無責任賛歌
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2005年01月25日(火) |
げほぐほがほ/『第4回日本オタク大賞』後編ほか |
「めぐみ」からのメールがまた来やがったぞ。しかもまたURLを変えてだ。 ……あのね、そんなに精子がほしいならね、ネットでエッチの相手を探さなくても、病院に相談すればいくらでも手段を教えてくれますよ(+_+)。
体調もとに戻らず、仕事休んで病院に行く。薬もらって一日寝て過ごす。 DVDレコーダーの修理ができたとの連絡が入ったのですぐに持ってきてもらう。一応調子はよくなったようだが、保証書をなくしていたので、ちょいと費用がかかった。悔しいがいたし方がない。 夜、父から気分のよくない電話あり。親戚から1300万円貸してくれと頼まれたというのだ。しかもなんでそんな借金ができたのかは教えないというのだ。「そんな申し出は断って、親戚と縁を切れ」と返事する。 箇条書き的な文章で素っ気がなくて申し訳ないが、疲れているのである。諒とせられよ。
DVD『じゃりン子チエ』(劇場版)。 「ジブリがいっぱいコレクション」からこれまで出るとはちょいとビックリ。高畑勲監督の隠れた名作であるが、別に公開当初は全然隠れちゃいなかった。「えっ、高畑監督、『チエ』の監督もしてたの?」と驚く若い人も多いが、単にモノシラズなだけである。でも、1981年製作ということはもう24年も前の作品である。私なんぞ、劇場公開時、いきなりゲタが『スター・ウォーズ』のスター・デストロイヤーのように飛んでくるオープニングに場内が大爆笑していたのを昨日のことのようにはっきり思い出せるというのに。昭和は遠くなりにけりというか、『チエ』の世界は81年よりもさらに10年くらいは昔の感覚だから、今の人が見てどれくらい共感できるものか。 しかし話題作りのためとは言え、声の出演に非声優、関西喜劇人をこれだけ使ってしかもほぼ成功していると言える作品は珍しい。 中山千夏(チエ)、西川のりお(テツ)、上方よしお(ミツル)、芦屋雁之助(社長)、三林京子(ヨシ江)、京唄子(おバァ)、鳳啓助(おジィ)、桂三枝(花井渉)、笑福亭仁鶴(花井拳骨)、島田紳助(マサル)、松本竜介(シゲオ)、オール阪神・巨人(テツの仲間)、ザ・ぼんち(カルメラ兄弟)、横山やすし(アントニオ/アントニオ・ジュニア)、西川きよし(小鉄)。……名前を並べたのを見てるだけでもクラクラしてきそうだ。この映画を見たことない人、ちょっと見たくなりませんか? 紳助・竜介のように、小学生の声をアテさせていてムリなものもあったが、総じて漫才師たちの「声の演技」がいかにハイレベルかを証明してくれたという点でも貴重なアニメなのである。……しかしもう3人も亡くなった方がいらっしゃるんだと思うとそぞろ寂しい。 この劇場版が好評を博して、テレビ版でも中山千夏、のりお・よしおは続いて起用された。西川のりおは本職の漫才よりテツの演技で歴史に残ると言ってもいいくらい堂に入った演技である。オープニングでウグイスが「ホーホケキョ」と鳴いているのも声アテは西川のりおだけれど、これは当時の彼の持ちネタ。こういうことも今の若い人には解説しないと分かんないね。同様に分かりにくくなってるネタは、オール阪神演じるテツの友達が、テツに殴られて「キタロー!」と叫ぶシーン。これも阪神の当時の持ちネタだった「鬼太郎の親父の声マネ」なんだけど、それを知らないとてっきり田ノ中勇さんが出演していると錯覚するかもしれない。
