無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年04月04日(金) 遠い〜気球よ〜/『フライト・オブ・ワンダー』/『OO7/ダイ・アナザー・デイ』

 ハウステンボス第2日。
 朝から風強く、雨も少々。
 朝食は指定のレストランでバイキング。ここはアジアからの観光客が多いので、レストランも韓国語や中国語が飛び交っている。「ここ、ホントに日本?」としげが言うが、確かに現実感が妙に希薄な街ではある。
 高い金払ってるんだからと腹に詰めこむだけ詰めこむ。でも朝っぱらからカレー出したりするなよ。

 しげがハウステンボスで一番乗りたかったのが、展望バルーン「ルフティー」なのだが、上空の気流が一定しないとの理由で今日は運行停止。しげがぼやくことぼやくこと。
 「また来りゃいいじゃん」と慰めるが、そう何度も来れるものでもないということもわかっているのである。
 代わりといってはなんだが、船好きのしげのために、クルーザー、帆船を乗り倒す。パーティークルーザー「カナルカフェ」、お茶とケーキを楽しみながら運河を巡るその内海やワッセナーなどの景観は「カップルの方やご夫婦にも大人気です」との触れこみだが、金持ちで有閑な連中の別荘地を見せつけられたってこちとら嬉しくもなんともないのである。別荘の横に停まってるクルーザーとか見ると、神奈川とか大阪とかから来てやんのな。こんなの見たって庶民は「二度と来るか」としか思わんぞ。
 狭い運河で足こぎボートに乗ったり、シーボルト出島蘭館で、シーボルトのロボットと写真を撮ったり(声を出して動く仕掛けになってるが、しげが怖がるので動いてない時に撮る。……意味ないやん)。

 昼飯はステーキハウスで豪勢に食事。肉が分厚いこと。確かこないだ(と言っても5年以上前だろうな)来たときも、しげが「肉が食いたい」と言って同じ店に入った気がする。行動パターンが全く進歩してない証拠である。
 
 アミューズメント施設には前回殆ど入っていたので二度入る気がしない。
 新設の「フライト・オブ・ワンダー」、10分待ちだというので並んでみたら、30分待たされた(^_^;)。
 北風の魔女に誘拐された少女を救いに、正しい少女の魔女と一緒に空飛ぶ冒険の旅へ、というコンセプトのライド型アトラクションだが、どうして北風の魔女が女の子をさらっていったのか、理由が全く説明されない。誰だこんなクズな脚本書いたのは、と思ったら、「魔女の宅急便」の原作者、角野栄子が総合監修していたのだった。まあ、あの原作も児童小説としてはたいして出来はよくないんで、しょうがないかな(宮崎アニメのイメージに騙されてるんだよなあ)。
 以前ディズニーランドで乗った「カリブの海賊」に比べたら、ひと回りもふた回りも小さいアトラクションである。
 それでもしげ、乗ってる間中、ずっとおびえ続け。途中、小さな魔女が写真を撮ってくれるのだが、出来あがった写真を見ると、私はニコニコ笑っているのだが、しげは目をまんまるに見開いてまさに恐怖の表情。隣でメルヘンチックに魔女が飛んでるのとそぐわないこと。
 言っとくが、このアトラク、怖いところなんてカケラもないのである。その証拠に、ほかのお客さんは写真を撮られるときにみんながみんなピースサインをしているのだ。小学生ですら怖くないアトラクでここまで怖がるというのは怖がるために怖がってんじゃないかと勘繰りたくなる。
 占いの館に入って二人の相性を占ってみたら、「彼女の情熱に彼氏タジタジ」と出やがった。実際、しげの無駄に多いエネルギーに振り回されてる実感はありすぎるくらいにあるな。

 ぶらぶらと散策するうちにもう夕方。
 土産など買いものをすまして、帰りの列車に乗りこむ。それでも最後まで「気球飛ばんかなあ」と未練タラタラなしげであった。

 よっぽど憤懣が溜まっていたのか、帰るなり「映画に行きたい」と言い出すしげ。こちらはもう披露困憊であるのだが、どうにも逆らいにくい雰囲気である。「せめて、あまり疲れないですむものを見よう」としげを説得して、ワーナーマイカル福岡東で『OO7/ダイ・アナザー・デイ』を見る。
 チケットを買いに行ったしげ、「ダブルオーセブン2枚」と言ったら、受付のね〜ちゃんに「ゼロゼロセブンですね」と言い直される。どうも本気でそう発音すると思ってるらしいが、この間違いはやたら多いから、それほど目くじらは立たない。と言うか、我々の子供のころは宣伝でもわざと「ゼロゼロセブン」とか「ゼロゼロナナ」って言ってたから、そっちのほうが発音がわかりやすいし日本人的にカッコよく聞こえると判断されたのだろう。でもナポレオン・ソロの場合は「ゼロゼロワンワン」より「ダブルオーイレブン」のほうがカッコイイと思うけどな。犬じゃないんだから。ちなみに、『サイボーグ009』の映画版では、1回だけ007(曽我町子)が自分のことを「ダブルオーセブン」と名乗るシーンがあるよ。
 で、肝心の映画の方だが、ここ三作ほどはあえて邦題に「OO7」と付けず、シリーズものの印象を与えることを避けていたのが、20作記念ということもあるのだろう、しっかりと復活したことは実に嬉しい。中身もこれまでのOO7映画の集大成という感じで、やたら「どこかで見たような」シーンやシークエンスが出てくるのである。それをOO7映画のオマージュと捉えるか、ただのおふざけと捉えるかでこの映画の評価も大きく分かれそうだ。
 私は否定まではしたくないけれど、やはりどうにも「薄っぺら」って印象がしてしまって、イマイチ乗りきれなかった。
 ともかく、ボンドやジンクスが窮地を脱するときのアイデアがありきたりなんである。特にジンクスなんてさ、前宣伝ではいかにもボンドに対抗できるだけの「男に頼らないニューヒロイン」って感じで売ってたのに、いざフタを開けてみたら2度もボンドに助けられてんだからね、これじゃあ「男に助けられるか弱いヒロイン」ってこれまでのボンドガールのイメージを全然払拭できてないじゃん。ジンクス演じたハル・ベリー自体は眉がキリッとしてて魅力的なんだけれども。
 魅力、という点では、今回の敵もどうにも小粒に見えて仕方がない。
 かつてのいかにも憎々しげだったゲルト・フレーベのゴールドフィンガーやアドルフォ・チェリのエミリオ・ラルゴや、ドナルド・プレザンス&テリー・サバラス&チャールズ・グレイのスタブロ・ブロフェルドが大好きだった身にしてみれば、ここ10年ほどの悪役は悪役に見えないのである。
 敵の首魁、北朝鮮のムーン大佐(明らかにロバート・マーカム(キングズリィ・エイミス)のOO7小説「孫(サン)大佐」をモジっているのだが、朝鮮語に「ムーン」って発音する字はあるのか)、これがあとになって意外な形で(でもバレバレ)再登場するのだが、もう設定に無理がありすぎ。
 トビー・スティーブンスがママのマギー・スミスに似てるのもちょっと笑いを誘うかな。

2001年04月04日(水) ちかれた日〜(死語)/映画『宇宙怪獣ガメラ』ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)