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■ 2008年03月25日(火) 花を愛で仏を拝み書を読み茶を頂く。 <画像あり>
一言で言うなれば至福。
てなワケで本日よりスタートの「平城遷都一三〇〇年記念 国宝薬師寺展」に行って参りました。場所は上野・東京国立博物館。 この時期、上野と言ったら花見ですわな。都内随一の花見のメッカですもの(次点で千鳥ヶ淵?)。ソメイヨシノはまだ5分咲きといったところでしたが、早くも缶ビールがいっぱい入ったビニール袋なんぞをぶら下げてる人とかいました。昨日はちょっと天気悪かったし肌寒かったけど、今日はあったかいもんね。
上野駅公園口を出て上野公園に入り、右へ折れると東博方面ですが、今日はまず左へ。前に頂けなかった上野東照宮の御朱印をゲットすべく、東照宮へ向かいます。 参道には既に屋台が並んでいて、おでんとか食べてる人もいました。私はそーゆーのは無視して参拝を済ませ(拝観はしません)、授与所で書き置きの御朱印を無事ゲット。
それから本日のメイン・東博の薬師寺展へ向かいます。チケットは金曜に池袋のチケットショップで入手済み。東博前の横断歩道でチケットを財布から出し、そのまま正門でチケットを提示。 私の前に入って行ったおじさんが、チケットをチェックしてる係員さんに「混んでる?」と訊いてました。係員さんの答えは「入場制限はしていません」。えー制限するかしないかを云々するような状況なの? それはちょっと嫌だなぁ、と思ったけど、別に混んでませんでした(・∀・)
今回の展示のメインが、国宝の日光・月光菩薩立像。その手前の展示室に、同じく国宝の聖観音菩薩立像(東院堂本尊)が展示されてました。白鳳期か奈良時代(7世紀か8世紀)の作だそうですが、実にお綺麗です。ああドキドキしちゃう。仏像見て血圧上がるって変ですかそうですか。だってコレ、和辻哲郎が「古寺巡礼」で絶賛してた観音様でしょ? 聖観音の横からスロープを上がり、次の展示室へ。変わった造りだな、と思ったら、次のメインの日光月光はまずスロープから眺めるようになってるんですね! 何しろ3mを超えるお像ですから、下から見上げるのも迫力あっていいけど、高いところから正面に見られるってのはなかなかいい趣向かも。
スロープからしばし両菩薩像を眺めている間、隣で見ていた若い女3人組がド素人丸出しの会話を繰り広げてました。 「どうやって運ぶのかな?」 「船じゃない? 船が一番振動とか少なそう」 「あー船ね」 日通のトラックだよwwwww 奈良から船に乗せるのが大変じゃねーか。 「(日光と月光の)何処が違うのか全然判んない」 「絶対どっかに太陽と月のモチーフがあると思うんだけど」 絶対かw ごめんコレにはないわwww 「あ、足の開き方がこっち(月光)の方が大きいよ」 「あー成程ねー」 そんな大きな違いかソレ? そんな違いでいいなら、左右が対称的に造形されてるだけでもういいジャマイカ。
その先は本薬師寺(平城遷都前、藤原京にあった薬師寺)の瓦とか塑像のカケラとか壺とか経典なんかが並び、最後に国宝吉祥天像。吉祥天という女神の絵ですね。軸かと思ってたら額装されてました。しかも思ったより全然小さい。でも奈良時代に描かれたものがこれだけ綺麗に残ってるってのは凄いですね。ぶっちゃけで言えば、お顔は現代的嗜好で見ると美人じゃないですが、でも絵としてはすごく綺麗です。ええ。
ミュージアムショップでクリアファイルをひとつだけ買いました。初日だから坊さんがいて図録に御朱印とかしてくんないかなーとか思ってたけど、やってないから図録は買わず。だって重たい。 御朱印はやってなかったけど、お坊さんはいました。階段を下りたロビーに、「薬師寺展」と書かれたIDカードのような物を下げ、煌びやかな袈裟を身に着けたお坊さん2名(うち1名はそこまで派手でもなかった)とスーツの男性1名。階段のすぐ脇に立って何事か話をしつつ、観覧を終えて帰る客に「ありがとうございました」と声を掛けています。 その3人組に私の後ろにいたおじさん(とおじいさんの間くらいの人)が声を掛けました。 「本尊以外見る物ないね!」 本尊とはどれを差すのだろう。東院堂本尊の聖観音? 吉祥悔過本尊の吉祥天像? 慈恩会本尊の慈恩大師像? 日光月光は本尊じゃないし〜。 ・・・・・・・・・・・でもきっと日光月光なんだろーな。うん、ごめん、私も思ったより内容薄いと思った。それを関係者に直接言っちゃう神経の図太さに脱帽。 仏像期待して行くと、数的に期待はずれです。質的には立派なものです。多分、このおじさんもそーゆー感じなんだと思う。きっと。
仏像分が足りないのなら、行くところはただひとつ! 薬師寺展が行われている平成館を出、目指すは法隆寺宝物館です。東博に来たら拝まずにはいられないマイ心の守り本尊・法隆寺献納宝物178号の観音菩薩立像を拝むためです。仏像分が足りてても行きます。 法隆寺宝物館の前、表慶館の裏に、枝垂桜が綺麗に咲いてました。芽吹いた柳の緑とのコントラストが綺麗。人も殆どいないから、思う存分花を堪能出来ました。展示室も貸し切りに近い状態。ビバ常設展示(しかも奥地)。 あ、本館の常設展でも仏像分は補えると思いますよ。大きい仏像がお好きな方は、寧ろ本館のが宜しいかと。
東博を出て上野駅から山手線に乗り秋葉原へ。総武線に乗り換えて御茶ノ水で下車。坂を下りて(日大歯学部が卒業式で袴着た女学生がいっぱいいました)目指すは書店街。ちょっと欲しい本があったのです(でも広島では見つからなかった)。 三省堂でお目当ての専門外学術系雑誌を無事発見し購入。それ持って書泉グランデ裏のTAKANO(紅茶好きには有名なお店)に行き、ヌワラエリアとスコーン(ジャム2種類とクロテッドクリーム付き)でお茶。買ってきた雑誌に目を通しながらスコーンを喰らい美味い茶をすする贅沢よ! あたし超優雅!!
そんな文化的一日でした。
満開のソメイヨシノを愛でることなく、明日広島へ戻ります。
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・過去の「今日」。
2005年03月25日(金) 水が出る! 土を盛る! 2004年03月25日(木) 瀬戸内の空気 2003年03月25日(火) 雨の夜
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