あふりかくじらノート
あふりかくじら



 雨降る東中野、ヨルダン河、嘆きの壁。

わたしはこの週末何人かのひとに会って、
そして十数時間も寝て、映画を観た。

遠いコーランの響きと、イスラエルの風景と、
乾いた風に、どこからかわたしの記憶のなかの
バグパイプが重なる。

世界はどこへいったのだろう。
わたしは東京の街で、映画館の中に埋もれてしまっている。

きょうは、きょうこそは、
スウェーデンとアメリカのフラットメイトと友だちに
はがきを書こう。

この国からわたしだけを救い出したいという、
どうしようもないエゴのために。
世界のどこかで生きている友だちを、
大好きだと思える小さな幸福のために。

BOX東中野の、遅い朝のように。

2002年09月16日(月)



 いのちの値段。翻訳の値段。

昨日、テレビに釘付け。
一年前の昨日のことを、鮮明に記憶している。
あのときから世界は変わった。
わたしも、世界とのつながり方が変わった。

何人死んだって、国境の向こうはよその国。
痛みを伴わない。

Globalisation

アフガニスタンの誤爆で人が死んで、
小銭みたいなお金が支払われる。
いまのわたしが売っている通訳とか翻訳とか、
そういうもののほんの数分の一。

それが、いのちの値段。
世界が狭い人間が、たくさんいる証拠。

外に出よ。世界とつながろう。
ごく当たり前のこと。

それが、globalisationであるのだから。

2002年09月12日(木)
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