あふりかくじらノート
あふりかくじら

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■ ものを大切に。

ハラレは治安が悪化しており、先日、知人宅が強盗に襲われ電化製品など多くが盗まれてしまった。銃を持った複数の犯人が家に待ち構えており、ほんとうに生きていて、怪我も無くて良かったと思えるくらい、それは恐ろしい顛末であった。
結局彼らはその家がもはや危ないというので、わたしの住むコンプレックスに引っ越してきた。

今日、強盗に襲われた家を引き払う際に、家財道具を売り払うというので、わたしも欲しいものがないか見に行った。
気のいいご夫婦は、売り物以外にも、たくさんたくさん残っている食器類や小物などをどんどんわたしにくれた。

日々、恐ろしい勢いでインフレが進み、何か消耗品以外の家のもの、小物類や電化製品や食器などを買おうとするとき、数ヶ月前と比べて数倍になっているのを見たりすると、なかなか買うのを躊躇してしまう。
そのかわり、今あるものや、いただけるものをとても大切に考えるようになった。あれもこれもと欲張ってもらってしまったけれど、ジンバブエに住んでいる限り明日の経済や明日の政治に何が起きるかわからない。
ものは、大切にありがたく頂戴しておくのがいい。

購入したものは、オイル・ヒーター。
それから、いただいたものは、うつくしい菖蒲模様の施されたグラス、藍色の葡萄模様のスープ・ボウル、お椀、ロックグラス等。
とてもぜいたくな品々を惜しげもなく下さった夫婦に、感謝しつつも、彼らの心の傷を少しだけ見たような気がしなくも無い。

なんとなく、大切に使おうという気持ちになった。

今日、午前中にマーケットに行って、ランドリー・バスケットをオーダー。
こちらは格安。100万ジンバブエドル也。


2006年03月26日(日)

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■ 気持ちの良い買い物のこと。

先週買ったもの。

つややかに光る包丁。

先週、出張に行った際、
ジンバブエでは手に入りにくい
うつくしい包丁を手に入れた。
念願の、包丁。

グローバルというブランドに惚れこみ
それを探してみたけれども見つからず。

だから
アドヴァイスを下さった誰かを一瞬で裏切り、
お店のディスプレイの前で
ヘンケルスが目に入り、購入。

普通サイズと果物ナイフ。

これはこれで、正統派包丁という感じで
ルックスもかっこうつけていないところがよく、
案外気に入っている。

切れ味も、光の反射の仕方も良い。


最初に切ったものは、
じゃがいもと右手の親指である。


2006年03月20日(月)

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■ ノルウェイ。

いつも落ち着かない気分にさせる奇妙な薬のような村上春樹の文章。だから嫌だと思いつつ、それでもわたしのどこか深いところを刺激して不安にさせることば。
憎らしいくらい、きちんとバランスの取れた文章。

「ノルウェイの森」の上巻だけ読んで数ヶ月放ってあったので、この日曜日に下巻を読む。やはり落ち着かない。でも、読んでいなくても落ち着かないからやっぱり読む。
作品の評価とか、細かい点は抜きにして。ひとりになっていたい。


空港のことを考える。
先週の、彼との奇跡的な二度の再会のこと。トランジットでほんの少しの時間だけ、搭乗ゲートで会えたこと。
そして、いつでもそこにある空気。世界中から持ち込まれた、それぞれの人生とそれぞれの時間のこと。

先週出張から戻り、思わず職場の女の子に、飛行機に乗ると自分の人生をひとりで振り返る、という趣旨のことをぽつりと言ってしまった。彼女は、それに反応する心を持ち合わせていなくて、はぁ?という顔をされてしまった。

それは淋しい人生だ。でも、気づかないこと、感じないことは楽だし、ある意味幸せなんだと思う。いつも、その種の女(ときに男性も)を見るたびに思う。わたしはくたびれる生き方をしている。


わたしの人生ってなんだろうとか、これからどうするとか、愛するひとのこととか、そういうことをわたしはいつでも飛行機に乗るときに考えてきたように思う。
空港で、ひとりで、しかし大勢の見知らぬ人たちと共有している空の旅で。その、時間と大地にとらわれていない空間で。

大陸を移動するその贅沢は、わたしの人生にとっていつでも特別だった。
11歳でアメリカに引っ越したとき。
はじめて自分でスウェーデンに行ったとき。
大学生でボツワナに行ったとき。
エディンバラ大学に留学したとき。
そして、ジンバブエに赴任したとき。


よせばいいのに、百万回目の「ラブ・アクチュアリー」を観る。
ヒースロー空港で実際に撮影されたという、到着ゲートのたくさんの再会シーンに、わたしはいつの間にかまた、涙を流していた。何度でも、飽きることなく涙を流す。

けっこうわたしは、くたびれているんじゃないかと思う。
愛することは、楽じゃない。


これからの人生、いったい何度、空港に立つことだろう。
そして、誰と再会するのだろう。


2006年03月19日(日)

