■ ヘッド・フォンから石田彰
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|| 2009年06月02日(火) ||


■約7ヶ月ぶりに書いてみる。
先週母が亡くなった。発病から1年経たぬうちに。
がんはあっという間に全身に転移していった。2度の手術、抗がん剤、放射線治療、そのどれもがたいした延命には繋がらず、ただ、ただ、痛く、苦しい日々の連続だった。まさに「闘病」だったと思う。それでも最期は静かに息を引き取った。これで母もやっと痛みから解放されるのだと、悲しみよりも私は少し安堵した。それほどに、壮絶だった。
この10ヶ月、いろいろあった。書けばきりが無いので割愛するが、一番大きかったのは、母に続いて父がクモ膜下で倒れたことだろうか。昨年末のことだ。そのまま脳梗塞を引き起こし、障害が残った。当然、これから始まるであろう介護を覚悟した。が、母の葬儀の直後、父の主治医に呼ばれ、あと、もって3ヶ月と言われた。がんだそうだ。
伯父や伯母は、「お父さんはお母さんが大好きだから、追いかけていくのだろうね」と言った。
だがそれは違うと思う。
あれは、母が連れて行くのだ。
後遺症で、一生寝たきりであろう父を、母が連れて行くのだ。
子供に迷惑をかけぬよう、連れて行くのだ。
こんなことを思えば、他人は私の思い込みだと言うだろう。だが、私はそう思う。母の、あのひとの性格を考えれば、どうしてもそんな気がしてならない。
「しょうがない、連れて行くか」
母の、そんな溜め息交じりの声が聴こえたような気がした。

今はまだ、どこか実感が薄くて、そしておそらく、どうにもならないほどの寂しさに、いずれ襲われるのだろう。

そんなわけで、今しばらく、日記はお休みします。

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