あおい世界
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2018年05月11日(金) 本■家族と膵臓と朝。

今年、第15回本屋大賞を受賞した辻村深月さんに興味がわき、
受賞作品を図書館に予約しましたが、
順番が来るまでに時間がかかりそうなので、
とりあえず、過去の作品を読むことにしました。

『家族シアター』 は7つの短編集で、
タイトル通り、姉と妹、姉と弟、母と娘、父と息子、祖父と孫娘など、
家族との交流が綴られていました。
大抵は、良くない関係から好転するものばかりですが、
なるほど、家族だからこそ伝わりにくいとか、
勘違いとかあって、想いがずれてしまうことがあるんですね。
読みやすい文章だし、視点も分かりやすいので、
機会があったらまた他のも手に取りたいです。
まずは受賞作品を読むのが楽しみです。

一昨年の本屋大賞2位で、昨年映画化された話題作。
住野よるさんの 『君の膵臓をたべたい』。
このタイトルを耳にした時、正直ギョッとしました。
スプラッタな内容なのかと訝りもしましたが、
映画紹介で目にするのは、学生の恋愛物のようなので、
ならば、なぜこのタイトルなのか興味がわきました。
結果、ラストは涙なしには読めませんでした。
学生の純愛とか死生観とか、メッセージが明確でしたが、
ラストはあまりにも意外すぎる…。
人って、思うようには生きられない(死ねない)ものなんですね。
死を意識して時間を大切にしようと思っても、
いつ誰がどのような形で命を落とすか予言できないことなので、
毎日、毎分、毎秒を後悔なく、大事にしていくべきだって、
改めて痛感させられました。
特に、若い子たちに読んでほしいなぁって思います。
劇場に観に行けば良かったなって後悔。
ずいぶん話題になっていたのに、なぜ観に行かなかったのかなぁ。

辻村深月さんの受賞作品の順番はまだなので、
2年前の作品 『朝が来る』 を読みました。
これは2年前の作品でドラマ化もされていましたが、
ドラマのホームページを観ると、原作とはずいぶん違うようでした。
内容は最初、不妊治療をしている夫婦が、
悩んだ末に養子縁組により、生まれたばかりの子供を引き取ります。
その子供は中学生カップルにより恵まれない妊娠でしたが、
話は、そんな単純なことではなく、
生みの母親がその後、順調な生活に戻れず、
荒んだ体験をしてしまうという、何ともドロドロな内容でした。
前半は子育てに悩みながらも奮闘している養母の語りでしたが、
後半は中学生から成人するまでの生母の語り。
たくさんの問題に気付かされ、考えさせられる重い話でした。


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