無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年04月04日(日) 『レジェンズ』とリメイク版『犬神家の一族』と花見の夜と。

 ボチボチ、春の新番アニメのチェックの時期であるが、昨日は『ケロロ軍曹』を見損ねてしまった。今朝の『レジェンズ』は大地丙太郎監督の新作だが、私はこの監督さんをそんなに買っちゃいないので(アニメ界の山田洋次だと思っている)、感想としては悪かないが、積極的に褒め称えたくなるほどのものでもない、と言ったところ。センスがどうも一昔前と言うか、かわいいキャラが竜巻で吹っ飛ばされたくらいで「なんて残酷なアニメなんだ〜」と叫んだりするのって、それ楽屋オチか自虐ギャグのつもりかどうか知らんが、笑うないんスけど、としか言えないのである。かろうじてあかほりさとるほどには堕落してないとは思うのだけれど。

 劇団の芝居の台本、直しを午前中かけて8ページほど付け足す。まだまだ直さなきゃならないところはあちこちあるのだけれど、ドラマ後半の山場の一つは何とか書けたという感じ。でも一番のクライマックスはまだヘボいままである。ここをどうするかがチエの絞りどころであるが、絞って出てくるようなら苦労はしないのである。
 しげが練習に出かけたあと、昨日録画しておいた『犬神家の一族・誰も知らない金田一耕助』を見る。原作『本陣殺人事件』に数行しか書かれていないアメリカ時代のヤング・金田一の「書かれざる事件」を映像化したアイデアは買うが、それがあんなオチャラケた『名探偵コナン』並のストーリーとトリックじゃ幻滅である。ダイイング・メッセージものを原作者の横溝正史はトリックとしては下級のものと考えていて、ストレートな形では殆ど使っていないのである。中途半端なマニアに脚本を書かせるとこういう凡ミスをやらかすから困りものなのである。
 『犬神』本編が市川崑版の殆どリメイクといった趣きで、一部のカットはセリフのタイミングからアングルまで同じだったのには笑った。原作の改変の仕方もほぼ同一で、盗作扱いされても仕方がないくらいだ。ネタバレになるので細かくは言わないが、市川版を意識していながらディテールにおいてはミステリの昨劇技術が脚本家にも演出家にもないために、結果的に「改悪」版になってしまっている。期待していただけにガッカリ感も大きかった。しかし今度の映像化でも宮川香琴(岸田今日子)は原作のあの人ではなかったのですね。横溝正史本人は大好きだった「実は……」のパターン、嫌われてるんだなあ。もちろん、原作がヘボいのて、その改変だけは正解なのだけれど。
 自己顕示欲が結構強い稲垣吾郎金田一は、原作のイメージに近くはあったのだけれど、でもやっぱり「貧相」ではない。鳴り物入りだったわりには今度の金田一もちょっと物足りなかった。けれど小日向文世の横溝正史は、若き日の本人にソックリで驚いてしまった。これなら横溝正史が事件に関わる「病院坂」も映像化できそうなくらいである。次回作は『八つ墓村』だとか。しかしどうしてこう映像化となると横溝作品の中でも完成度の低いやつばかり選ばれるのかね。


 夕べから今朝にかけては原稿書きで半徹夜だったので、あとは夕方まで寝る。
 5時過ぎにようやく目覚めて、風呂に入って千代町の練習場に向かう。其ノ他くん、鴉丸嬢、カトウくん、ラクーンさんと、今日は比較的揃いがいい日のよう。ただ、穂稀嬢が先週から鬱だとかで、連絡なしにバックレたとか。なんかフォローしてやればいいのにと思うんだが、しげにそういう甲斐性はないしなあ。
 台本の打ち合わせを簡単にしたあと、其ノ他くん、鴉丸嬢としげ、私の4人で、山王公園に夜桜見物に行く。桜の名所と言えば西公園だが、こっちはどうせ込んでて座る場所を探すのにもひと苦労だろう。山王公園は意外と穴場なのである。
 桜は満開で見ごろ、適度に屋台も出ていて、4人でイカ焼きだのタコ焼きだのトウモロコシなどを食いながら、花見らしく写真を撮ったりもする。「『トウモロコシ』って名前、英訳したら『チャイナ・チャイナ』か?」とか他愛ない会話。シラフで酔ってるようなものである。月もほぼ満月で美しかった。こういう花見は久しぶりなので気分がいい。ちょっと寒かったけど。


 ディズニーが、現在本国で公開中のアニメ映画『ホーム・オン・ザ・レンジ(牧場のわが家)』を最後に、手描きアニメの制作を廃止し、今後は全ての作品をコンピューターグラフィックスに切り替えるとか。CG制作の『ファインディング・ニモ』以外の手描きアニメが軒並みコケたせいだが、手描きだろうがCGだろうが、つまらん作品ばかり作ってりゃ、どうせジリ貧になると思うが。
 ピクサーとケンカして決別、『トイ・ストーリー3』はピクサー抜きでディズニーは作る腹らしいが、優秀なスタッフがかなりの数、ドリームワークスとかに引き抜かれてる現在、デイズニーがそこまで傲慢になれているのには何か裏の理由があるのだろうか。 ただの思いあがりで二十年後にはディズニー社そのものがなくなるなんてことにならなきゃいいのだけれど。

2003年04月04日(金) 遠い〜気球よ〜/『フライト・オブ・ワンダー』/『OO7/ダイ・アナザー・デイ』
2001年04月04日(水) ちかれた日〜(死語)/映画『宇宙怪獣ガメラ』ほか



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