無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年04月06日(土) スランプで寝てたっス/『COJI−COJI』完全版1巻(さくらももこ)

 さて、予定通り更新が遅れている私である(^_^;)。
 以前の更新の遅れは、単に疲労の蓄積だったりしたのだが、ここ数日のは実は「スランプ」であった。
 ……おお、私にもあるのか、スランプ。
 だいたいにおいて、私は文章を書く時、悩まないタイプである。
 小学校の時から、1時間授業の中で作文を書きなさい、と言われたら、そのときにはもう書きはじめている。
 50分授業だと、課せられる枚数は400字詰め原稿用紙で5枚が限度。たいていみんな2、3枚しか書けず、残りは宿題、ということになっちゃってたのが、私一人、7、8枚書いてたりしてたのだ。
 教師が「書けるだけ書きなさい」と言うものだから、素直にそれを守ってたのである。でもこういうのが級友からは「イケスカネエやつ」と見られてた原因の一つだったらしい。
 今やパソコンでキー打つだけだから、1時間なら十数枚は書ける。毎回随分書いてますね、と言われるが、実は20枚書くのに2時間かけちゃいないのだ。

 なのにである。

 パソコンの前でウンウン唸るのだが、書けない。
 何を書けばいいのか分らない訳ではないのだ。
 内容は決まっている。
 構成も考えてある。
 なのに最初の一行が出て来ない。
 こんなことは初めてである。
 なんでこんなことに、と周章狼狽、ヘンなもんでも食って当たったか、と思って、ハッと、これが「スランプ」というものであるかと、やっと思い至った。

 原因は何なのか。
 つらつら考えるに、一つは診断結果が悪かったせいだろう。
 自分ではあまり気にかけてなかったつもりなんだが、深層意識では結構コタエていたのではないか。
 なんたって失明宣言である。
 今までも何度か「危ないよ」と宣言されてきてはいたものの、「あと十年」なんて区切られたのは初めてだったからなあ。
 本も映画も見られなくなる日が来る、あるいは死が目前に迫る、覚悟はしていてもそれが現実のものとして目の前に迫ると、人間やはりあがいてしまうということなのだろう。
 そういうのはみんな運命だからなあ、諦めるしかないんだけれど、諦めがつかないのもそれが人間である何よりの証拠なのだね。

 もう一つ心当たりがあるのが、ここ数日であるトラブルに巻き込まれちゃったのだが、諸事情でそのことがこの日記に書けないことである。
 基本的に私は日記には知人の悪口でも書く。親しいほど容赦しない。
 ある程度個人の不利益になる表現は避けるが、悪口書いても影響がない(あるいは書いた方が当人の益になる)と判断したら、そりゃもう書きまくる。
 それで当人との仲がこじれたらどうするの、とはよく言われるが、「なぜそんなことを書くのか」という筋道はちゃんと提示しているのだ。それでこじれちゃあようなら、何をどうやったって、結果としてこじれるようになってるのだ。
 だから、今回のトラブルについても面白おかしく書こうかとちょっと考えはしたのだが(その関係者の方々に親しみを感じているからこそ)、別の意味で相手を傷つける危険性に気づいたので「今は書けんなあ」と判断したのである。
 事情がわかんない人には何を書いてるのか自体、よくわからんだろうけど。

 で、そのことが書けないなあ、と思ったら、連鎖的にほかのことが書けなくなつちゃったのである。
 意外と私って繊細?
 でも、今日、たっぷり寝たらケロッと治ってやんの。
 なんなんだ私のスランプ。
 
 
 つーわけで、今日は一週間の疲れが一気に来てる感じで、昼間はずっと寝る。
 便秘のせいか、腹から腰にかけてメチャ重い。
 少しでも体を軽くしようと風呂に入って腹を揉んで、それからトイレに篭るのだが、ガス一つ出やしねえ。
 仕方なく横になって寝る、の繰り返しである。
 本当は今日、『機動警察パトレイバー』の劇場版第3作を見に行こうと思ってたんだけど、明日スタッフの舞台挨拶があるってんで、今日行くのはやめた。
 結果的に今日の予定が空いちゃったんだよねえ。
 こういう時こそ日記の更新したかったんだけどなあ。
 スランプ恐るべし。

