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■ 2004年11月03日(水) 信濃路・秋 <画像あり>
日帰りで諏訪まで行ってきました。勿論、目的は諏訪大社参拝。諏訪信仰は自分の専門にかなり直球なんですが、扱っていたのが御当地での信仰ではなく余所での信仰だったので、諏訪に来るのは人生で僅か3度目。その3度とも諏訪大社には訪れていますが、全4社廻るのは今回が初めてです。 諏訪大社。信濃国一宮。その社は、上社の前宮・本宮、下社の春宮・秋宮の4社に分かれています。狩猟神・風神・水神など多用な性格を併せ持つ神ですが、古い祭祀はかなり失われてしまっています。まあそんなことはともかく、まずは下社秋宮へ。 下社の神様は、この時期、秋宮におられます。その所為だと思うんですが、境内は七五三の家族連れでいっぱい。着物の子、袴の子、ブレザーの子、ワンピースの子。お母さんは比較的ピンクの訪問着が多かったような。大人は我が子・我が孫の晴れ舞台と息巻いてるんでしょうが、当の子供は疲れちゃうんですよね、このイベント。しかし、こんなに人がいる諏訪大社は初めて来たよ。この時期の大きな神社は何処もそうなんでしょうけど。 続いて春宮へ。こちらは現在、神様がお留守(2月〜7月にはおられます)。参拝客も少なく、良い雰囲気の杜でした。空気がピンと張っているのは、秋の所為か神気の所為か将亦フィトンチットの成せる技か。
下社を後にし、上社本宮へ向かいます。上社本宮は何しろ「本宮」。諏訪大社の中心です。こちらも秋宮に負けず劣らず凄い人出。垣や回廊を廻らせた境内をぐるりと周りましたが、人が多いのは中心となる拝殿(諏訪社に本殿はありません)附近だけで、奥の方はいつも通りの光景。一之柱の周辺には人集りでしたが、奥にある二之柱には誰もいませんでした。三之柱・四之柱は山の中。見て見れなくはない筈ですが、私も見に行ったことはありません。 ついでに近くを散策し、「小宮の御柱」を見てきました。今年は申年、御柱祭の年に当たり、9〜10月にかけて、屋敷神のような小さなお社のミニ御柱も新しい物に替えられます。ムラの鎮守や庚申塚にも小振りの御柱が立っているのが、諏訪という地域です。ちなみに、ミニ御柱を立てる時も御柱祭を執り行うようです。勿論、ミニ御柱祭。諏訪出身の友人は、子供の頃、柱に乗ったらしいです。ミニ里曳き。 最後に上社前宮。ここが諏訪信仰発祥の地らしいです。元は大祝(諏訪の生き神さま)の住まいである神殿(ごうどの)や関連する建物が軒を並べていたらしいのですが、現在は祭祀に必要な建物しか残っていません。杖突街道に面した鳥居から坂道を上り、やがて到底旧官幣大社とは思えない、さながら「鎮守の杜」のようなお社が現れます。傍らには豊富な水量の小川が流れ、森を背負い、高台の広場に建つお社。これが信濃国一宮。全国1万の諏訪社総本宮。
諏訪社の参拝を終え、折角の信濃路ですから、昼にはお蕎麦を食したいと思います。諏訪出身の友人に「美味しい蕎麦屋知らない?」とメールして、ビーナスライン沿いのお蕎麦屋さんを教えてもらいました。同級生が店長なんだってさ。「じゃあツケが利くね」と言ったら「ツケっておまえわ(笑)!」と怒られたので、ツケはやめましたw 結構混んでて、上社前宮二之柱かなんかの「めどてこ」がありました。「めどてこ」は木落としの時に御柱の先に付いてて、人がいっぱい乗ってる棒ね。2本、ツノみたいに付いてるヤツ。つまり、上の写真の御柱に付いてた「めどてこ」です。ちなみに下社には「めどてこ」がないそうですが、理由は判らないとか。 それからその友人の実家が経営するお土産物屋さんへ行きました。店内を物色してたら、その間に友人がお父上に連絡したらしく、お父上が出てきてちょっとだけまけて下さいました(笑)。 場所は、国宝「縄文のビーナス」(※土偶)発掘地点の近くだそうです。友人はその発掘地点のすぐ傍を毎日のように通っていたらしく、掘らなかったことを大層後悔しておりました。
さて、次に行く場所をあれこれ検討し、上諏訪の唐沢阿弥陀寺に決定。選んだ理由は場所だけで、どんなお寺か全く知らなかったのだけど、着いてびっくり。紅葉の名所です。まさに今が盛り。赤と黄色のグラデーションに、常緑樹の緑、岩(霧ヶ峰の溶岩流だって)。駐車場前の嶽門(たけもん)から本堂まで続く急坂は色の洪水です。建築物は約10年前の火災によって全て焼失したらしく、古そうな本堂は善光寺大本願の旧本誓殿(本堂)を移築したものだそうです。これも明治後期の建築で、菊の御紋が付いてることくらいしか見るものがない気がしますが、紅葉だけでお釣りが来ます。あと、鐘楼の鐘は自由に撞けます。久々に撞いてみました(笑)。 庫裡の前からは諏訪湖も見えました。でも個人的には、諏訪湖を見るなら深緑の季節がいいかな、と。紅葉に遠景は似合わない気がする。
全て阿弥陀寺にて。紅葉まっさかり。 帰りは渋滞に巻き込まれつつ、帰京しました。これだけ秋を満喫したのは久しぶり。こんなにも紅葉が狩れるとは思ってませんでした。御陰様で画像が重たいです(スミマセン)。
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・過去の「今日」。
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