無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年03月17日(水) 『文春』のほかの連載が読めないのは困るなあ。

 田中真紀子さんの娘のプライバシーが暴露されてるとかで、「週間文春」が裁判所命令で発売禁止とのこと。いったい何があったのやらと、朝と夕方、コンビニに寄ってみたが、福岡ではまだ荷物が届いていないのか、それとも売り切れちゃったのか、もう回収してしまっているのか、一冊も置いていない。
 現物を見ない限りは裁判所の措置が正しかったかどうか判断できないし、かと言って、その措置が妥当性のあるものなら、そんな下らん記事は見ないほうがいいのである。アンビバレンツとはこのことだ。
 でも、実際に手に取った人たちの感想は「これで発禁?」てなものだったらしいね。たいしたプライバシーの侵害でもなかったってことなのかなあ。
 どっちにしろ、コトが分からぬ現時点ではコメントのしようもない。多分、2ちゃんねるとか調べれば内容アップしてるとこもあるんだろうけど、そこまでして知ろうって気はないしなあ。
 文藝春秋社は異議申し立てをしたそうだけれど、要求がマットウなものとして通ったなら、記事内容がハッキリわかる日も来るだろう。けれど裁判所が「マットウ」で無かったら、まさしく表現の自由は侵害されてしまうわけだ。こうなると、裁判所に「常識」があることを祈るしかないんだけど、それがどうにも歯痒いよねえ。


 毎年、この時期になると高校入試の合格発表の様子がテレビで報道される。無論、テレビカメラは、合格してVサインを出してる子を中心に撮っちゃいるんだが、どうしたって全体を俯瞰するシーンはあるから、落ちて呆然としてる子も映しだしてしまうのである。これって結構残酷なことしてるんじゃないかと思うんだけど。
 夕方、テレビを見ていたら、ある県立高校の合格発表で、何の間違いか、一番手前でまさしく「私は落ちました」って顔のメガネの子をカメラがどどんと映し出してしまっていた。それ見たとき、なんというか、胸が凄く締めつけられちゃってね。こういう「うっかり」はどうしたって避けられないと思うんだが、それでもいちいち合格発表を取材しに来なきゃならないものなんだろうか。高校生が合格しようがすまいが、全く興味のない私には、これにいったいどんなニュースヴァリューがあるのか、見当も付かないのである。……みなさん、毎年のこの合格ニュースを楽しみにしてるんですかね?
 ……しかし今時の中学生って、みんなカメラ付き携帯持ってるのな。みんな金持ちじゃん。いったいどこに「不況」があるんだ?
 ついでにずっと昔から思ってることなんだけれども、高校入試の問題って、県下全部同じなんでしょ? だったら、最初に希望校を受けさせるんじゃなくて、受けたあとで第一希望、第二希望ってアンケート取って、成績ごとに振り分けていけば、あぶれる受験生も減ると思うんだけど、何かそれができない事情でもあるのかね?


