■ ヘッド・フォンから石田彰
ホームページ / 過去 / 未来 / / 目次

|| 2004年02月19日(木) 娘はいつでも甘やかされる ||


■亭主の実家の朝は早い。
健康マニアである義母は、朝は5時半には起きて30分の散歩、そしてラジオ体操。もちろん義父も一緒だ。嫁としては、一応はその時間に起きてみる。一応、というのは、「まだ寝てていいのよ〜」と、義母が必ず言ってくれるからだ。「でも〜」などと言いつつ、「そうですか〜?」と二度寝。毎度のことだ。
7時前には仕事に向かう義父を見送り、義母とともに朝食を作る。娘と亭主をたたき起こし、布団を上げる。嫁とは名ばかりの、私のお客さん的滞在はここで終了。
姑に何度も礼を言い、実家を後にする。さて、次は私の実家だ。

■ここで。3人で実家に帰った際には、必ず通らなければならない関門を通る。ローカル線から新幹線へ乗り継ぎ、私の実家の最寄り駅で、そのまま新幹線で家へ帰る亭主と別れねばならないからだ。
娘を、騙し騙しドア付近へ連れて行き、発車のベルとともに彼女を抱え新幹線を降りる。亭主を残し、ドアが閉まる。娘が・・泣いて暴れる。いつものことだ。
その新幹線ホームからのエスカレーターを、彼女が機嫌よく降りてくれたことは今までに一度も無い。走り去る電車を泣きながら追いかける娘を、「危ないから!!」と、連れ戻す。まるで今生の別れである。

■改札まで、母が迎えに来ていた。
「おばーちゃーーーん!!」
はい?ほんの今まで泣いていたはずだが・・現金な女だ。

■着けばもう夕方。さっきまでかぶっていた嫁の皮をさっさと脱ぎ捨て、娘の顔になる。「ご飯だよ〜」の声がかかるまで、持参のBL本を読む。タイトルは榎田尤利の「猫はいつでも甘やかされる」。以前、未読の榎田作品が3冊ある、と書いたが、そのうちの1冊だ。(12/6日記参照
その際に、「春彦に限っては、心から報われてほしい私であり。そんな理由で、なかなか手を出せずにいたりする」と書いたが、その心配は意外とあっさり解消された。むしろ、攻めキャラにこれっぽっちも感情移入できなかった前作より、私には納得のいく展開であった。確かにシュウは、まひろと比べ、キャラ的に多少弱い感じはしたが、そのバカっぽい可愛さが返って猫々しく(どんな日本語だ?)、頑なさが春彦によって解けていく様は、とても温かい気持ちで読めた。せつなさで言えば「放蕩長屋・・」に軍配だが、面白さと爽快感、特に、最後の女子高生3人組のエピソードは、榎田さんお得意の説教がましさはあるものの、胸の空くラストだったと思う。この、人称が「あたし」という攻めキャラは、数多くの攻めキャラの中でも、印象に残るオトコマエさだろう。

■食事のしたく、後片付け、布団の上げ下げに至るまで、お客さんモード200パーセント。娘はいつまでたっても娘なのだ。

過去 / 目次 / 未来 / ダンスドール

my enpitu
* re access *
-5月のスペシャルサンクス-
第1位: into DEPTHS さま
第2位: C2Warehouse さま
第3位: 彩チャイナ さま