無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年11月07日(日) 一面のボブ・サップ/永井豪『天空之狗』1巻

 夕べは加藤君とよしひと嬢がお泊り。練習の打ち合わせやらオタク話やらに花が咲いたが、ちょっとジェネレーションギャップを感じてしまったのは、加藤君が「『うる星やつら』、見たことないんですよ」と漏らしていたこと。ああ、20代前半だと当然そうだよなあ、とリクツでは納得できるのだが、自分が遠いところまで来てしまったような気にさせられてしまって、いささかショックではある。「平野文さんが“萌えキャラ”やってたってことですよね?」という発言にもダブルショックである。『うる星やつら』放映当時の80年代には、もちろん「萌え」なんてキーワードは存在していなかったのだが、今なら「ラムちゃん萌え〜」とか堂々と口にするやつらがいても全然おかしくはない。その事実と、まさにラムが「萌えキャラ」の元祖であったことを確認せざるをえないショックである。
 私は「萌え」という単語の表現力の薄さにかなり拒否反応を抱いていたのだが、もうたいていのオタクの間ではこれは完全に一般語化している。オタク間のディスコミュニケーションを埋める方法はないものかと日々ツラツラと考えてはいるのだが、何だか逆に城の外堀ばかり埋められているような気がしてならない。「そんな言葉使うな」とは言えんし、かと言って、「それは違うだろう」と感じている言葉を自主的に使う気にはなれない。
 今の若い世代の人たちも、次の世代の人たちが新しい言葉を使い出したら恐らくは珍妙に感じるに違いないのだから、自分たちの言葉だつて「絶対ではない」ことに気付いて、少しは「世代を越えた普遍的な言葉」がないものかどうか、考察してみるくらいのことはしてほしいものなのだが。


 朝方、寝惚けたしげが「ボブ・サップが邪魔〜」と何度も寝言を言っていた。なんだかまた変な夢を見たらしい(あとで聞いたのだが、部屋中がボブ・サップで埋め尽くされる夢だったとか。……なんじゃそりゃ)。寝言と言っても、半分目覚めちゃいるので、しげはみんなに聞こえるようにわざと口にしているのである。
 先に起きていた加藤君は、しげの寝言を聞いたことがなかったので「何言ってんだ?」とばかりに目を丸くしていたが、朝っぱらからアタマを混乱させられて、いい迷惑であったろう。半覚醒状態でしげがわけのわからぬことを口走るのはしげの「構ってほしい症候群」の表れである。私はもう聞くだに疲れて何を聞いてもリアクションを取らなくなってしまっているので、ここんとこおかしな寝言はあまり聞かなくなっていたのだが、人が増えた途端にこの始末である。自分に関わってほしいあまりに、他人を混乱に陥れようとするのは悪い癖だとそれこそ口を酸っぱくして言い続けてきたのだが、これも全然治らない。精神がハイになればなるほど、ウケ狙いのつもりでイカレた言動を繰り返すが、度を越しゃ鬱陶しいだけである。だからもちっと心のコントロールをしてほしいものなのだが、公演が日一日と近づいてきるせいもあって、そのバランスがかなり崩れてきているのだろう。ちょっとゆっくり寝かしてやんなきゃならんかなあ、とも思うのだが、今だって充分過ぎるくらいしげは寝ているのである。これ以上寝かせてたら、ほんとに「メシ食って寝る」だけの生活になってしまうので、それも困る。アタマの痛い日々はやっぱり続くのだなあ。


 しげたちが練習に出かけたあと、久しぶりに亀の水槽の掃除。
 ここ最近、バタバタと忙しくて、2週間くらい放っておいたら、中がかなり臭くなっていた。風呂場で敷き石を何度も繰り返し洗っても、匂いがまるで落ちない。小1時間かけて、どうやらこうやら水替えが終わったが、指先には亀臭ささが染み付いている。それどころか、部屋中に亀っぽい匂いが漂っているのが分かるくらいだった。
 クーラーを空気清浄に切り替えてフル回転させるが、あまり効果が上がらない。動物を飼う際、こまめな清掃は不可欠であると知っちゃいたけど、ついサボったのが災いした。一週間に一度は水替えしたいのだが、来週は来週で土曜出勤、日曜フル練習の予定なのである。時間の余裕がほしい。

 疲れて、ウトウトしていたところに、父から電話。寝惚け声で返事をしたら、「夜更かししようとや?」と勘繰られる。
 「別に?」
 「具合悪いとや」
 「そうでもないけど」
 私の要領が得ないので、父はいささか苛立ったらしく、詰問口調で「お前、今日が何の日か知っとうや」と聞いてきた。
 言われて、ああ、そうか、今日は母の命日だったな、と思い出したが、父の試すような口調が気に入らなかったので、知らんぷりを決めこんでこう言った。「何の日って?」
 「お母さんの命日やろうが」
 「それは知ってるけど何?」
 昔ながらの頑固者の父親に対して、こんなしらばっくれたような口のきき方をするもんじゃないとわかっちゃいるのだが、私も父の血を引いているので、機嫌が悪くなるとストレートに口答えしてしまうのである。もちろん、途端に「墓参りに行かんか!」とどやしつけられた。もっともである。
 父は仕事で今日は出かけられない。一人で行けということなので、練習に出かける前に菩提寺に回ることにした。何回忌というわけでもなく、特に法要が予定されているわけでもないので、線香をあげて手を合わせただけだが、盆と命日にはこうして拝んでるわけだから、たまにはこの世に化けて出て来てもいいようなものだが。
 そう言えば、ひと月くらい前に母親の夢を見た。帰りの電車の中で偶然乗り合わせたのだが、お袋は、乗客を見まわして「あれはみんなヤクザだから気をつけなさいよ」と忠告してくれたのだった。今んとこヤクザに絡まれるような事態には陥ってはいないので、特に正夢だったということはなさそうである。生前、さんざん賭け事ばかりしてたんだから、どうせならたから9時をどこで買ったら当たるかとか、そんな予言くらいしてほしいものである。

