無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年04月06日(金) プレ花見/『ミスター・クリス』3巻(秋本治)

 今日も朝から鼻血が出るが、もう休むわけにはいかない。
 鼻薬を鼻腔に噴霧して、薬も飲んで、無理やり抑える。ああ、頭が重い鼻の奥が重い。なのに仕事は容赦がない。
 薬の副作用か、気分だけは高揚しているのが恨めしい。
 
 仕事がくそ忙しくて帰宅が8時。
 1日ごとに1時間ずつ帰るのが遅くなってきてるぞ、女房はそろそろお冠だ、ヤバイなあ。
 明日、弁当持って花見に行こう、と約束しているので、一緒に買い物に出掛ける。



 ウチの近所のスーパーは10時まで開いているので、腹をすかした二人はまず「ガスト」でたらふく食って朝からの空腹を満たすのであった。
 ファミレスのメニューなんてどこの店でも似たり寄ったり、かと思うとさにあらず、ここは時々何だかよく分らない料理を出してくるので、結構ご贔屓なのである。しかも、下手をすると人気がないのかいつの間にかなくなってしまうコトも多いし。
 以前、みぞれあげもちを食べたとき美味かったので女房に分けてやるが、「べたつく」と言って露骨に眉間にシワを寄せる。……もちはもともともちもちしてるよ。そこまで嫌うというのは昔もちと何か相性の悪いことでもあったのか?
 すっぽんゼリーという名前だけ聞くと少しも美味そうでないものを頼んでみるが、薄い醤油味のゼリーという感じで本当に美味いんだかまずいんだかよく解らなかった。

 本屋に寄って買ってきたマンガ、秋本治『ミスター・クリス』3巻を食事しながら読む。
 秋本さんの漫画はともすれば解説的なセリフが入って、ストーリーの流れや盛り上がりを阻害してしまうところがあって、惜しいなあと思ってしまうのである。
 ジャンボジェットを洋上の空母に着陸させるというアイデアは面白いが、その実現の可能性を先に解説しちゃうのはいただけない。普通は成功した後で理由を説明するのがセオリーなんだが。
 シナリオ作りのあまりうまくない人だなあ、とも思うし、キャラクターも深みがない。肩肘張らずに読めるのがいいところなのかもしれないけど、『こち亀』がもしも終わったら、次作のプレッシャーに一番悩んじゃうのではなかろうか。

 スーパーで卵やチーカマやハンバーグ、シューマイなど、明日の弁当のおかずを買いこむ。ソーセージは定番なので、絶対買うのだ、と言ったら、女房がやや軽蔑したようなジト目でこちらを見る。
 「やっぱりソーセージはタコにしなきゃな」
 「絶対にタコにしてやらない」
 ああ、なんて微笑ましい夫婦の会話。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)