあるというのはいいことなのか悪いことなのか(^_^;)。 いや、この日記のことじゃなくて、ホームページのことね。 数年前まで、私は個人がホームページを持つことに否定的だった。 有名な作家さんとか、芸能関係者が持つのならともかく、たかがそのへんの兄ちゃん姉ちゃんがホームページ作って、誰に何を見せようというのか、なんて考えていたのだ。 それが、眼からウロコ、って感じで全く方向転換しちゃったのは、実は森下裕美さんと唐沢俊一さんのおかげである。 森下さんの『ここだけのふたり!』に登場する「たきえ」って若奥さんが、「街のヘンな人」のサイト作ってたのを見て、「あ、他人に迷惑かけるサイト作ったっていいんだ」と思っちゃったのが、そもそもの間違いのモト(^_^;)。 それ以来、自分でもホームページを立ちあげようと決意したはいいものの、あんなこともしたいこんなこともしたいと妄想ばかりが膨らんで、「やりたいコンテンツ」が頭の中でどんどん膨らんでく結果になった。 で、今、頑張ってホームページビルダーの説明書を読んでるんだけど、専門用語の羅列で、読んでも読んでも分らない……。 ネットスケープって何? Javaアプレットって? URLにしろHTMLにしろ、どうして略語だけで全部のスペル紹介してないんだよう。 敵性語ばかり使いやがって、それでも日本人か。果たしてホントに私はホームページを開設できるんでありましょうや。
昼間はずっと説明書読み返し。 時々うたた寝。2時間寝こむのをうたた寝とは言わんか(^_^;)。 ラーメン作って食べる。 そう言えば、しげたちに本の整理をされてしまったあと、読みかけの本がどこかに行っちゃってたなあ、と思って、本棚をあせくる。めぼしいところをひっくり返すだけで数時間。 やっぱり本は作者順とかに整理しないとどこに何があるかわんらないよなあ。 で、本の虫にはよくあることだろうが、気がついたら整理しているつもりが本に見入ってしまっている(^_^;)。 で、気がついたら夕方。でも、途中までしか読んでなかった士郎正宗の『攻殻機動隊2』とか岡野玲子の『陰陽師』10巻とかが出てくる。ほかにも読みかけの文庫本を多数発掘。これでまた来週の週末は読む本に不自由しないな。
練習から帰宅したしげに、あんかけラーメンを作ってやる。 市販のものにチキンを小切りにして、みりんを足したりして甘口にしてやったので、「美味い美味い」と言ってペロリと平らげる。 「もうないの?」 とものほしげに言うので、私の分も分けてやる。 どうやら完全にダイエットする気は失せたらしい。……二度と「アブトロニック」とかムダなもん買うなよ。
録画しておいた『仮面ライダー龍騎』、しげと見る。 しげが「面白い?」と聞いてくるので、「おもしろいよ」と答えると、「ギャグも?」と聞き返される。 まあ確かに「3万円」のギャグが繰り返されるのは脱力してしまうのだが、昔の『ライダー』だってそんなにドラマとして出来がよかったわけじゃないしな。オトナの鑑賞にも堪えるモノをってのと、子供さんの心もちゃんとゲット、というせめぎあいの結果だろう。 それよりも、演技のできる役者がただの一人も出て来ないってことの方が問題のように思うがな。
DVD『十二人の怒れる男』、しげはまだ未見だったので見せる。 見終わったしげの感想は「まあまあ」。 「だって、ホントに無罪かどうかわかんないままじゃん」としげは言うのだが、だからこれ「推定無罪」って話なんだってば。
唐沢俊一『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』(アスペクト・1370円)。 週間アスキー連載、『裏モノの神様』シリーズ第2弾。 「ベスト・オブ」とタイトルにあるけど、以前にイーストプレスから出た第1弾との重複コラムはない。ちゃんと続編になってるのに「ベスト・オブ」ってのはどういうことなのかな? ……『怪網倶楽部』もそうだったけど、「続」とか「パート2」とか付けるの、唐沢さんは嫌いなのかも。
世の中の怪しげなモノ、ヘンなモノ、ありふれていて見過ごしやすいモノ、そういうものにスポットを当てていく試み、それが「今」の貴重な記録になるということ、唐沢さんや串間努さんの仕事はまさしくそれだと思うんだけど、この分野、もっともっと追従者が出てほしいものだ。 『七人の侍』制作時のエピソードで、本来は何の変哲もない一侍の日常を描こうと思ったのに、そんな記録がどこにも残ってない。仕方なく「野武士から村を守った侍がいた」という実話を元に、講談のエピソードなどをツギハギしてサムライ西部劇に仕立て上げたのがアレ。あの名作が実は「逃げ」の産物だったわけだね。『鸚鵡籠中記』があの時に発見されていたら、黒澤明、そっちを映画化してたんじゃないか。 ことほどさように「日常」というものは残りにくい。特に古典を読んでいくとその思いは特に募る。 『枕草子』の「あてなるもの」や「うつくしきもの」に見える、「かりのこ」というやつ、これがどんなものだか諸説紛紛としてよく解らない。