 昼飯は冷凍の喜多方ラーメン。
 チャーシューとメンマと何かの菜っ葉も一緒に冷凍されてて、それで百円ちょっと、というのはマジで安い。
 量も多からず少なからずで適当なので、昼飯にはちょうどよい。
 インスタントより、こっちのほうが、多分、妙な合成添加物とか入ってなくて健康的だと思うんだが、今一つ、カップラーメンとかに比べて冷食はポピュラーじゃない気がする。
 味でいけば麺にも腰があって、圧倒的にカップ麺より美味いんだがなあ。
 やはり、たとえ不健康であっても、イメージとして、カップ麺の方が安価で手ごろ、というように刷り込まれているのだ。
 ほんのちょっと、お湯を沸かす手間をかけるのさえ惜しくなるほどに、「時間」の走狗に成り果ててるのかな、我々は。
 かと言って、エレベーターに乗るのを避けてあえて階段を歩くようなやつに付き合うのも好きじゃないが。


 しげ、今日は練習からすぐ帰ってくると言っていたのに、全然音沙汰がない。
 夜の10時を回っても連絡がないの携帯に電話すると、其ノ他くんとこで遊んでるらしい。
 妻「タコ焼き買ったから、お土産に持って帰るよ」
 私「タコ焼きはいいから、おかずになるもの買って帰れよ」
 妻「でも冷凍庫に餃子とかハンバーグあるんでしょ?」
 私「アレは俺の非常食。勝手に食うなよ」
 妻「わかった、買えたら買う。あ、それからZUBATさんに連絡入れてくれない?」
 私「何の用?」
 妻「ほら、ビデオカメラ貸す件。『明日会えませんか』って」
 私「会えね〜よ。映画行くし」
 妻「私も一日いないよ。映画終わって会えば?」
 私「会えばって……じゃあ、そう連絡入れてよ」
 妻「何で自分でせんの」
 私「ZUBATさんの電話番号知らないよ」
 妻「……だっけ?」
 私「教えてもらってね〜よ!」
 自分の知り得た情報は私には教えないくせに、私が秘密を持つことは絶対赦さないタイプなんだよな、しげは。
 骨の髄までジャイアンだよな。「オマエのモノはオレのモノ、オレのモノはオレのモノ」かよ。
 そのあとメールで番号を教えてもらってZUBATさんと連絡をとる。
 就職が決まったのでZUBATさん、随分明るい。
 天神で昼過ぎに待ち合わせを決める。

 しげが買って帰ってきたハンバーグとコロッケ(やっぱり肉)を分けて食う。だから肉ばかり食うなよ。と言ってもムダだよなあ。
 しかも、食べきれないと言って私に寄越す。食餌制限の授業受けたばかりなのに何も考えてないよな。よっぽど私に早死にしてほしいらしい。
 しげがそんなに私に早死にしてほしいならと思って食う。私がしげの制止を振りきってメシ食ってると思ってる人がいるといけないので明記しておくが、私にバカバカ食わしているのはしげなんである。
 だって、私が食ってないと、自分だけ肉食うわけにいかないからだ。
 つくづく自分のことしか考えてないよな。
 しげ、まだ具合がよくなってないのかそのまますぐに寝る。
 そのまま牛になっちまえ。

 
 マンガ、さくらももこ『COJI−COJI』完全版1巻(幻冬舎・1260円)。
 アニメにもなってたんだよな、これ。福岡じゃやってなかったけど。
 『ちびまる子ちゃん』もそうだけれど、さくらさんのキャラクター造型力は、基本的には子供のラクガキ以上のものではない。
 だからまあ、小林よしのりが「昼寝しながらでも描ける」と揶揄するのもわからなくはないのだが(お前が言うかってのはあるが)、下手な絵がマンガとして魅力的でないかというとそうでもない。
 難しいのは、「マンガの絵」として考えたとしても、決してさくらさんの絵、魅力的とは言い難いと思うし、その思想も決してスゴイと唸るほどではないんだが、言い帰ればその「適度感」がヒットの原因にはなっていたのだろう、少なくとも『ちびまる子ちゃん』に於いては。