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■ ワイン&ワイン。

赤ワインよりも白ワインのほうが好きだ。
最近、某通販で12本も白ワインを購入し、
あまりの贅沢にそわそわしつつも、浸っている。

しかしながら、今夜わたしの体内は
赤ワインで満たされているのである。

アルゼンチン、スペイン、フランス、南ア。
豊かな香り、ほんのり甘く、渋く。
夕方七時ごろまで、傾いた太陽の光が残り、
そして
多くの人たちとはかけ離れた生活に現実を忘れる。


またジンバブエでは毎日のようにいろんなことがある。
野党が分裂し、その一派が党大会を開催した。
そんなことは関係なく、
わたしはワイングラスを手に
ほろ酔い気分でピアノのキーをたたく。



2006年03月18日(土)

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■ 奇跡的なもの。

ジンバブエに戻りました。
また、空からこの国の緑うつくしい大地が見えたとき(農地がくっきりと見えます)、やっぱりこの国に来て良かったとそう思います。

独裁に近い政治、腐敗、経済崩壊、高インフレ率。
色々とありますが、このうつくしさは変わらず。


奇跡的に、とてもすてきなことがありました。
だーりんとのことで。
遠距離の辛さもあって、わがままをぶつけたりしてしまったわたしが、だーりんにいちばん大切なことを伝えることができた。


飛行機に乗るって、よく考えるととてもぜいたくです。
どこか遠くの大陸にいけるこの自分の幸運を、わたしは人生の中で最大限に活用していかなければなりません。


このまぶしいアフリカの大地に舞い降りて、そんなフレッシュな気持ちになりました。

仕事も、じぶんの人生も。


あと半月で、四月です。

2006年03月16日(木)

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■ ムビラの音色、チエザの如く。

トーマス・マプーモのムビラがラジオから流れてくる。
夜七時半。やっと仕事が片付いた。

明日から、出張ということで某国へ飛ぶ。
行って帰ってくるまでほんの4日か5日程度だけれども、
それだけのために他の仕事を片付け、
いろんなひとに連絡をとり、出すべき書類を仕上げ、
などと慌てふためいていると、それがすっきりしたとき
ずいぶんいい気分になっていた。

朝早くおきて焦って仕事していた土曜日だったけれども、
こういうことってたまにあった方が、
なんというかすべてがすっきりする。
仕事だけでなく、気持ちの上で。
わたしのジンバブエで過ごす時間を、またひとつ
軽く区切るという意味で、自分を見直す。


周りに内緒にしているんだけれども、
出張先の某国に、なんとだーりんが東京から
飛んできてくれることになった。
ほんとうに、二日やそこらのために。
とてもびっくりしたが、うれしい幸せである。
静かに、とても甘い気持ちになる。

いつも愚痴をきいてくれるジンバブエ人の女性スタッフに、
こっそりと訊いてみた。

これって、愛かしらん?
愛だと思うわよ〜、って答え。

今から、すこし甘い静かな幸福感にひたり、
ピンクのスーツケースを引っ張り出そうと思います。
行きは空っぽ、帰りはお買い物と甘い思い出をつめて。

空の旅のお供は、金子光晴と太宰治に決めてある。
飛行機が傾き、光が射す様子を思い描きながら、
文庫本を二冊かばんに入れる。

チエザとは、ショナ語で光を意味する。


2006年03月11日(土)

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■ ラブ・ソング。

ひとりでソファでうとうとしてしまった。

今夜は、いつも聴くラジオ局とは違う局に合わせ、
お気に入りのクッションを抱いていたら、
いつの間にか眠りに落ちて。


目が覚めたら、エンリケ・イグレシアスの
「ヒーロー」という曲の中にいた。


すごくメロウな、
そしてあまりにも甘すぎることばと歌声で、
かえってすごく無防備な自分は、
気づいたら
胸がいっぱいになりそうで少し驚いた。


Oh, this one brings me to tears...
ジンバブエ人の女性DJが、やわらかくつぶやいた。


わたしは、
たったひとりで遠くにいる、そんな感じがした。

ラブ・ソングに包まれて、
子どもみたいに淋しく。





2006年03月08日(水)

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■ 涼しい朝に。

曇り空のハラレ。
明るいグレーの雲がまぶしい。
遠い国にいることを思い出す。
ひとりで歩いていることを、ことさら強く。

いつでも、
気温が下がると澄んだ気持ちになる。
静かに自分と向き合うような。


ジンバブエは、雨季が終わると冬を迎える。

2006年03月06日(月)

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■ 曇り空だった。

ここ二三日、ハラレはとても涼しい。
一瞬冬を思わせるような少し冷えた風が吹き、空が曇っている。
相変わらずガソリンがなくて、急遽、手持ちのジェリー缶からぺトロールをRAV4に注入。ガソリンで手が汚れる。

曇り空の今日、なんだか気持ちが沈んでいる。
彼に困らせるようなメールを書いてしまった。
養老孟司「無思想の発見」を途中まで読み、眠くなってソファでうとうとした。目が覚めてもまだ、曇り空だった。