鳥のヒナだという説もあれば卵のことだとも言う。その鳥も、雁だの鴨だの鶉だの一定していない。多分全部正しいんじゃないか(^^)。一つの言葉が何通りもの意味を持つこと、よくあることだからだ。 『更級日記』に「源氏の五十余巻、櫃に入りながら、在中将(伊勢物語)、とほぎみ・せり河・しらら・あさうづなどいふ物語」に読み耽る作者の姿が描かれるが、これもどんな物語だったか、『源氏物語』と『伊勢物語』を除けば、名のみ残るばかりである。 日本最初の国語辞典、『色葉字類抄』が成立したのは平安末期の1180年のことだから、実は文学爛熟期の平安女流文学の大半に、こういう「謎」の言葉が山積しているんである。 どんな俗語であろうと、記録は必要なんだよな。
しかし、この本の内容もいちいち紹介してたら何10ページかかるかわかんないや。 お題に選ばれてるのが、天気予報、路上の人形、モールス信号、直子の代筆(自動手紙文作成サイト)、ネクタイ、女性の下着、サザエさんの家、都会の闇、地震、少年期の性の悩み、裏本、ハネムーン・インポテンツ、……だんだんエロな話題が出て来たのでこのへんでやめよう(^_^;)。 膝を打つ知識あり、照れる知識あり、何より神様と唐沢さんの掛け合いという語り口が楽しい。
ただ、こういう知識の宝庫みたいな本だと、どうしても細かなミスというか粗探しをしてみたくなるのが読者の性(サガ)。 唐沢さん、『トンデモ一行知識の逆襲』でも間違えてたけど、宇能鴻一郎のミステリ作家としての別名、「嵯峨島昭」を「嵯峨島譲」って書いてるぞ。周囲に誰か注意してあげる人、いなかったのか。 ついでに言えば、「二葉亭四迷は親に『くたばってしめえ』と言われたのをペンネームにした」と説明してるのもただの俗説。「くたばってしまえ」のモジリであることは事実だけれど、「親」から言われたわけでなく、四迷自身の自戒である、と自著にちゃんと記してある。俗説の方が通りがいいのは仕方ないけどね。
あ、それからソルボンヌK子さんの挿絵で、紐で縛られてるメガネヒゲイヌ、これ睦月影郎さんなのかな?(^o^)
マンガ、天樹征丸原作・さとうふみや漫画『探偵学園Q』4巻(講談社コミックス・440円)。 さとうさん、絵はうまくなったと思うんだけどねえ、トリックが『金田一』のころに比べてどんどんレベルダウンしていくのはどうして? もっとも、『金田一』時のトリックは殆どがパクリだったから、それを「ハイレベル」とは言い難いんだけどね。オリジナル作品はやっぱり低レベルだったし。 しかも、今回もメイントリックは江戸川乱歩の少年向けミステリのパクリ(「少年向け」と言ったところで、レベルは見当がつくよね)。パクるにしたって、志が低すぎるぞ。 これってつまり、『名探偵コナン』に対抗して子供向けに下方修正したってことなんだろうけど、話がつまんなくなってるだけだって。 ……なんだかなあ、こんなクソ作品についてまで、ミステリのマナーを守っていちいちトリックを隠しておいてやらなきゃならんのかなあ、と思うといまいましくって仕方がないのだが、少なくとも「作者との知恵比べ」を期待している読者にとっては、「損するぞ」とだけ言っときます。
マンガ、冨樫義博『HUNTER×HUNTER』14巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。 え〜、とりあえずまだ読んでますよ。 と言っても、4ページに渡る活字だけのゲームの説明のあたりなんかは飛ばしてますけど。 あ、説明の中味が理解できないんじゃなくて、理解してやらないんです。こんなこと書くと、コアな冨樫ファンはヒステリー起こすかもしれないけど、書いてある内容を全部読もうが読むまいが、そんなの読者の自由だよな。少なくとも「作者が何を書きたいか」はわかってるんだから、それ以上丹念に読むのは時間のムダってもんです。冨樫さんに関してはね。 かと言って、冨樫さんに対して怒ってるわけじゃないんですよ。「マンガじゃないじゃん」という批判はこの人に対しては無意味。この人が書きたいのは、マンガじゃないんだから(冨樫さんにとってはこれもマンガなんだろうけど)。 だから、既に私はこの人のマンガをマンガとして楽しむことはやめていて、一つの「状況」として楽しむようになってます。つまり、この人の「適度なコワレ方」をマンガ読むことで確認してるわけです。 ビスケットが女の子のように見えて、実は57歳で、ゴンとキルアの師匠筋に当たるって、『幽遊白書』の時の幻海の設定とたいして変わらんなあ。かわいいから別にいいけど。
2001年04月14日(土) 土曜ワイド「女三人露天風呂殺人事件・湯煙の向こうに殺意が見えた」……ってウソだからね。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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