無責任賛歌
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2002年11月05日(火) |
バラエティに芸はない/『ガンダムエーススペシャル』/『カラダで感じる源氏物語』(大塚ひかり) |
朝、しげ起きれず、タクシーで職場へ。 タクシー代はしげが払うことになってるので、私の懐は痛まないのだが、しょっちゅうキツイとか言って休んでると、私への支払いが簡単に万単位になってしまうのである。寝付きをよくする癖さえつければ、朝起きられないなんてことはないはずなんだが。しげはクスリの類が大嫌いなので、睡眠薬に頼るわけにはいかない。私は布団に入って静かにしてるだけで寝付けるのだが、しげはそれだと逆に落ちつかないそうだ。
しげの怖かった話。 夕べ、しげの職場で、店の表を黙ってウロウロしている人影を見かけたそうな。車上荒らしもあったくらいだから、強盗かなにかと思わず悲鳴を上げたら、人影の正体はなんと店長。鍵を持ってなかったので、中に入れず困って回りをウロウロしてたらしい。 「誰もいないかと思った」とは店長さんの弁だそうだが、普通、電気が点いてたら人はいるでしょーにねー(^_^;)。 人騒がせな、としげは怒っていたが、店長のクセに店の鍵も持ってなかったのかと、そちらの方が私にはフシギなのであった。
今日の夕食、「いい加減で『めしや丼』は飽きた」と私がわめいたせいか、しげが急にウチの近所にあるにもかかわらず殆ど寄ったことのない「釜揚うどん」に車を停める。 ここのうどん、結構コシがあって私は好きだったのだが、しげは「うどんじゃ腹が太らん」と、なかなか寄ろうとしなかったのだ。 久しぶりにうどんが食べられて私は満足だったが、しげはいっしょに頼んだコロッケかカツかがまずかったらしく、不満顔。……安く食える店なんだからそんなに文句言わんでも、と思うし、まずけりゃおかず残してうどんだけ食えばいいのに、全く贅沢な話である。 ああ、これでまたこの店から足が遠のいちゃうなあ。しげの偏食に付き合わされてるのは私の方なのに、しげ自身は全然ワガママを言ってる意識がないのだからいったいどういう神経をしてるんだか。
まあどーでもいいニュースの一つ。 テレビでちょうど見たんだけど、民主党の鳩山由紀夫氏が『電波少年』にからかわれてぶんむくれたって話ね。 明治学院大学の学園祭で、3日に開かれた民主党の鳩山由紀夫代表の講演会に、日本テレビの『電波少年に毛が生えた』の「ママさんコーラス隊」が「乱入」して、「鳩山さんに贈る歌」と称して「リーダーシップがない」などの内容で、「山口さんちのツトム君」「ハトヤ」のCMの替え歌2曲を歌ったってのが経緯。聴衆はウケるどころか騒然となったんだとか。 鳩山さんは今日になって、「主催者に失礼」として、日テレに抗議文を送ったってことだけど、その理由が「自分が馬鹿にされたから」ってことじゃないところが人間としての器の広さを見せたってことなんだろうか。 でもやっぱホンネでは怒ってんじゃないかと思うけどね。真実はどうか知らないが、外見や態度から「僻み屋さん」に見られちゃうところが、鳩山さんの政治家としてのキャラの弱さなんだよなあ。 事情を全く知らなかった主催者の法学部も日テレに抗議文と放送中止要請をするつもりだそうだが、いたし方のないところであろう。
「この世にギャグにしていけないものなんてないんだ!」がモットーの私が『電波少年』の肩を持たないのは意外、と思われるかもしれないが、私ゃレベルの低い芸に同調する気はサラサラないのである。 「ママさんコーラス隊」がイカンとまで断言するつもりはない。けどね、「これくらいはゲリラ的にやっても許してもらえるだろう」って「甘え」が見え隠れしてるのがどうにも気に入らないんだよね。それにこういう「乱入」するんなら、他人の軒先借りてやるんじゃなくて、堂々と民主党の前で歌えばいいじゃないの。それだと政治活動と思われて、普通のママさんたちが逮捕されることになるかもってビビったんだろうね。でも、そんなふうに腰が引けてたんだったら、最初からこんなギャグやるもんじゃないとは思いません? 笑いを舐めてるよ。 タモリ曰く、「差別するときは本気で差別しなきゃ意味がない」。これは自らが糾弾されることを覚悟しての発言であるのだ。その覚悟が『電波少年』のスタッフにあるとは思えないんだよなあ。
『ガンダムエーススペシャル』(『ガンダムエース12月号増刊』/角川書店・330円)。 表紙が安彦良和描くセイラさん、皇なつき描くフラウ・ボゥ、寺田克也描くキシリアさまである。三人目、濃すぎるぞ(^_^;)。 内容が殆ど再録なのはちょっとガッカリだったのだが、安彦さんが『特別番外編』と称してセルフパロディを描いてるのが笑えた。なぜか描きなおすたびに体型が崩れていくセイラさんのヌード。シリこそ扁平だけど、17歳には見えんよな〜。 それと、アムロが嗅いでたぱんちー、いったい誰の? 〆切に間に合わなかったと思しい北爪宏幸の『在る日』は必見だろう。なんたって下書きをコピーしただけのページが、10ページ中4ページも(^_^;)。でも、意外にこれって下書き風マンガ? と勘違いする読者もいたりしてな(^o^)。
大塚ひかり『カラダで感じる源氏物語』(ちくま文庫・777円。 江川達也さんのブレーン、大塚ひかり嬢の「世間で言うほど源氏ってモテてないよ」本(^o^)。 要するに『源氏』中の「身体表現」に注目して、光源氏の実像、及び当時の風俗を読み解こうってもの。語り口がちょっと伝法で、お固くてつまんないガッコの授業に比べれば何十倍も面白い。でも風俗の研究についてはちょっと古典をかじったものなら誰でも知ってるような基本的なことしか語ってないのでいささか拍子抜け。まあ、初心者向けなんだから文句言っても仕方ないけどね。それよりも「源氏ってどこが素敵なの!?」的な現代女性のカミツキを楽しむのが面白いかも。川原泉も『笑う大天使』でやってたな。もちろんその分析のデタラメぶりが楽しいのである。 でもマジメな本として読んじゃうと、やや苦しいところがあるのも否めない。確かに、「美人よりブスに対する描写のほうがリアルだ」とか、「一番無個性な浮舟を二人の男から愛される存在として描いたところに『源氏』の特異性がある」と、鋭い観察眼も持ってはいるのだけれど、もうヒトイキ、というところで作者自身の「現代感覚」が古典の分析を邪魔している気がする。 例えば、「どうして光源氏は美人をほっといてブスに走る傾向があったのか?」という疑問に、作者がウンウン唸りながら解答を模索している。でもそんなん、男なら一発で気付くことなんだけどなあ。 つまり、「作者がブスだったから、美人がモテる話を書きたくなかったってことじゃないの?」って思うんだけど、こんなこと書くと怒る人いるかな? この作者、現代人の歪んだフェミニズム感覚に影響受けちゃって、至極単純な「女の見栄」というヤツに気がつかなかったんじゃないかな。 これ以上書くとヒステリックな反論しか来なくなるからもう突っ込みません(^_^;)。悪しからず。
2001年11月05日(月) 行かなかった博覧祭/『陽だまりの樹』1〜7巻(手塚治虫)ほか 2000年11月05日(日) 「小鹿のバンビは」って歌は日本版だけ/アニメ『バンビ』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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