 『トリビアの泉』、三週間ぶりに見る。
 まあ、面白い演出とつまんない演出が半々といったところか。
 つまんなかったのは、「第2次世界大戦中、アメリカではこうもり爆弾が作られていた」の紹介イラストに、ローワン・アトキンソンのキャラを使っていたこと。全く意味がない(もちろんナンセンスという意味ですらない)。
 「藤岡弘、の事務所の隣りにはマムシ注意の看板がある」を紹介するのに、「藤岡弘、探検隊」風に紹介するのは、別にネタでもなんでもないものを無理矢理面白く見せようってところがいやらしい。猫が出た、ハクビシンが出たからって、それがどうした。藤岡さんは真剣に「マムシが出て危険」と思ってるから看板立てただけなんだよ? それを鼻先で笑うような演出されて、特撮ファンは悲しくないのか? そのまま普通に紹介することがなぜできないのか。これで怒らないようじゃ、ファンでもオタクでもマニアでもないぞ。
 それとは別に気になったのは、「藤岡弘、」の芸名が読点つきだったこと(正確には「藤岡弘」ではなくて「藤岡弘、」なのである。ホントの読点と紛らわしいので、こういうのは書くほうは困るんだけど)を、ゲストのみなさんが知らなかったらしいこと。それとも知っててわざと「へええ」と言って見せてたのかなあ。タモリのようにつまんないときは「へえボタン」押さなかったり、「そんなの知ってらあ」って顔してもらわないと、反応に信頼がおけないのである。まあ、もともとビビる大木を信頼する必要は全くないんだが。MEGUMIは素直に「へえ」と言ってると思いたいな(←意外と役者として買ってるのである)。
 逆に、ネタ自体はつまんないんだけれど、演出で面白く見せていたのは「お寺にある仏具は全て通販で買える」。実際に通販紹介風に演出してたのがマル。「お求めやすい値段」とか言っときながら、木魚が「1000万円」の、仏像が「370万円」のって、なんなんだかねえ。これをニコヤカに“本当に安い品物であるかのように”紹介できるんだから、テレビの営業マンはやっぱり素晴らしい。生の営業マンで、あんなにセールストークの上手い人間に会ったことなんてないぞ。番組見てたら、般若心経デザインの腕時計、私もほしくなっちゃったんだよなあ(^_^;)。
 純粋にネタだけで受けるのはやっぱり地域ネタだけれど、「鳥取県境港の住民票を透かすとゲゲゲの鬼太郎が浮かびあがる」を確認するためにスタッフが本当に境港市に引っ越したのには笑った。いや、区役所の人の「えっ!?」という反応がいいわ。しかも、住基ネットが施行されているので、わざわざ引っ越さなくても境港に行くだけで住民票は手に入れられる、という落ちの付け方もいい。もちろんスタッフは、そんなことは承知の上で、「わざと」引っ越したのだろうけれど、この「ヤラセ」は許される範囲内である。だって、ネタ自体を歪めているわけではないからね。
 金の脳だった「ツタンカーメンの墓を作った人々の出席簿がある」は、誰ぞのコメントにもあった通り、「サソリに刺された」とか、その理由とセットでないと、さほど面白くはないものだった。
 「トリビアの種」は堅実にアンケートもの。「日本の電話で一番多く使われている保留音は( )」というもので、結果は以下の通り。
 1.グリーンスリーブス
 2.エリーゼのために
 3.峠の我が家
 4.LET IT BE
 5.ミッキーマウスマーチ
 6.バッハのメヌエット
 7.パッヘルベルのカノン
 8.森のくまさん
 9.メリーさんの羊
 10.あなたがほしい(エリック・サティ)
 「耳障りでない曲」にするってのが第一義って感じだね。ディズニーがもう、一、二曲くらい入るかと思ってたけど。童謡や唱歌が一曲もないのが淋しいなあ。ウチの電話にはこういう待ち受け音楽の設定は多分してないと思うけど、するなら映画音楽にしちゃうだろうな。でも、『犬神家の一族』とか『七人の侍』、あるいは『第三の男』とか『ピンク・パンサー』なんかの音源、あるんだろうか。
 ……ウチの職場の待ち受け音楽は何だったかなあ。


 そのままダラダラとテレビを見てたら、ネプチューンの番組で、鈴木杏の『花とアリス』の舞台挨拶の様子が流されていた。もちろん「秋葉カンペー」のコーナーで、鈴木杏は「ウンコが三つ」とかのネタに笑わされていたのだが。だもんで、映画の内容はあまりわからなかった。……宣伝になってないんじゃないか。
 メインのトークコーナーでは、『牡丹と薔薇』の大河内奈々子と、小沢真珠がゲスト。小沢真珠、ドラマでは殴るわ蹴るわのエキセントリックないじめを大河内奈々子に対してしているのだけれど、このドラマに出演して以来、小沢真珠の携帯に電話をかけてくる友達が減ったそうである。逆に、大河内奈々子には「大丈夫?」と激励の電話が増えたとか。……現実とドラマの区別がついてない人間って、いつまで経っても減らないのだねえ。


