無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年11月05日(金) 灯台下暗しと大正デモクラシーって似てるね(c.きたろう)/『キム・ポッシブル:タイムトラベル』

 しげは今日の午前中、細川嬢と公演会場のアクロス福岡に、照明その他の打ち合わせに出かけていた。メールで「担当さんに親切にしてもらえた」旨、連絡が入っていたから、準備は上々だったのだろう。
 細川嬢には照明だけでなく、全体美術も担当して頂くことになっているので、かなり仕事の負担は大きいのだが、話に聞くところによると、デザイン方面の仕事を目指しているそうで、本格的に取り組んでくれているそうである。先日見せてもらった照明プランもなかなかのものであったし、全く頼もしい限りなのであるが、そうなるとその分欲も出てきてしまって、演出上の要求も今まで以上にしたくなる。愚痴を言うわけではないが、スタッフ不足、キャスト不足だと、必然的にあのプランも諦める、これも諦めると妥協しなきゃなんなくなることも多いので、恐る恐るではあっても「こんなこと言っても大丈夫かな?」と思える状況は嬉しいしありがたいのだ。途端に「こんな演出はどうかあんな演出はどうか」とアイデアがいろいろ浮かんでくるのだから、やはり芝居にスタッフの熱意とやる気は必要不可欠なのである。
 アクロスの担当者さんに、舞台専門の布や衣料を販売している会社があると聞いたというので、仕事帰りにしげと寄ってみる。なんと自宅から目と鼻の先、車で5分とかからぬ距離の場所にあった。てゆーか、いつも買い物してる「ポプラ」のハス向かいにあるし。「灯台下暗し」とはこのことである(~_~;)。事務所自体はもう締まっていたので、しげは「そのうち昼間覗いてみる」と言う。アクロスは円形劇場なので、役者のデハケが難しい。幕を吊るして袖を作る予定だそうで、細川嬢にもデザインを考えてもらっているとか。いかにも幕を下げました、という感じじゃなくて、それが一つのデザインとして機能しているような感じにしてもらえるといいなあ。いや、実際これまで「美術」はうちの劇団のネックになっていたので、そこが補強できるというのはまさしく朗報なのである。


 帰宅して、日本映画専門チャンネルで録画しておいた映画『黒蜥蜴』を見る。
 京マチ子・大木実主演の大映版だが、ミュージカル仕立てになっているので、珍品扱いされることも多い。けれど、それはもともとこれが江戸川乱歩の原作からの直接の映画化ではなくて、三島由紀夫脚色の舞台の映画化であるからで、セリフや演技の臭さは同じ戯曲をもとに映画化した丸山(美輪)明宏・木村功主演の松竹版でも“違和感”はあったのだ。これをバカ映画扱いするなら、『サウンド・オブ・ミュージック』も『ウエスト・サイド物語』もバカ映画である。なんでもかんでも我田引水的に面白がろうとする風潮に乗っかると、映画の本質を見失いかねない。この映画を批判するなら、舞台劇を映像化する際のポイントを外している点、京マチ子はともかく、大木実や川口浩あたりの役者の「舞台演技」が今一つ板に付いていない点や、カット割りやカメラワークに切れがない点とかを指摘した方がいいんじゃないかと思うんだけどな。ミュージカルの映像化には「空間」が撮れていることが必須なのだが、それが不充分なのである。

 ディズニーチャンネルで『キム・ポッシブル:タイムトラベル』。
 昨年放映されたテレビスペシャルの長編。こういうのはたいてい主役の過去とかが明かされたりするものだが、まさに定番通り。ドクター・ドラッケン&シーゴー、ダフ・キリガン、モンキー・フィストの3悪プラス1が手を組んで過去にタイムスリップ、4歳児のキムを苛める展開。このとき3悪が自分たちも幼稚園児に変身するのがこいつらのおおマヌケなところ。大人のままで苛めるか殺せばいいのに、そんなこと思いつけないのである。助手の身に甘んじているホンモノの悪・シーゴー姉さんだけが歯噛みしてるのだけれども、これが伏線となって後半の展開に関わっていく構成がうまい。やっぱり悪役の中での一番人気はクール・ビューティーなシーゴー姉さんなのだなあ(* ̄∇ ̄*)。
 ちなみに4歳児のキムの声優は『アイ・アム・サム』の天才子役ダコタ・ファニング。ホントに売れっ子なんだなあ。ほかに、ルーファス3000の声に『スター・トレック/ネクストジェネレーション』シリーズのウォーフ少佐役のマイケル・ドーン、ロンの父ちゃんになんと『マッシュ』のエリオット・グールドという豪華キャスト。ディズニーがこのシリーズに思いっきり力入れてるのが分かるのだが、でももう手描きアニメは作らないって言ってるんだよなあ。新作が4シーズンも作られてるんだから、決して人気がないわけじゃないはずなんだけど、もったいない話である。それともテレビアニメだけは継続して作ってくれるのかね?


