|
|
■■■
■■
■ くじらのハーブ風。
ハーバリストにかかりました。 なんか草とか花とか種とか、植物をあれこれやっちゃう ひとのクリニックです。 もちろん、はじめて。
わたしは、生活態度があまりよくなく酒癖も悪いくせに、 肌にも内臓にもたいした問題はなく、健康なんです。 不健康生活者なんですが。
でも、あまり気持ちのいい話ではないんですが、 簡単に話すとですね。わたしの問題はこんな感じです。
去年の夏、アジア学院という西那須野にあるNGOで、 農業などのボランティアワークキャンプをしたわけです。 通算4回目の参加で、すっかり気を抜いていたのですが、 夜、サンダルで外に出たときにやられてしまったんです。 ブヨ。ブヨ。ブヨ。 十匹くらいの子バエみたいなちびブヨが、わたくしの うつくしい足首にくっついている図のショッキングな ことといったら…! で、計20箇所から30箇所ほど吸血されてしまったわけです。
当初は、さされた個所が少し腫れあがって熱くなるだけでしたが、 ずいぶんあとからでした、ひどくなったの。 それどころか、数ヶ月たっているというのに、さされていない腕や 足の膝下のあたりまで同じ症状が出てきてしまったのです。
で、最初は日本の皮膚科にかかった。 皮膚科の医者は、「それは痒針(ようしん)なんちゃらだ。」とか いうんですね。アレルギーかなんかで、さされていない場所でも 症状が出てくるんだと。これくらい強い薬じゃなきゃだめだ、って なにやら強力げな塗り薬をくれるわけです。
しかし、症状はひどく、そんなものはすぐ使いきってしまいました。 でも、英国から同じ医者に同じ薬を請求すると、保険がどうたらとか 言われて…まあ、ようするにもらえなかったわけです。
そして、行ってみたのが大学のクリニック。 これが、はっきり言ってだめでした。医者が、皮膚科の専門でも 何でもなく、てきとうに「一応この薬を塗ってみて」とか言って あまり症状を見もせずに怪しげな薬をくれるわけです。 …そんなものは、ききません。
Centre of AfricanStudiesで、セクレタリーをやっておられる方が 非常に面倒見のよい方で、わたしたちはいつもお世話になって いるのですが、彼女がそのハーバリストを紹介してくれた というわけです。
で、けっこう保守的なわたしはちょっとどきどきしながら そのドアをあけて、ハーバリストにかかった。
途上国の保健衛生を考えるとき、よく、対処療法ではなく 予防療法で、っていいますよね。病気になってから薬を飲む とかではなく、保健衛生の知識などを得て、たとえば病気に ならないように汚い水は飲まない、などで病気を予防する。 まあ、効率の面でもコストの面でも、なにより健康な人間として 生きるために、このほうがいいわけです。 で、いわゆる西欧医療は対処療法、つまり病気があって、そして それに対処する薬がある、といった考え方をする傾向にある。 わたしがかかったふたりの医者もそうでした。
ところが、ハーバリスト。 彼らは、人間というわたしの健康全体について先に考えるわけです。 食事は何を食べているかとか、いままで病気をしたことはあるかとか、 消化器系の問題はないかとか、エトセトラ…。 で、全体的な概念としての健康と、それがそこなわれる根本的な 理由をつきつめるわけです。
ハーバリストの考えたわたしの症状の理由は、リンパ腺にある、とか。 よくみると、確かにそうなんですね、症状の個所が。 彼女によると、わたしのリンパ腺はブヨの毒に対処しきれず、 血液がきれいになりきれないから、こうなってしまうんだと。 (むずかしいことは、どうもわかりませんけど…)
で、彼女がくれたのは、あれこれよくわからない植物を混ぜて つくった、血液をきれいにする飲み薬と、かゆみなどをふせぐ もちろんハーブのクリームでした。
これがほんとうに正しいのかどうかわからないけれど、 なんだかききそうな気がしてきました。匂いもわるくないし。 第一、その考え方自体がたまらなく魅力的に感じられたし、 これの効果が大きかったら、研究はアフリカの医療人類学に 転向するかもしれません。 ハーブって、いままであんまり好きじゃなかったんですが、 ちょっとはまりそうな気がする一日でした。
で、いまわたしは植物くさいんです。
2001年02月07日(水)
|
|
|