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■ 良い夜だった。
いつのころからか、わたしはどこか冷めた気持ちで一歩引いて他人とつきあうようになった。 多くを求めなくなったのは、自分の思いが他人にすべて伝わるわけがないと見越して、そのことで傷つくのを避けるためだったのかもしれない。
それから、すべてを語ることを億劫がる気持ちも少なからずある。 理解されずに傷つくのなら、最初から言わないほうがいい。 そう思ったのだろうと思う。
そうすると、苦手な人間とか、価値観が百八十度違った人間などと、そつなく平和に付き合うことができる。語らないからだ。 ときに、そのことに全く気づかれない。表面的には、わたしは上手に他人に合わせることもできるのかもしれない。
でも、それは淋しいことでもある。 もちろん、生きるためには仕方のないことと思ってはいるけれど。
彼に、この「あふりかくじらノート」で語るわたしは、いつものわたしとぜんぜん違うと言われた。 彼には素直に語っているつもりなのだけれど、ここで見せる顔は違うのかな。面と向かって言いにくいこともあるし。
それでも今日は、とても久しぶりに安堵する時間が持てたと思う。 日本からいつもお世話になっているひと(レジナルドの友だち)がきて、レジナルドと妹のアンジェラと共に、ビールを呑んだ。 気のおけない仲間と純粋に楽しんで、冗談を言って笑った。 何のしがらみもない。仕事も嘘も、表裏もない。 そういうのって、じつに久しぶりだった。なかなかないことだったと気づいた。身体の力が抜け、自由だった。
良い夜だった。 ほんとうに。
2006年07月31日(月)
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