無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2007年01月02日(火) 寝正月でもマンガは読む/『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』5巻(阿部川キネコ)

 連日、しげ。は先般行われた「イッセー尾形(抜き)ワークショップ・福岡夜市」公演のビデオテープの編集に追われている。

 なんだか一度データが吹っ飛んだとかで、一からやり直し、パソコンの前で悪戦苦闘を繰り返している。
 その関係で、家事はもっぱら私の仕事となる。
 日頃、しげ。自身が家事なんてろくにやりゃしないのに、こういう時は私にお鉢が回ってくるのだ。
 全く不公平な話だと思うが、こちらはパソコンでの映像編集なんてろくろくできないので仕方がないのである。

 昨日も雑煮を作ったのだが、うっかり餅を溶かしてしまったので、今日は餅はなし。
 鶏肉にちくわ、小エビ、ほうれん草、白菜、えのきという、正月の雑煮と言うよりはただのごった煮汁だけれど、これ、全部しげ。の好物をぶち込んだだけなのだ。
 もともと好き嫌いの激しいしげ。は餅は入れても食べようとしない。
 鶏の味の染みたつゆで、餅なしのほうがその味も生きるようなので、どんぶり二杯をペロリと平らげた。
 ……人に作ってもらう飯は美味いよな、と横目で見る。

 しげ。がそんな調子なので、今日はお出かけもなし。
 映画ぐらいには行きたいと思ったが、こちらも多少疲れが溜まっていたようで、寝起きがよくない。横になるとすぐに眠くなる。
 もともと親戚づきあいもしないので、年始周りやらお年玉やらと、散財しなきゃならない義理もない。
 寝正月を決め込むことにして、テレビQの『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』をダラダラと見る。

 赤穂事件の首謀者は、実は浅野内匠頭の未亡人・瑤泉院であったとする異色作、というのが売りだけれども、ドラマの作り方自体に何か変化球があるわけではない。
 タイトルで語られるほど瑤泉院が権謀術数を駆使するというほどでもない。主演の稲森いずみは美人だけれども、大河『義経』に出演した時ほどに魅力は感じられなかった。
 大石が北大路欣也で、柳沢が高橋英樹じゃ、所詮は一昔前の大仰な時代劇で、知的な雰囲気なんて流れようもないのである。


 続けて、DVDで買ったばかりの『ラブ★コン』を見る。
 身長159センチの男の子と、身長170センチの女の子の凸凹コンビのドタバタラブコメ、であるが、原作にないいかれたギャグに私もしげ。もすっかりやられてしまって、DVDまで買うことになった。
 落ち着いてテレビで見ると、やはり原作依拠のラブコメ部分が他愛なさ過ぎて、見ていてつらい。やはり南海キャンディーズやオール阪神巨人を始め、田中要次や温水洋一、畑正憲ら、原作に登場しないキャラクターたちの怪演がたいして盛り上がりのない恋愛ドラマに緩急を付けてくれているのである。

 特に、温水洋一は本編で原作を「甘っちょろい恋愛話」と切って捨てるなど、原作ファンが激怒しそうなセリフを連発してくれただけでなく、特典映像のミニドラマにまで出演して掉尾を飾ってくれた。
 封入パンフレットにカレンダーが付いていて、6月9日が「胸キュンの日」となっていた。冗談かと思っていたら、これ、わざわざ日本記念日協会に申請して、本当に認定を受けているんだそうだ。別に休日になるのでないなら、なんでもありなんだね。

 
 マンガ『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』5巻(阿部川キネコ)

 名ドキッさ(誤変換ですが面白かったのでそのままにしときます。「メイド喫茶」ね)にまだ一度も行ったことがありませんが、一般人もちょろっと覗いてるようだと聞くと、かえって今更行ってもねー、と興味をなくして下りますフジワラです(笑)。

 さて、このマンガについて語り出せばまたキリがないので、どうしたらいいのか迷ってると言うか、正月早々なんてマンガを読んでるんだと言われそうだけれども、実際、これは「コミックGUM」を毎月買って、その都度寸評した方がいいかもという気さえしてしまうくらい、『げんしけん』なきあとの現代オタク事情活写マンガとして貴重な存在だよなあとしみじみ泣き笑いつつ(ある意味泣けるのよこれ)はまりこんで読んでるのである。