 かなり遅れたが、3時にパピオに回る。今日の参加者は、らぶきち(桜雅嬢)、加藤君、鴉丸嬢、其ノ他君、細川嬢、ハカセ(穂稀嬢)、よしひと嬢。
 とりあえず練習には参加できたのだが、ほとんどが美術や衣装の打ち合わせばかりで、役者の演技を見ることは殆どできなかった。劇中、しげが突き飛ばされてコケるシーンがあるのだが、そのコケ方にダメ出しをしたくらいである。しげにはバレエの足癖がついていて、コケたときにどうしても片足が上がるのだが、そんなコケ方をする一般人はいない(^_^;)。ともかくしげには妙な癖が付きすぎていて、それを矯正するのがひと苦労なのである。
 あと、加藤君には英語のセリフを練習するように指示。何しろいかにも日本人でござい、という発音なのである。台本にはフランス語のセリフもあって、そこの発音も矯正してあげたいのだが、そこまで詰めることができるかどうか。まあ、あえて日本語風の発音で軽い笑いを取る、という手もなくはないのだが、それはどちらかというとしげが負うべき役回りなので、ここのところは加藤君にぜひともかっこよく決めてもらいたいのである。
 演出補のよしひと嬢も来ていることでもあるし、鴉丸嬢の演技も見たかったのだが、彼女の描く衣装案がまだ間に合っておらず、芝居に参加できない。見たところ、かなりテンパッている感じで、ちょっと「危うい」雰囲気も漂っているのだが、あまりムリはしないでもらいたい。だいたいこの子も頗る美人で素材がいいのに、どういうわけだか自分に対してかなりなコンプレックスを持っていて、毎回うまくできないと思いこんでいるのである。基本は問題ないんで、他の役者とのバランスを調整するだけで充分なんだけどなあ。
 公演が近づいて来ているせいだろう、テンパってきているのは実は鴉丸嬢だけではない。今日はもともとパンフレットの案を出し合う予定になっていたはずなのに、私が「もう打ち合わせはしたの?」とその話を切り出すまで、みんな完全に失念していた。
 結局、練習時間内にパンフの打ち合わせは出来ず、ダイヤモンドシティに回って、そこのフードコートで夕食を食いながらみんなでパンフの打ち合わせをした。これも今月中にはラフをあげねばならない。やんなきゃならないことは目白押しであるから、多少テンパってくるのは仕方がないのだが、一人のヒステリーが連鎖して、メンバー全員に伝播してしまうと始末に負えなくなる。適度なガス抜きは必要なので、芝居の話抜きの飲み会とかもいいとは思うが、となると途端に私は参加できなくなるのが悲しい。下戸はどうしたって野暮ってことになるのである。

 帰宅してパソコンをやろうと思ったが、しげに取られて諦める。こうして日記の更新は少しずつ遅れていくのである。


 マンガ、永井豪『天空之狗』1巻。
 すいません、永井豪はもう「義理」で買ってます(-_-;)。『ハレンチ学園』以来、『凄ノ王』あたりまで、幼少年期をほとんど永井豪漬けで暮らしてきた身にしてみれば、現在の形骸化した永井さんのマンガを読みつづけれるのは苦痛ですらある。これも『ドロロンえん魔くん』以来の本格的“妖怪退治もの”だけど、まるでワクワクするところがない。ひょっとこやカマイタチの薀蓄は別にいいからさ、エロでもグロでも伝奇性でも、ちゃんとドラマで見せてほしいんだけどなあ。
 『ハニー』にしろ『デビルマン』にしろ、旧作のリメイクはやたらあるけれども、新作の映像化が殆ど見られないのは、やっぱり永井さんの創作力が落ちているからだ。もう一度『イヤハヤ南友』みたいな破天荒なギャグマンガ、描いてほしいんだけどなあ。


 マンガ、大島永遠『女子高生』1巻。
 先日、出張先の某所で見つけて、読んでみたくなったので買った。こういう本が置いてあるところに出入りしているなんて、私の本職はいったい何なのでしょう(^_^;)。「水泳部は垂れ流し」ネタには大笑い。女子校に限らず、共学でもそういうことってありそうな気はするが、とても同窓生の女性に「うちの高校はどうだった?」とは怖くて聞けないのである(^_^;)。

2002年11月07日(木) 吉野作造と鞍馬天狗/『トリック・ザ・コミック』(堤幸彦・蒔田光治・林誠人・西川淳)/『トラマガ』vol.2ほか
2001年11月07日(水) 暗号解読/アニメ『ヒカルの碁』第五局/「西原理恵子のご託宣ポストカード」ほか
2000年11月07日(火) 昔の映画も見よう……/『笑わない数学者』(森博嗣)



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