琴 星 商 事 日 乗
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2006年05月28日(日)
  千二百年の歴史 <画像あり>

 眠れない日々を送りながらも、今日は早起きして瀬戸大橋を渡りました。目指すは讃岐国多度郡屏風浦。現在の香川県善通寺市です。今年は善通寺創建千二百年。4月29日から6月15日まで創建千二百年祭が行われています。それに伴い興味深いイベントがいくつかあったので、わざわざ出向いた次第。

 朝7時過ぎに家を出て、善通寺に着いたのは10時。流石四国札所、この時間でも駐車場は満車に近い状態です。
 善通寺は真言宗善通寺派の総本山。弘法大師空海が生まれた所、即ち「弘法大師御誕生所」として高野山・東寺と共に「大師三霊跡」のひとつに数えられています。少し変わっているのが、境内が二手に分かれていること。駐車場は境内の裏手にあり、大師堂から参拝したんですが、本堂が見つからずに焦りました。大師堂があるのが「誕生院」とも呼ばれる「西院」。空海誕生の地に建てられたという境内です。その西院にある納経所の脇に仁王門があり、その門から外へ出て観智院と華蔵院の間を抜けた所にあるのが「東院」の境内。本堂や五重塔はこちらにありました。

 で、まず最初にお参りした西院の大師堂(御影堂)ではイベント三昧。堂内でチケットを購入し、まずは戒壇巡りへ。戒壇巡りは信濃善光寺をはじめ何ヶ所かでやったことがあるんですが、ここ善通寺が一番暗かった気がします。勿論善光寺とかも真っ暗だったんですが、善光寺で戒壇巡りをしたのは前立本尊御開帳の時だったんで物凄い人出だったんですよね。だから戒壇巡りも凄い人で、後ろの見知らぬおばちゃんが時々つかまってくるような状態で「一人」になりきれなかった感があり。今回は戒壇巡りには余り人が来ておらず、前を歩く人が急に立ち止まったみたいで1回ぶつかっただけ(笑)で、あとは暗闇を一人、左手で壁に触れ、その感触を頼りに「南無大師遍照金剛」と唱えながら歩きました。

 それから堂内奥で特別御開帳中の「瞬目大師像」を拝観。これは昨年夏に福屋八丁堀本店で開催された「善通寺展」で出開帳された「御影堂秘仏本尊」です。今回は堂内での開帳だから普通に壁面に掛けられているんだと思ってたんですが、何と堂内で立派な展示ケースに入っていました。しかもきちんと内陣の奥にケースがあるから、遠い・・・。この距離で見てると、瞬きくらいしたよーに見えるかもしんない。うん、福屋で見た時のが全然近くで拝めたわ。そのあと、またしても錫杖頭(但し今回は国宝ではない)で御加持して下さいました。基本的に善通寺のお坊さんたちは物腰が柔らかで丁寧な印象です。「御参拝有難うございます」とか「お気を付けて」とか言って下さいます。

 続いて宝物館で開催中の「密教のほとけ−曼荼羅・仏像・仏画−」展を見学。中でも高松・円成庵の秘仏・六字明王立像は国内唯一と言われる珍しい仏様(しかも秘仏)。2m近い長身に、右膝を後ろへ折って左で片足立ちした見たこともないお姿。いや、これだけでも見に来た価値あったよ。

 西院の境内ではボランティアの方々がさぬきうどんのサービス。所謂「おふるまい」ってヤツですね。本来はお遍路さんに対しての「おふるまい」ですが、私たち含めお遍路さんでない参拝客もお相伴に与らせていただきました。うん、はっきり言って去年お金払って食べた讃岐うどんよりこっちのが美味しいぞw

 それから東院へ行き、本堂(金堂)を参拝。御本尊は大きな薬師如来です。お堂の前では人々に「みーちゃん」「みーこ」と呼ばれる猫が我が物顔に毛繕いしたり水を飲んだりしていました。


左・大師堂(御影堂)、右・本堂(金堂)。真ん中が本堂前に佇むみーちゃん。

 さてさて。東院のメインイベントは、五重塔の初層・第二層特別公開。普段は外から眺めることしか出来ない五重塔の中に入れるとあっては、そりゃあ行くでしょう。人が並んでるけど、並ぶの大嫌いだけど、でも並びますよ!
 しばらく待ってやっと入った五重塔。初層には阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就の4体の如来像が祀られているんですが、この特別公開の見所は仏様より寧ろ塔そのもの。初層では心柱の根元を見ることが出来るんですが、何と心柱、礎石から6cm浮いてるんですよ。心柱は五層目から鎖で吊り下げられていて、地震の時には振り子の役割を果たしているんだそうです。江戸〜明治に渡って建てられた五重塔にこの免震構造。へーへー凄い凄い。懸垂工法と言うそうです。
 第二層へは急な階段(ハシゴみたいなヤツ)を登ります。ここには特に何もなく、上を見ると塔の天辺の方まで内部構造が見えます。へーへー、塔の構造ってこうなってんだー。外にも出られたので高いところから金堂を撮影。なかなかこんなアングルじゃ撮れません。
 いやいや、この塔の内部を見れただけでも、ここまで来た甲斐があったというものです。

 お昼を挟んで、札所76番の金倉寺にも参拝し、続いて高松にある香川県立歴史博物館へ。ここで本日まで開催されているのが「創建1200年 空海誕生の地 善通寺」展。これを見るために今日無理して四国に渡ったんですよ(善通寺だけなら6月でも良かった)。

 展示物には弘法大師の筆とされる国宝「聾瞽指帰(ろうこしいき)」とか快慶作の金剛薩埵坐像(重文)とかもあり、なかなか見応えのあるものでした。福屋で御加持に使われてた国宝の金銅錫杖頭(伝弘法大師請来)も今日はケースの中。福屋では殆ど「観る」ことは出来ませんでしたが、今日は細かい細工までじっくり観てきました。
 特別展の観覧券だけでは常設展は見られなかったのに、「善通寺」展とその横の「弘法大師空海の生涯と事績」の展示(ここだけ見られた)で1時間くらいかかりました。それでも閉館時間ギリギリ。


左、五重塔第二層の外から見た金堂。右、香川県立歴史博物館。

 帰りは高松のドンキに寄ってきました。お化け屋敷が併設されてるドンキは初めて見たよ。
 そんなわけで充実した一日でした。今日は疲れて寝られるかな〜。


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・過去の「今日」。

2005年05月28日(土) 大阪→(多賀経由)→東京 <画像あり>
2004年05月28日(金) 家守

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