 『まる子』ほどにヒットしたとは思えない、『コジコジ』や、『神のチカラ』といった短編集。こちらの方に実はさくらももこの作家性は表れていると指摘する人は多いのではないか。
 コジコジは宇宙生命体であり、なぜかメルヘンの国の学校に通っている。
 外見は小熊に似ているらしい(さくらさんの画力じゃクマには見えないが)。 宇宙生命体であるせいか、あまり地上の常識(それがメルヘンの国であっても)には拘らない。
 神様に手紙を書こうとする天使のルルに、コジコジは無邪気に尋ねる。
 「相手にしてくれなきゃこっちも相手にしなきゃいいのに手紙なんか書くのよしなよ」
 しかもルルが出そうとしている神様というのが実はもの知り爺さん(そういう胡散臭いやつもメルヘンの国にはいるのだ)がでっち上げたニセモノだから、話はややこしい。
 つまりこの世界、天使は実在しているが、神様はいない世界なのだ。
 メルヘンなのに神様はいない。
 さくらさんは実のところ「そういう考え方」をする人だということに、『ちびまる子ちゃん』のファンはどれだけ気づいているのだろうか。

2001年04月06日(金) プレ花見/『ミスター・クリス』3巻(秋本治)


2002年04月02日(火) だから仮病じゃないってば/DVD『京極夏彦・怪 隠神だぬき』ほか

 久しぶりの通院日である。
 つーか、行くのサボってただけだけど。
 どーせ悪い結果が出てるんだよなあ、と思ったら、病院から足が遠のいちゃうんだよね。そりゃもう、自分でもわかるくらい、食が増えてるし。
 言い訳をするのは男らしくないが、私は男である前に人間なので(どういう理屈だ)言い訳しちゃうのである。
 食べるのがガマンできないということはない。
 実際、入院中に食事制限を受けていても、全然苦痛はないのだ。
 つまるところ私がつい食い過ぎてしまうのは、ストレスが原因だということは見当がつく。
 ……気がついたら食ってるみもんな、私。しかも止まらないし。そのときだけ理性のタガが吹っ飛んでるなあ、というのはあとになって気がつくのだ。
 さて問題はだ。
 ストレスの原因が解らんのである(^_^;)。
 仕事がキツイとか、しげがしょっちゅう駄々こねるとか、そんなんストレスのうちに入らんのだが……。
 ハッ、もしかして「更新遅れてるのなんとかせねば」って考えてるせい?
 

 しげと西新に行くのも半年ぶり。
 とは言っても道を忘れるほどではない。でもしげはキレイさっぱり忘れていた。ネズミだって道くらい覚えるぞ。
 成人病センターには11時に来いと言われていたが、30分ほど早目に着く。
 受付はしたものの、尿検査だの血液検査を始めるまでに1時間待たされる。
 いくらなんでもそりゃ手持ち無沙汰なので、しげの案内で近所のカフェテラスみたいなところに行く。
 ……もちろん食いはしませんよ、お茶飲むだけ(^_^;)。
 トリュフォーの『突然炎のごとく』とかゴダールの『勝手にしやがれ』のポスターなんかが飾られてる小粋な店。しげが「おしゃれカフェ」と呼ぶ類の店である。
 しげにしてはなかなかセンスがいい。と言ってもファーストフードなんだろうけどね。
 タイトルが原語のままだったので、「このポスター、なんの映画かわかるか?」としげに聞いたら、首を傾げる。
 「どっちも一緒にビデオで見てないか?」
 と聞いたらまた首を傾げる。
 うーん、これもしげの記憶力がヨワイせいか、私が見せてたと思いこんでただけなのか。どっちにしろ、十年近く昔のことだからはっきりと確認はできない。ここ数年、しげと一緒にビデオを見るという機会がほんとに少なくなっている。見せたい映画は腐るほどあるのになあ。


 尿検査だの採血だの、その結果が出るのを待つのにも時間がかかる。
 まあ、待っても結果は見えてるが。
 食堂で糖尿病食の試食のあと、担当医と看護婦さん栄養士さんに検査結果を見せられる。
 しげと二人並んで神妙な顔。
 医「……入院前より悪いですね。血糖値が243もあります」
 私「はあ」
 医「ヘモグロビンA1Cは11.0です。これじゃすぐにでも入院してもらわないと」
 今入院したら、東京にもにも行けないしなあ、とぼんやり考える(仕事のことは考えんのか)。
 医「このままだと確実に10年後には失明します。食事制限は守ってますか?」
 私「……守れてません」
 医「間食してるでしょう」
 私「間食はしてません」
 医「してないんですか? 奥さん」
 しげ「してます」
 私「してないよ、俺」
 しげ「私がお菓子あげたら食べるじゃない」
 医「お菓子あげてるんですか?」
 しげ、しまったという顔をする。
 医「お酒は?」
 私「飲みません」
 医「食事はたくさん食べてませんか? 奥さん」
 しげ「二人前はペロリ」
 私「そんなに食ってないよ」
 しげ「食ってるよ!」
 医「……食べるの止めないんですか? 奥さん」
 しげ、また絶句。
 まあ、食ってるのは私だから悪いことは悪いんだが、しげが全く私のカラダを気遣ってないのも医者にはバレちゃったワケだね。
 確かにこう愛のない家庭だと、ストレス発散は食うほうに行くわな。
 医「……もうしばらく様子を見て、夏には入院を覚悟してください。食事を作る余裕がないなら、配達サービスもありますから」
 配達かあ。外食しまくるよりはそっちの方が楽かな。
 けど入院はもうカンベンしてほしいよ。


