無責任賛歌
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2004年09月29日(水) |
保険屋の勧誘を断わるには/久米田康治『勝手に改蔵 SPECIAL SELECTION』 |
昨日からしげは病院のデイケアに通うようになった。 今のとこ、「火曜日だけ」なのだが、気に入ったらほかの曜日も通いたいと言う。根が体育会系なので、スポーツの日とか行く気マンマンなのである。 まだまだ精神病患者に対する偏見の強い日本においては、こんなふうに気軽に病院通いすることも憚られたりしてしまう場合も多かろうから、しげのように積極的に行けるというのは喜ぶべきことなのであろう。どの程度の治療効果があるか、しばらくは様子見だろうけれど。 昨日のSSTは、しげは初めてなのでとりあえず「見学」扱いだったとか。 患者さんたちが「お題」を出しあって、それにどう返事したらよいか、みんなで考えましょう、という治療法なのだが、何しろお題を出すのも患者さんなので、どこかトンチンカンなのである。 例えば「保険屋に仕事を聞かれたらどう断わるか」とか。なんかシチュエーションが今一つよくわからない。要するに訪問販売にいきなりやってきて、「ご主人のお仕事はなにしてらっしゃるんですか?」とか訊かれたことがある人が出したお題らしいのだが、保険屋ってそんなことまでズケズケと聞いてくるものなのだろうか。私の知り合いの保険屋さんはだいたいムリに勧誘してくるようなことはあまりないんだけどね。もっとも糖尿だのなんだので何度も入院歴のある私を勧誘しようって保険屋もそうそういないだろうが。 プライバシーをやたら聞きたがる保険屋っての、ありえないとまでは言わないけれど、多少は誇張が入ってんじゃないかって気がする。それとも「ちょっとこのひとアタマのネジがちょっくらひん曲がってんのかな」ってことに気付いて、興味本意で詮索した保険屋とかいたんだろうか。だとしたらどうにも腹立たしいことである。 しげはSSTの様子を見ながら、自分もお題を出したいなあ、とウズウズしてたそうな。患者さんで一人、やたら発言したがりのオジサンがいて、「こいつ、うぜえ」と思った、ということなのだが、自分自身、日頃からなにかにつけウルサイくらいに発言したがりなくせに、全く「何を言うのか」なのである。で、患者さんたちが結局どんなふうに勧誘を断わったのかは昨日のことなのにもう覚えてないんだよなあ。SST、役に立ててないじゃん(-_-;)。 しげに、もちっと文才がありゃあ、こういう病院でのデキゴトも面白く語って伝えられるんだろうが、なにしろ言葉に不自由してるし記憶力もないやつなんで、どういうことがあったのか、ディテールについてはよくわからない。そのあたりをうまく説明できるようになれば、しげのコミュニケーション能力も上達したってことになるんだろうけれど、そんな日が来ることがあるのかなあ。デイケアに「作文」ってカリキュラムはなかったような気がするんだけど、そういう日も必要なんじゃないのかな。
ここんとこ三、四日、沖縄で停滞していた台風がようやく九州に上陸。いや、別に待ち望んでたわけじゃないけど。 今年はもう三度目の上陸だけれども、日本上陸自体も8個目で、最多記録を更新したとか。“当たり年”って言い方が適切かどうかは分からないけど、確かに「またかよ」って感じはする。そのわりにそれほど鬱陶しくは感じないのは、福岡自体は大した水害に遭ってはいないせいだろう。例年、水害のたびに父の店は海に沈んでいるのだが、今年はその被害もなし。 今回の台風、海にいたときはやたら進み具合が遅かったくせに、上陸した途端に福岡を避けて、大分から四国に向かってあっという間に通り抜けて行ってしまった。風がひどかったのは午前中から午後にかけての数時間くらいのもの。電車もバスも普通に動いていたし、私ももちろん普通に出勤した。休んでばかりのトンガリさんまで五日ぶりに出勤してたから、普通過ぎるくらいである(仕事が進んでた様子はなかったが)。 退社時間にはまだ雨がかなり降っていたものの、帰宅したときにはほぼ小雨になっていた。感覚的にはちょっと風が強かった、というだけの日であったが、夕刊を見ると、鹿児島あたりの道路はやはり冠水してビルが海に沈んでいるのである。被害状況にやたら差が生じているようだが、福岡だけがまあまあ無事ってのもちょっと気味が悪い。まさかまたどでかいのが次に控えちゃいないかと心配になるが、記録更新はイチローだけで充分なんで、台風には別に頑張ってもらいたくないのである。