 アメリカ、映画芸術科学アカデミーは昨11月4日、第77回アカデミー賞最優秀アニメーション映画賞部門のエントリー作品を発表。でも、この中で実際にノミネートされるのは3作品。『ハウル』は公開が間に合わなかったみたいだけど、『スチームボーイ』はどうなったのかな(^o^)。
 今んとこのノミネート11作品は以下の通り。

“Clifford's Really Big Movie”
『イノセンス』
“Home on the Range”
『Mr.インクレディブル』
“The Legend of Buddha”
『ポーラー・エクスプレス』
『シュレック2』
『シャーク・テイル』
“Sky Blue”
“The SpongeBob SquarePants Movie”
“Teacher's Pet”

 『イノセンス』と『シュレック2』以外は未見だから憶測でしかものは言えないけれど、『イノセンス』のノミニーは難しいんちゃうかな。アメリカ、まだまだアニメ後進国だから。「ある程度のヒット作品であること」が暗黙のうちに賞の条件になってる面があるし、相変わらず「アニメは子供のもの」って意識のほうが支配的だからね。
 考えてみたら、長編アニメーションそのものを国際的にマトモに評価するイベント自体がすごく少ないんである。ベルリン、ベネチア、カンヌはアニメーション部門を設けてるわけじゃないし(だからこそ宮崎駿監督の受賞はものすごいことであるのだが)。ASIFAは短編専門だからなあ。
 だからアカデミー賞が権威であるかのように錯覚されがちだけれど、去年も今敏監督の『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』が結局ノミニーから外されたことを考えると(まあどっちも欠陥の多い作品ではあったが、かと言って『ファインディング・ニモ』に負けるほどのものではない)、結局はアニメーションの何をどう評価するかって指標がアメリカ人の中に形成されてないなとしか感じられないのである。まあそれ言い出しゃ、「萌えアニメ」しか見ない日本のアニメファンとか、アニメファンの名に値しないと言われちゃいそうだが。


 「おれおれ詐欺」の9月の被害額が、約29億円となり、1カ月間の被害としては6月から4カ月連続で過去最悪を更新したんだと。
 東京都調布市では、6人もの男が入れ代わり立ち代わり電話口に現れるという、最多登場人物記録の事件もあったとか。その内訳は「息子(加害者)」「警察官」「弁護士」「司法書士」「女の子の弁護士」「保険会社の社員」。これだけ出てくりゃ、かえってこういう連中が電話口だけでコトを済まそうとしてることに疑問を感じてもよさそうなものだが、引っかかるやつはどうしたって引っかかっちまうんだろうなあ。
 「おれおれ詐欺」が一向に収まらないのは、以前も書いたと思うが準備に手間がかからない、足がつきにくい、ということの他に、「罪悪感をあまり感じない」ということも確実にあると思うんである。ここまで簡単に騙される人間がいるなら、「騙される方が悪い」という自己正当化の方向に感覚をスライドさせる卑劣漢が続出したっておかしかない。私もいっぺんしげに試してみようかって欲求に駆られて仕方がないのである(私は間違っても電話で泣いて助けを呼ぶなんてことはしないってわかってるだろうから絶対バレるが)。
 思うんだけど、防衛手段としては、もはや「みだりに電話を取らない」とかまで思いきるしかないんじゃないか。家族や知人などの個人的な連絡は全て携帯を通すようにして、自宅の電話は基本的に使わない。どうせヨソから掛かってくるのはほとんどセールスだ(^o^)。そこまでしなくても、ナンバーディスプレイを設置するだけで殆どのイタズラ電話は無視できる。非通知や表示圏外の電話はすべて取らなきゃいいんだからね。「うちは自営業で仕事の電話と自宅の電話、同じだからそれできない」というお宅は無理して2台電話を持とう。ともかく犯罪を防止する一番の方法は「犯罪者よりリコウになる」しかないのだ。
 うちにかつて「おれおれ詐欺」が掛かってきたことがあるかどうかわからない。うちもホモオタさんがイタズラ電話かけまくって以来、ナンバーディスプレイを入れることにしたので、知合い以外からは電話取らないようになってるのである。つかもともとしげは電話自体取ろうとしないから(^_^;)。
 休日の昼間とか、よく電話はかかってるんだけどね。

2002年11月05日(火) バラエティに芸はない/『ガンダムエーススペシャル』/『カラダで感じる源氏物語』(大塚ひかり)
2001年11月05日(月) 行かなかった博覧祭/『陽だまりの樹』1〜7巻(手塚治虫)ほか
2000年11月05日(日) 「小鹿のバンビは」って歌は日本版だけ/アニメ『バンビ』ほか



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