MONDO21で、『第4回日本オタク大賞』。 後半の盛りあがりはやっぱり『DEVILMAN』に『ゴジラ FINAL WARS』になるか(^o^)。 どうして『DEVILMAN』があそこまでひどい映画になったか、裏事情もいろいろ語られていたけれども、「那須博之監督は社長とゴルフ仲間で、その関係で監督に起用された」とか「もともと監督は肉体アクション映画として作る予定だったのが、東映アニメーションが『俺たちも参加させろ』と横ヤリを入れてきたので製作現場がゴタゴタした」とか、そう聞いても「それだけかよあの映画の問題は」と思ってしまう。 こないだ、大学センター試験の国語問題が、第一学習社の教科書に載ってた大岡信の文章と全く同じだった、という事件の時にも思ったことだが、一つの作業にそれこそ数え切れないほどの人間が関係しているというのに、「誰も何とかできなかったのか」と腹立たしくなる。何ともできなかったんだろうけれども。 はっきり言うが、センター試験だって、200人以上の人間が問題をチェックしているのである。それで「気付かなかった」なんてことがあるわきゃないんで、結局「チェックなんかしなかった」やつ、「ミスには気付いたけど、“そのことを指摘すると内部で誰かが責任を取らなきゃならなくなる”と思って見逃した」やつがいるはずなのである。外部に指摘されて問題化するよりゃいいだろう、と仰る人は、「組織」というものを知らない人だ。外部からの指摘なら、責任の所在をウヤムヤにして誰も処分されないですむ可能性の方が高いのよ(-_-;)。 『DEVILMAN』の場合も、脚本が何人もの人間を経て改稿されまくったそうだが、それでできたのがアレなら、途中で「もうオレは知らんもんね」とみんなで投げまくったのだと判断するしかない。那須博之監督、現在どんな心境でいることか。 『ゴジラ FINAL WARS』についてはドリー・尾崎氏の「北村龍平殺したらあ」発言で大いに溜飲が下がる。いや、実際、アレの監督が北村龍平で、余計なことさえ言わなければ誰もあの映画に腹立てやしないのだ。ゴジラファンはもう30年も昔からゴジラの「いじめる?」も「シェー」も「幸せだなあ」もその他もろもろの眼も当てられない映画を許してきたのである。それを考えれば、『FINAL WARS』は面白い部類に充分入る。けれど、あれを「ハリウッド映画に比肩する大作」なんて監督が嘯いてるから「ふざけんなボケ」ということになるのである。あまつさえ、ドリー氏の「なぜジェット・ジャガーが出ないんですか?」の質問に対して「オレの映画の世界観に合わないから」とはなんだ。ジェット・ジャガーだってメガロだってショッキラスだって大ダコだって出て全然おかしくないだろうがよ。『怪獣総進撃』のリメイクなら、ちゃんとバランもバラゴンもファイヤードラゴンも出してやれよ。つか、敵が宇宙人ならどうしてドゴラが出ないんだよ。 間違っちゃいけないが、『FINAL WARS』は分別のあるいい大人が見る映画じゃない。『冬ソナ』見てヨン様ヨン様言ってるおばはんとか『セカチュー』→『イマアイ』→『東京タワー』と流れていってるような恋愛中毒症とは縁もゆかりもない映画である。あれを楽しめるのは、「怪獣だいすき!」な子供か、大人になっても幼児性引きずってる馬鹿なオタクだけである。「大人の鑑賞にも堪えうる」なんて口が裂けても言うつもりはない。私は「幼児性」の部分であれを大いに楽しんだのだ。だから、普通の大人にあれを勧めようとはこれっぽっちも思わない。北村龍平はもっともっと叩かれなきゃいけないと思う。自分の資質が「大人の映画」には全く向いていないことを知って、その上で堂々と「子供向け映画」を作れば、誰も文句は言わなくなると思う。 ……おっと、やっぱりこの手のオタクネタになると、ついうっかりムダ話が増えちゃうなあ。あとは賞の結果にだけ触れとこうと思うけれども、唐沢俊一さんが個人賞で『ベルヴィル・ランデブー』を挙げておられたことには狂喜してしまったが、「一部のマニアには『これはすごい』と評判」とか「私しか賞を挙げようという人はいないだろうから」と仰っていたのにはフクザツな心境。そうなんだよなあ、本当に“一部”の人間しか評価しようとしてないんだよなあ。