 下りのエレベーターに乗って、しげを見るとバツが悪いのかムッツリしている。
 「お前、オレが具合悪いって言っても信用しないけど、仮病じゃないってわかったろ?」
 そう声をかけた途端、しげ、「アンタが正しいよ」とふてくされる。
 「なん? 私が悪いってこと知らせるためにワザとカラダ悪くしたの?」
 ……自分のミスをつつかれたくないという心理はわかるが、このセリフが私との距離をどれだけ広げるかわかって言ってるのかなあ。
 わかっててもやっちゃうんだよな、こいつ。
 ストレスの原因の一つはやっぱりしげにあるのか、と、今更ながら淋しくなる。

 半年来なかっただけで西新もあちこち様子が変わっている。
 一番の変化はドンキホーテが出来たことか。
 帰りに覗くと実に脈絡がなくモノが並んでいる。
 「よく、こんなに雑然としててモノが売れるなあ」
 「深夜5時までやってるからだよ」
 ああ、それで以前チャットで「夜よく妻と買い物に行く」と言ったら「ドンキホーテ?」と聞かれたのか。
 なるほどなるほど。
 せっかく寄ったので、ゴツイ目覚まし時計を一つ買う。
 いつも用心のために二つかけて寝るのだが、それでも体調が悪い日など、二つ鳴ってても起きられないことがあるからだ。
 「ハイパーベル」とか書いてあるがどのへんが「ハイパー」なんだか。カタチを見るとなんだがビーム光線でも出そうな気配なんだけど(出たら死ぬって)。


 博多駅でしげ、バッグを買う。
 東京行きのため、ということだが購入したのを見てみると意外と小さい。持ち歩き用に買ったのかな? でも「ハンドバッグ」の類ではなく、ホントにショルダーバッグって感じなのが、色気のないこと(^_^;)。
 考えて見れば私も予定を立てねばならんのだが、どうもまだなかなか具体的なビジョンが見えて来ない。
 それより東京で過ごす体力を整えないとな。

 本屋を回って、久しぶりに姉の店(床屋)に寄る。
 マジで4ヶ月散髪してないので髪はぼうぼう。
 姉「ようそこまで伸ばしたね」
 私「大学のころ伸ばしたことはあったけどね」
 父「お母さんがお前と気がつかんで通り過ぎたこともあったな」
 私「ヒゲまで伸ばしてたし」
 ともかくいい加減バッサリと切りたかったのでいつもより短く切ってもらうよう頼む。
 父「お前の頭は難しいっちゃんね〜」
 「頭は難しい」って言い方もなんだかなあ。


 帰宅は5時。
 夜のチャットに備えて熟睡することにする。
 できれば12時まで寝ていたかったが、9時に目覚める。
 以前に見たDVD『京極夏彦・怪 隠神だぬき』など見返す。
 これも映画単体だとそう悪くないんだけど、原作読んだあとだと作りがザツに見えてくるな。谷啓の事触れの治平は適役なんだけど。


 BSマンガ夜話・手塚治虫スペシャル、今夜は『W3』。
 今日の内容は手塚治虫の線の変遷など、以前聞いたことのあるものばかりで新味に欠ける。
 夏目さんたちの世代が「『W3』のころの線のザツさ」を指摘する理屈はわかるんだけど、ザツでもなんでも『メトロポリス』のころより『W3』の線の方が「動いて」いることは事実だからなあ。
 『メトロポリス』のころは「マンガ」と言っても『絵本』の流れなんだよね。『アトム』の後半から、手塚マンガは「紙の上のアニメ」になった。そっちのほうが馴染み深く感じるのは、やっぱり私は「アニメ世代」だからだろう。