 糖尿病についての新発見ニュース。
 筑波大内科の島野仁講師らが、血糖値を下げるホルモンのインスリンがどうして肝臓で効かなくなるのか、そのメカニズムを世界で初めて解明し、イギリスの科学誌『ネイチャー・セル・バイオロジー』に発表した。
 過食によって、肝臓で糖を脂肪に変える遺伝子を制御する指令物質(SREBP―1c)が働きすぎること、その結果、肝臓でインスリンが作用するのに必要なたんぱく質の合成が抑えられ、インスリンの効きが悪くなることを突き止めたという。
 糖尿病者以外の人には、何のことやらわかんないと思うけれども、この「どうしてインスリンが出ているのに、血中の糖分が分解できないのか」ってのは、これまでずっと謎とされていたことなので、おかげで適切な治療法がなかなか見つからないでいたのである。
 これまで、糖尿病の治療には食餌療法、運動療法、薬物療法の三つで対処されていたのだけれど、この中では「薬物」が一番弱かった。「過食がよくない」とは分っていても、我々糖尿病者は、普通の人と同じ量を食べたって「過食」になってしまう。食わないのにだって限度はある。絶食しつづけるわけにはいかないから、仕方なくカロリーを控えて食べているのだけれど、それでもストレスだの他の要因が働いて結局、体重は減らないし、血糖値は上がってしまうのだ。酒もタバコも肉食もやってねえってのに、なんで痩せねえのか、全くどうすりゃいいのよって感じだったんだけれど、この“SREBP―1c”の研究が進んでいけば、新たな治療薬も開発されていくかもしれないのである。
 いやホント、素晴らしい朗報なんですよ、これは。ただ、朗報ではあるのだが、さて、現場に反映されるのがどれくらい先になるのかはまだわかんないんだよね。再検だってまだまだあちこちの医療機関でされてくだろうし、仮に実験が正しいと証明されたその後、薬が開発されても、その使用認可が降りるのにまた時間がかかってしまうだろうから。それでも数年の辛抱だろうとは思うんだけれど。
 何週間か前のこと、塾頭さんが肥満を抑えるのには血液型によって摂取する食べ物がどうのと掲示板に書かれていた。糖尿病の肥満については、今までの日記にも何度か書いてたことだし、今回の研究成果でも分かるのだが、基本的には遺伝子レベルでの病気なのである。抗原(アレルゲン)の違いを示す血液型とは直接の関係はない。いろんな医学書や研究書を付き合わせていけば、そのあたりの事情は見当がついてくることなのである。
 トンデモ科学、擬似科学に人がどうして引っかかりやすいかと言えば、どんな理論であっても最初から誤り、ということは滅多になく、その出発点はごくごくマットウであることが多いためだ。それが思考を進めていくうちに、途中からヘンな脇道に入りこんでしまう。なぜかと言えば、初めから終着点をこれと思いこんでしまっているために、途中の論理の矛盾に気がつかなくなってしまっているからだ。
 どんな科学だって、基本的には「仮説」の集積に過ぎない。「絶対」を過信するのは危険である。「SREBP―1c」だけが、肥満の原因と短絡的に考えてしまうのもマズかろう。薬だけに頼ってもよくはない。やっぱりカロリーの過剰摂取は控えた方がいいし、運動だってした方がいいのである。
 こないだの入院中の関西人がどうにも腹立たしかったのは、新米の栄養士にわざと答えにくい質問をしておいて、それに答えられなかったからと言って、だから自分が過食したって構わないような、論理のすり替えを行っていたことである。自分のからだのことなのに、そんなズルをして、なんか得でもあるのか。それが患者のために話をしている医者、看護師、薬剤師、栄養士さんへの礼を失していることになぜ気付かないか。
 自分の思考方法に、どこか「ゴマカシ」がないかどうか、それはいつだって丹念に見ていかなきゃならないよな、と思うのである。


 ハリウッド版『ザ・リング2』の監督だけれど、第1作を監督したゴア・バービンスキー、CMディレクターのノーム・ムロウと、二人続けて降板したあとで、現在交渉中というのがなんと日本版『リング』の監督である中田秀夫だとか。本家返りか。けど、中田監督にも一家言はあろうし、「他人に改変されたもの」の続きを従容として引き受けられるものなんだろうか。
 主役のナオミ・ワッツと息子役のデビッド・ドーフマンの復帰は決定ずみだが、脚本の方は日本版『リング2』のリメイクではなく、前作に引き続いてアーレン・クルーガーによるオリジナルのものだとか。となるとますます「オレの作りたい『リング』とは違う!」ってなことになりゃしないか。
 でも、日本版『リング2』は主役交代させたせいでつまんなくなっちゃったから、アチラの脚本がよければ、中田監督の画面造りと相乗されて面白いものになる可能性はあると思うんである。「ハリウッド進出」ことを喜んでもいいんだけど、あまり有頂天にはならないで、堅実な映画造りをしてもらいたいものだけど。

2003年03月17日(月) 納豆の光に!(ねば〜)/『TELESCOPE 〜テレスコープ〜』(古川登志夫)
2001年03月17日(土) 嫌煙権を振り回す気はないけど/『風雲ライオン丸』(うしおそうじ・一峰大二)ほか



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