『月刊ガンダムエース』11月号。 安彦良和『機動戦士ガンダム ジ・オリジン』はいよいよ完全オリジナル『シャア・セイラ編』の開幕。ネコミミセイラに萌え〜なオタクもウンカのごとく涌いたと思われる今話であるが(^o^)、私としてはシブいオッサンがたくさん出てきてくれるのが楽しい。こないだ死んだガルシアさん見ても思うけど、安彦さん、絶対美少年美少女よりオッサン描く方に力入れてるよな。アニメ本編じゃ名前しか出てないジンバ・ラルとか、あっという間に死んだラスロ・ザビとか、いい味出してんだ、これが。って、オッサンフェチかい、わしゃ。 唐沢なをき『犬ガンダム』、トニーたけざきみたいに毎回単発ネタで行くのかと思ってたら、ちゃんとストーリーが繋がっていて、マチルダ犬も登場。マチルダさんに似せようとすると唐沢さんの絵柄っぽくならないのはご愛敬か。 関係ないけど、うちで昔飼ってた犬は一度も食糞しませんでした。おふくろの躾方、すごくうまかったから、ストレスなかったんだろうなあ。
『手塚治虫マガジン』11月号。 『新・聊斎志異 女郎蜘蛛』にチラッと「手塚治虫のひいじいちゃんの額」が出て来るんだけど、これ、顔はちょっと違ってるけど『陽だまりの樹』の手塚良庵(のちの良仙)だな。発表が『陽だまり』以前の1971年なので、実はこのころからご先祖さまのことを描きたかったんだろう。『手塚治虫マガジン』の評判、必ずしもよくはないようだが、私も全ての手塚作品を読んでるわけではないので(世の中にはそういう御仁が実際にいらっしゃるから怖いのだが)、毎号、未読の短編を読めるのに重宝しているのである。つか、長編は全部読んでるのに自分でも驚く。我々の世代にとって手塚治虫マンガがいかに血肉となっているかの証左であるが、私より数歳下になると、もう手塚作品をあまり読んでない連中が圧倒的に増えるのである。今読んでも面白い作品、たくさんあると思うんだけどなあ。 『陽だまり』もひっそりとアニメ化されたけど、近年の手塚アニメの中じゃ一番、出来がよかった気がする。今度の『ブラック・ジャック』はどうなるかねえ。「これまでの映像化の中でも一番原作に近い」ってのが売りみたいだけど、たいていそういうのって裏切られるからなあ。
マンガ、久米田康治『勝手に改蔵 SPECIAL SELECTION』。 単行本は3巻で買うのやめちゃってたので(例によってしげが「いつまでこんなつまんないの買うんだよ」と嫌ったからである)、完結記念にせめてもの「セレクション版」買い。まあ「つまんない」と言われるのも仕方ないのである。これ、ギャグマンガになってないから。じゃあ何マンガかと言われると困るんだけど、読んでて作者の精神状態が心配になる点では吾妻ひでお、鴨川つばめ、冨樫義博の系列の作家さんなんだよねえ。それはマンガの面白さとは「別物」なので、ジャンル分けなんてできないんである。
任天堂の山内溥相談役が、突然「“劇場用アニメ”を制作する」と発表。 いや、それ自体はそんなにオドロキでもなんでもないのだが、問題はその“題材”なんだね。発表した場所ってのが、山内相談役が理事を務める「小倉百人一首文化財団」が建設した記念殿堂「時雨殿」地鎮祭後の会見の席で、記者から「百人一首をモチーフにした作品を任天堂で展開する予定はありますか?」という質問に対して、「例えば、アニメ映画を制作して、ゲームと連動させたりといったことを提案しようと考えている」とコメントしたというのだね。 「百人一首アニメ」って、何それ(~_~;)。 なんだか「その場限りのコメント」という気がして仕方がないのだが、何をどうやったら百人一首が“映画”になるのか、想像もつかないのである。単に王朝を舞台にして、それに「和歌」を絡めるんかなあ。少なくとも「アニメ」にするんだから、ただ平安貴族が歌読んで終わり、程度のものじゃ売れるわけもない。『陰陽師』みたいにアクションやオカルトで「見せ場」作らないとモノにはならんやろ、と思うんだけれど、なんかなあ、こういうシャチョーさんが自ら音頭取った映画って、大コケするパターンが多いからなあ。『ファイ○ルファ○○ジー』とか(^o^)。 まかり間違っても、『紫式部 源氏物語』とかにならないよう、任天堂の人たちは山内さんを「監視」しとかなきゃマズいんじゃないでしょうかね。
2003年09月29日(月) 痛痒な腰痛/『だめんず・うぉ〜か〜』5巻(倉田真由美) 2002年09月29日(日) やっぱり被害に合うのはしげ。/アニメ『サイボーグ009・地上より永遠に』/DVD『マジンカイザー』第7巻最終話ほか 2001年09月29日(土) 郵便ポストが赤いのも/『エクセル▽サーガ』8巻(六道神士)ほか 2000年09月29日(金) Sashimiと震災の真実とバーブラと/『爺さんと僕の事件帖』2巻(しかくの)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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