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■ 2006年04月29日(土) あしながおじさんにはなれないけど <画像あり>
うちの母の両親(即ち私の祖父母)は、二人とも母が義務教育を終える前に癌で亡くなっている。母が中2の時に祖父が亡くなり、母と母の双子の兄は東京タワーの近くに住んでいた伯父に引き取られたそうだ。伯父の家は小さい会社を営んでおり、そのため母は普通科ではなく商業科の高校へ進学し、卒業後はその会社を手伝っていた。 「本当は普通科に行きたかったけど、そんな我儘は言えなかった」 あなたは自由に自分の進路を決められるんだから、恵まれているのよ。母は、そう言いたかったんだと思う。
そんな母は昔から「あしなが学生募金」で街頭に立つ少年少女たちを見ると、少額ながらも必ず募金をしていた。理由は何であれ、親を亡くしたが故に学校に行くのが困難な子。街頭に立つあの子たちに、そしてその背後にいる善意を待つ大勢の子たちに、母は昔の自分を重ねていたのだと思う。
今日広島へ行くと、市民球場近くの交差点で募金を呼びかける声が聞こえた。セーラー服にブレザー、様々な制服姿で並んだ女の子たち。あしなが学生募金だ。 実は先日、呉そごうの前でも見かけたのだけど、後ろ髪を引かれつつ素通りしてしまった。でも今日は、ほんの少しだけれど募金箱にお金を入れた。 「ありがとうございます!」 そう元気な声で御礼を述べてくれた彼女たちのあしながおじさんにはなれないけれど、それでもこういうお金が積もり積もって彼女たちの「学ぶ」ためのお金になれば。母のように「親がいないから」と自由に進路を選べない子が減れば、母も祖父母も喜ぶだろう、と思う。
あしなが学生募金を見ると、いつだって母を思い出すのだ。
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・過去の「今日」。
2005年04月29日(金) 出雲路紀行1 <画像あり> 2003年04月29日(火) 20ン年ぶりの会話
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