|
|
■■■
■■
■ クラシック・バレエの麻薬効果。
バレリーナになることを信じていたのは、 そう遠くもない昔のことだ。 バレエを愛した。 いまでも、バレエを愛している。
メールマガジンを読んでくださる方の中で、 ときどき丁寧なメールをしてくださる方がいて、 最近、彼女の書いたエッセイを読んだ。 そこには、わたしが少女時代愛した本を 彼女もたいせつに読んでいたことが書かれていた。 バレリーナ森下洋子の半生記だ。
「レッスンを一日さぼると自分にわかり、二日さぼると パートナーと先生にわかり、三日さぼるとお客様にわかる」
クラシック・バレエは、高潔だ。 偏見かもしれないが、ほかのどんな踊りよりも うつくしく厳しく、高潔であると思う。
5歳のころ、わたしはクラシック・バレエをはじめた。 レッスンは楽しく、バレエはうつくしく、わたしは どんどんバレエを愛した。 バレエのない人生など、考えられなかった。
操り人形のように一本の糸でつるされて、 芯が通ったようにすうっとまっすぐ踊る。 きれいに伸びる手足、指先の表情。 マイム、と呼ばれる、セリフのかわりに身体で表現する 独特のことばがある。
うつくしいピルエット、フェッテ。 きれいなポーズほど、きつい。
バレエに魅せられているのは、ほかならぬバレリーナである。 あんなにきついのに、やめることができない。
わたしはバレエを愛している。 あの、舞台のうつくしさに凝縮された感情を。
★ ★
戦争が終わったから、もう戦争はないのかというと、そうでもない。
2003年04月20日(日)
|
|
|