ひんやりして、気持ちが沈んでいて、少し淋しいなと思うけれども、とくに哀しくもない。
夕方、レジナルドくんから電話。もうずっとあっていない。
何度かオフィスに来てくれたらしいがあいにくわたしは留守。レセプションの女性が、彼はベリー・ハンサム、って言っていた。そうでしょう。彼はとってもかっこいい。(だーりんに怒られるかしらん)

ハラレが曇っていると、とても静かな気持ちになる。
今日から、さぼっていたショナ語をきっちり習い始めることにした。
ちゃんとした語学の先生に、きっちりレッスンの時間を決めお金を払ってやる。
ひとつの国にいるのに、やはりその国の言語ができないのは許されない。
ことばを覚えるのは、楽しい。


そんな休日。
慌しい一週間の合間、今日は、難しいことは考えまい。

熱を発するあたたかいわたしのキッチンで、わたしはひとりぶんの食物を準備しようと思う。
ビル・エヴァンスをかけたら、どこかのショットバーでお気に入りのスコッチをロックグラスに味わっている気分になった。スコッチなんて、もうずいぶんご無沙汰だ。



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ムトコ地区の写真、アップしました。


2006年03月05日(日)

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■ 自分の領域。

ばかばかしいと思うけれど、色んな行き違いにより引き起こされた一連の混乱とそれによるわだかまりを明確にさせたいと思い、わたしは現在来ているミッションの女性二人を、食事に誘った。

連絡不足、認識不足。行き違い。
複数の関係者がいるためそれも混乱のもとではあった。
ただ、最終的な責任は、ミッションにやってくるひとたちにあるはずである。連絡を取らなかったから、突然その日の朝にフィールドに行くことがわかって大混乱に陥った。それを、どうしてスケジュールが変わったんでしょうねぇ、などとのんびり抜かしていたから正直頭にきたのだ。

彼女らの認識不足で迷惑をこうむった、というのが正直なところだ。
連絡不足はこちらの責任でした、すみません、ということばを引き出したが、これもどちらかというとわたしが力で押したようなところがあって、ほんとうはあんまり納得していない。

東京からうまく連絡が来ていなかったことで、わたしは間違ったプロジェクト関係者との連絡を取り、ミッションの受け入れ態勢を整えようとしていた。この部分は、連絡を怠ったのは東京であるのは確かだが、そこを彼女らは「自分たちには関係がない」と言った。
これなのだ。無責任というのは。
あなたがたミッションを受け入れる準備をしていたわたしを、関係ないと言えるその神経。
それにより振り回されたわたしは、ではどうすれば良いのだろう。

ひとは概して、自分の領域を守りたがるもの。
自分の責任、自分の立場。
でも、そんなものを守ることで、迷惑を被る第三者がいるとしたら?
相手がどう思ったかということに、多くの人間は気づかない。でも、そこのところが仕事でも日常生活でも大切なのではないだろうか。ときに、自分のフィロソフィーよりも。

「ばかの壁」ではないが、ここらへんはもう、わかりあえないんじゃないかと思う。

わたしが休日の土曜日まで使って積極的に解決しようとしていることも、やっぱりわからないんだと思う。

そんな土曜日の夜だった。

2006年03月04日(土)

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■ 振り回されつつも。

ものすごく色々行き違いがあって、それがなんと今朝の電話でわかり、急遽車で三時間程度のMutokoという地域に行くことになってしまった。

それで、ともかくまたフィールドにいくことができた。
今度は、東の方向。

職場の人は、道の悪さ(ものすごく悪い。雨季で水をかぶっているところもあった)を例に挙げてやめさせようとすらしたけど、道が悪ければ悪いほど、田舎へ行けばいくほど血がたぎるわたしのフィロソフィーは地球が滅びたって理解できないだろう。

ディープなアフリカふたたび。
わたしは、アフリカの大地に立っていると実感した。
お日様が射し、雨が降っている。

2006年03月03日(金)

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■ 遠い村のこと。

土曜日のことがやっとひととおり書けたわけで、
区切りがひとつついたか、また次のことを見ている。

あの、大変な騒ぎだった村の午後から何日かが過ぎ、
そうすると心の中でどういうわけかそれが
すこしだけ落ち着きを増し、そして長く時間を置くと
熟成されるのである。

書くのは、新鮮なときであり、熟成されたときである。
こうして人間の記憶と心の中の思い出の形は変化を続ける。
だから、いつ書いてもそれは完璧ではない。
それで、書き続ける。

マササの首長の息子から電話。
先週末のお礼と、感想を述べる。
もう、すこし気持ちが変わってきている。


→ メルマガ【80】【81】の二つに分けて書いた。

→ 写真。


ストレスが溜まってる。
仕事ではなくて、くだらない人間関係や、子ども染みた
ばかばかしい相手と知りながら、ストレスを溜めている。

言いたいときに、言いたいことを言ってしまえればいいのに。
必要以上に、気を遣わなければ楽なのに。自分がいつも損。
そんなことを思っている自分がつくづくいやになる。

もう寝る。

2006年03月02日(木)
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