 1時くらいから某チャットに参加。
 この日記を全部読んで頂いている女性がいらっしゃって、嬉しいやら恥ずかしいやら(* ̄∇ ̄*)。
 ……早く更新しよっと。/

2001年04月02日(月) 桜の森の満開の下/『イギリス人はおかしい』(高尾慶子)ほか


2002年04月01日(月) 心機一転?/映画『ビューティフル・マインド』ほか

 4月1日である。
 連休の間に更新ちゃっちゃか進めたろ〜、と思っていたのに、風邪引いてダウン、気がついたらもう溜まってるの20日分だよ、20日。
 こりゃ、私がいかに精力絶……もとい、気力充実していようと、一日二日で追いつくものではない。
 しかも、年度始めっつーことで、これからどんどこ仕事は忙しくなるのだ(前よりは閑職に回されたからって、仕事がなくなったわけじゃないから)。
 ということで、いったん日記をワープさせて、ちゃんと今日の日記をこれから書く。
 飛んだ分のは追々埋めていくつもりなので、最近ちょっとだけ増えた読者のみなさん、気長に待っててちょ。

 で、この日記も更新遅れたりしてな(^o^)。
 ……シャレにならんか。


 年度始めで会議も目白押し。二つも三つも会議が続けば、クスリの副作用とも相俟って、いとも簡単に落ちる。
 自分じゃ気づかないけどイビキかいてるらしいんだよなあ、そのたびに同僚に起こされるんで、初手から立場のないことったらない。
 こりゃ、聞き手に回ってるから眠っちゃうんだよなあ、と思い、今度はやたら質問や提案をする。
 私は、こんなちゃらんぽらんな日記を書いてはいても、実はキレモノなので、資料のミスなどを見つけるのは抜群にウマイのである。
 ……けど、端から見れば、こういうやつってイヤだよなあ。
 「有久さん! 有久さん!」
 「……あ……、はい」
 「ちゃんと聞いてますか? 大事な会議ですよ!?(`´)」
 「あ、……大丈夫です。起きてます……○Oo。(´_`)」
 「……しっかりしてくださいね!」
 「……で、すみません……」
 「なんですかっ!」
 「ここんとことここんとこの資料にミスがあると思うんですが、こうしたらいいんじゃないスか?」
 「……う(・・;)」
 ああ、ホントにヤなヤツ。
 でもこれくらいヤなヤツにならないと、ゆっくり居眠りさせてももらえないのである。……違うだろ、目的が。


 1日は毎月映画の日で、入場料金は千円均一。
 仕事帰りにしげを誘って、キャナルシティに向かう。
 せっかくのお出かけだというのに、車を運転しているしげ、なにか不満げな顔である。
 「どうしたんだよ、顔が変だよ」
 「……だって、映画に行くなんて聞いてなかったし」
 「行きたくないなら、ムリに行かなくてもいいけど?」
 「そうじゅなくてぇ、予定立ててなかったから、スリッパで来ちゃったんだよう」
 「……べつにいいじゃん、スリッパでも」
 「……ステキじゃないオレでもいい?」
 「オマエはスリッパを靴に履き替えただけでステキになるんかぁ!?」

  昨日読んだばかりの京極夏彦『姑獲鳥の夏』の話、しげとやりとり。
 私が「関口ってオマエそっくりだよな、榎木津や京極堂の苦労がわかるよ」と言うと、しげは「オレ、関口嫌い」と言う。
 「同族嫌悪だろ」と言い返す。
 トリックに関わるので詳しくは言えないが、作中の関口のボケぶりは、まさしくしげと同レベルなのだ。
 あのトリックについてアンフェアだと考える人もいるかもしれないが、私は現実にしげと付き合ってるので、あの話、ムチャクチャリアルだったんである。
 「世の中に不思議なものは何もないが不思議ちゃんはいる」ってか(^_^;)。


 マヌケしげとキャナルに着いたのが6時20分。
 実はどの映画を見るか決めてなかったので、福家書店に置いてあるチラシで時間を確認。
 「あ、『パルムの樹』、一週間で打ち切られてやんの」
 すかさずしげのツッコミ。
 「子供の見ないアニメ映画なんて、オタク以外に誰が見るんだよ」
 ……そこまで言うか。 
 私の映画批評について、過激だという人がいるが、しげの「容赦のなさ」にはとてもかなわないのだ。