 そうかー、今時はもう、年代が上がってきてるから、あの手の方々は「腐女子」じゃなくて「貴腐人」や「主腐」になってるのだね(笑)。
ちなみに「貴腐」とは、「白ワイン用品種のブドウが、果皮へのボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea) という菌(カビ)の感染によって糖度が高まり、芳香を持つ現象」のことで、貴腐ブドウから造られたワイン「貴腐ワイン」は腐敗したように見える外見からは想像できないような極甘口なデザートワインとして珍重されているそうな。 オタク女子の自称としてはちょっとよ過ぎるんじゃないかと思うけどねー。謙遜も自嘲もしてないじゃん。
どの程度世間に浸透してるのかと思ってGoogle検索してみたけど……。浸透してるよ、おい(苦笑)。
 まあ、アキバ系の男子も「A-BOY」とか言ってるイタさとどっこいどっこいじゃあるんだろうけど。呼称をどう変えようがイタイもんはイタイ。

 そういったオタクのイタさと、それを自覚しつつもその冥府魔道から逃れられない煩悶と諦観と開き直り(笑)ぶりを描いたマンガがどれだけ長続きするものだろうかと思っていたけれども、なんと7巻までは続いてしまうそうな。
 描かれたネタが全部分かるオタクばかりが読んでるとは思えないし、それだけ売れているということは、一般人もある程度は読んでるんだろーねー。ネタなんてよく分からなくても、「今時のオタクってどんなの?」とかいう興味なんだろうか。実際、どういう感想を抱くのか聞いてみたいもんだ。
 いやね、一応、恋愛要素はあるし、一般人の興味もあるようなら、ドラマ化してもいいんじゃないかと思うんだけど、どうだろね? そんときゃ、牧ちゃんには戸田恵理香をお願いしたい(←単にコスプレが見たいだけだな)。

 まあ、実際にはドラマ化したらドラマ化したで、オタクの監修が入らないとかなりイタイものになるとは思うけれどもね。
 確かに、オタクの浸透と拡散は既に一つの社会現象であって、例えば「萌え」なんて単語は、アクセントが一般人とオタクとで多少の差異はあっても、ほぼ共通認識を得られた言葉になってはいる。マンガのように、「アクセントは『え』にあるんだよ!」こうなるとと叫ぶ必要はないと思いはするのだ。
 けれども、具体的なネタは全て現在進行形なもので、これからドラマ化したら既に「種ガン」ネタは使えないし、そもそも版権の関係でドラマ化は殆ど無理だってことは分かるんだけどね。

 けれども、いかにオタク的なものが表面では浸透していようと、一般人との間に絶対的な「壁」は存在するのだ。いや、その「壁」を感じるからこそ、濃いか薄いかの個人差はあっても、自分が紛れもなくオタクであることの認識が可能になるのである。
 「そうだよ私は『ドオタク』だよ!」と叫ばなければならない煩悶もまたこのマンガには描かれているので、それがこのマンガが「オタクの考現学」としてもっと評価されていいと思う理由なのである。

 個人的にはコスプレイヤーの牧ちゃんが、バン・ボグートになってるコマがあったので「へええ」と感心してしまった。ホントにそんなことしてるやつがいるかどうかは知らないけど、趣味が実にいいよね♪

 あと、「オタク映画」の基本として、『未来世紀ブラジル』『シベリア超特急』『戦艦ポチョムキン』『やぶにらみの暴君』とかが紹介されてたけど、こんなのは私でも持ってる基本中の基本映画なので(作中、新寺ははっきりと「基本」と言っている)、そこの一般人の自称映画ファン、年間に50本程度映画を見に行ってる程度で「オレ、結構映画好きなんすよ、オタクっスかねえ」とか笑って言うな。首もぐぞ。

2003年01月02日(木) 仕事なんぞしたくもないわ/『しゃべくり探偵の四季』(黒崎緑)/『<映画の見方>がわかる本』(町山智浩)ほか
2002年01月02日(水) オタアミビデオと平成生まれと夜のドライブと/『ナジカ電撃作戦』FINAL MISSION/『名探偵ポワロ 白昼の悪魔』ほか
2001年01月02日(火) 眠い一日/ドラマ『不思議の国のアリス』ほか



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