いくら私が「あれは面白いぞ!」と言っても、私の周りは殆ど無反応。「それ、なに?」ってなものである。オタクの浸透と拡散がいくら進んでいるとは言っても、「自分の見知っている範囲のものしか面白いと思わない」偏狭な態度はいくらなんでも悲しすぎる。もちっとみんな映画見ようよ(+_;)。 ちなみに、『オタク大賞』では「フランス映画だけれど、製作は殆どカナダで行われた」とコメントされてましたが、正確にはオーストラリアです。シルヴァン・ショメ監督本人が広島アニメフェスティバルでそう言ってたので。 大賞の「擬人化ブーム」については、かなり昔からありはしたけれども、昨年はそれが一般化した、ということ。鶴岡法斎氏が「“鉄道”“擬人化”でググってみてくださいよ、すごいものが見られますから!」と仰っていたが、確かに(^_^;)。 ……このあたりはまだおとなしい方かな。→ http://rail-g.net/rail-g/rail-g.html 「びんちょうタン」をその代表に、と言われると「ええっ、そんなのが?」と首を傾げる人もいるだろうが、「ほかに大賞を挙げるものが見当たらないから」という消極的受賞だし、本当にオタクの浸透と拡散は激しいから、もうこれからは万人が納得する大賞というのはまず生まれないだろうと思われる。私にしてみれば、マンガだろうがアニメ、特撮、ゲーム、なんであろうと、そこに“SF(スコシ・フシギくらいの意味に捉えてください)”的要素が感じられないと面白くは感じないので(つか、昔のオタクはみんなそうだった)、もう「萌え」系の作品には付いていけない(と言いつつ『まほらば』見てるけど)。 『アニメージュ』と『宇宙船』の2誌を読んでる若い人だって、今は絶滅してしまってんだろうなあ(T∇T)。
『DEVILMAN』については、今週の『週刊文春』で、最低映画ワースト10「文春ラズベリー賞」の堂々1位を獲得している。まあ、全てのサイテー賞で1位は当然だろうけれど。
1 デビルマン(那須博之監督) 2 CASSHERN(紀里谷和明監督) 3 海猫(森田芳光監督) 4 ハウルの動く城(宮崎駿監督) 5 ヴィレッジ(M・ナイト・シャマラン監督) 6 ゴジラ FINAL WARS(北村龍平監督) 7 サンダーバード(ジョナサン・フレークス監督) 8 2046(ウォン・カーウァイ監督) キューティーハニー(庵野秀明監督) リディック(デヴィッド・トゥーヒー監督)
1位を除くと、映画そのものよりも、監督に対する反感のほうが強いようにも思うが(例えば『ハウル』を貶したくなる気持ちは分かるが、かと言って、「ワースト」に入れてよいかどうかということになると逆に躊躇してしまう。部分的には「世界最高の技術」と絶賛すべきところは多々あるからだ)、世間の反応はこんなものなのだろう。こういう読者投票もあまりアテになるものではなくて、そもそも国民が平均して一年に一本も映画を見ない状況では、『ハウル』しか見てなくてそれをワーストに投票した、ということも充分ありえるのである。だからたいして客が入ったわけでもないのにワーストに名を連ねている『キューティハニー』がいかに世間から嫌われていたかが分かるのだが、オタク間での映画の評価は必ずしも悪くなかったってのになあ(T∇T)。
2003年01月25日(土) 海馬って記憶中枢のことだよ/DVD『ガリバーの宇宙旅行』/『わんわん忠臣蔵』/『あずまんが大王』三年生(完結)ほか 2002年01月25日(金) 遊び倒す病人夫婦。バカである。/映画『修羅雪姫』 2001年01月25日(木) 思い出したが私は電話恐怖症だった/映画『アヴァロン』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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