 AMCのカード、ハンコがたまるごとにポップコーンやホットドッグと交換してくれるシステムになってたのだが、カードが新しくなってホットドッグがなくなっている。しげがそれをしきりに悔しがっている。
 つまり、ポップコーンみたいな「腹に溜まらないもの」は、しげの心の中では「食いモノ」と認識されてないってことだな。
 飢えたしげが暴れるといけないので、エサとしてケンタッキーフライドチキンを買って与える。


 映画はこないだアカデミー賞取ったばかりの『ビューティフル・マインド』。
 しかしヒデエよな、このタイトル。訳すと「美しき心」だもんね。英語で言ってるから一見カッコよさげだけどさ、感覚的にはこんなの松竹大船調だよ。
 古いっつーか、既に映画自体のダメさ加減を表してるような気もするが、こういう予感はたいてい当たる。
 「ゲーム理論」を確立した天才数学者、ジョン・ナッシュ。
 自らの矜持ゆえに、幻覚に苛まれる彼と、彼を支える妻、アリシアとの愛。
 ナッシュは実在の人物であるし、大筋において物語は確かに「実話」なのだろう。
 けれど、こういう身障者を扱った作品の場合、主人公を傷つけるわけにはいかないから、往々にして「愛と感動を呼ぶ」結末に脚色・収束させちゃうんだよね。
 最後まで幻覚が消えなかった、というのはいいんだけど、「妻の愛を語る」か達で結末をつけるってのは正直言って拍子抜け。……少し前の、幻覚に別れを告げるシーンの方がよっぽどクライマックスになってたりする。
 まあ、ナッシュを演じたラッセル・クロウの熱演は評価していいけど、物語としての濃さを考えると、これが『ロード・オブ・ザ・リング』を上回るものというのはちょっとねえ。
 ま、癒されたいんだね。アメリカ人も。

 あ、でもジェニファー・コネリーは相変わらず美しいっつーか、『ラビリンス』のころから老けてねーみてーだ。あらびっくり。
 「ジェニファー・コネリーって、ショーン……」
 としげが言いかけたので、みなまで言わせず、「そのセリフ、俺がジェニファー・コネリーを話題にするたびに言ってるぞ、おまえ。二度と言うなって言ってんのに、なんでそこまで記憶力悪いんだよ」とダメ出し。
 「だって、そう連想するように頭がなってるんだよう」としげは愚図るが、つまり自分が「アホ」だってことを告白してるようなもんだ。
 ……アホだね〜、ホント。


 コンビニで飲み物など、買い物をして帰る。
 新しい冷蔵庫、以前のものより容量があるので、たくさん買っても余裕がある。
 冷凍室は、水を注入口に注ぎ入れるだけで、氷がアイスボックスに自動的にカラカラと落ちて来て溜まる仕組み。
 しげはこういうのが楽しくて仕方がないのだが、自分だけが楽しんでると思われるのがイヤらしく、私に「楽しい?」と聞いてくる。
 自分の気持ちくらい自分ではっきり言えよ。


 BSマンガ夜話、手塚治虫スペシャル、今日は『メトロポリス』。
 ……と言いながら、話は殆ど「初期手塚治虫論」の様相を呈する。
 大林宣彦と水野英子がゲストだけど、これにいしかわじゅんと夏目房之介が絡めば、もう、手塚治虫大礼賛大会になることは眼に見えてる。
 実際、ここまで静かに進行するマンガ夜話を見たのは初めてだな(^o^)。
 しかも岡田斗司夫さんが殆ど喋らなかった回というのも(^_^;)。
 もっとも、シメは岡田さんが手塚治虫のSF性に触れて、ようやく中味のある話になったけど、考えてみれば『メトロポリス』題材にしてSF話にならないってのも偏ってるよな、このメンツ。
 アニメ『メトロポリス』があんなヒデエ出来になっちゃったのも、りんたろうに大友克洋というSFオンチ二人にやらせちゃったせいだろうなあ。
 SFはジャンルではなく「手法」だってこと、認識してないやつが多すぎるよ、困ったもんだ。

2001年04月01日(日) 四月バカ/『ブンカザツロン』(唐沢俊一・鶴岡法斎)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)