無責任賛歌
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2003年09月16日(火) |
狂熱の一夜/映画『南の島に雪が降る』/『C級さらりーまん講座 付和雷同編』(山科けいすけ) |
休日出勤の代休で、今日と明日は休みである。 夕べのチャット中に、阪神が18年ぶりに優勝。 野球にホントに興味がなくなってるので、今、阪神にどんな選手がいるのかも知らない。まあまたアホな連中が道頓堀に飛び込むんだろう、くらいに思っていたら、今朝のテレビニュースでその数5300人とか。こりゃあちょっと多いなんてもんじゃないね。既にただのヒステリー状態だ。脳内の発酵具合は、関東大震災の朝鮮人虐殺の時とおんなじ。自分が何をやっているのかを認識することが完全にできなくなっているのだね。本人はワザとバカやってる程度の意識しか持っちゃいないんだろうけれど、一人の行為が誰かの「犯罪」に繋がる可能性が「極めて高い」行為なんだからなあ。警察からも、いや、アンタらが好きだと称する阪神チームからも「飛びこみは止めてくれ」と勧告されてて、あえてやってんだから反論の余地はねーよ。 それともガキみたいに言うか? 「聞いてませんでした」って。 こういう時期の大阪には行きたくない、と言うか、阪神ファンがどこにいるかわからないから、街中自体に行きたくないと思う。巻き添え食らって何かの被害に会う危険が全くないとは言いきれないんだから。今、ノボせ上がってる連中は、自分たちを危険人物(ただのバカとか既知外ではない)と見てる人間も結構いるってことを少しは自覚して、ちょっとアタマを冷やしてほしい。マジで。 いち野球チームの優勝に留まらず、阪神V経済効果は全国規模で6355億円に昇る、というUFJ総合研究所の試算もあるようだが、この手の数字が当たったかどうか検証されたって話は聞かないから、まあ怪しいもんである。景気のいい話だけ聞かされて、実際の効果はそこそこで、企業努力自体を忘れで産業がジリ貧になるとこだって出ると思うけどね。 よく分からんのだけど、UFJ総研は、主要なファン層である10代半ばから50代半ばの人口の約2割、約1500万人が阪神ファンと想定して試算したそうだけど、そんなにファンがいるのか? いや、前のサッカーのワールドカップの時だって、別にサッカーファンでもなさそうな人もいっぱい熱狂してたみたいだから、にわか阪神ファンってのも増えてるだろうとは思うけれど、それにしても甘く見積もってんじゃないかという気はどうしてもしてしまう。 飲食費や関連グッズ、優勝セールなどの1848億円の直接需要に、関連産業の活発化による波及効果も計算に入れてるとのことだけれど、「波及」って、どこにどう波及するんだか。 結構優勝してるのに、全然経営状況が改善されず、毎年身売り話の出るダイエーホークスを見てると、所詮野球チームの優勝に過ぎないし、何かが変わるってわけでもないんじゃない? って気がしてくるんだけれどもねえ。 一応、18年ぶりの優勝って「怨念」がみんなにあるみたいだから、少しは効果が上がるのかもしれないけれど、そんな気色の悪いモノに頼らないとどうにも経済が上向かない状況だってんなら、やっぱり気分的には憂鬱を感じてしまうのである。
まあこういう阪神ファンを敵に回すような発言をすること自体、マジで危険なのだろうね。念のためにホントに何のゴマカシもなく言っとくけど、私は巨人ファンでもないよ。熱狂するのはいいけど、どこかに冷静な自分を持ってないと人の命に関わることだってあるって言いたいだけなんだからね。 でもこの程度の発言も、HNじゃあるけれど、やっぱ匿名でなきゃモノが言えないのである。この国に渦巻いてる情念の凄まじさってのは、ホントに恐ろしいよなあ。
朝、CS日本映画専門チャンネルで映画『南の島に雪が降る』を見る。ちょうどしげも起きてきたので、一緒に見る形に。名のみ知れど、これも機会がなくて見逃していた一本だった。勝手に白黒映画だと思い込んでいたが海の青と木々の緑も鮮やかな総天然色映画。 古くは『人情紙風船』から、代表作『七人の侍』や『大番』シリーズで活躍した名優、加東大介が、敗戦の色濃い中、従軍地のマノクワリで兵隊の慰問のために劇団を結成して芝居公演を打った実話をもとに書かれたドキュメンタリーを、自身の主演で映像化したもの。 監督は一時期『パレットナイフの殺人』『蝶々失踪事件』ほか、ミステリの佳作を多数作った久松静児。時代ものから文芸ものまで手がける職人監督である。脚本は『若大将』シリーズの笠原良三。東宝としては手堅い人を加東さんのために用意してくれたというところか。 解説がなぎら健壱さんなのだけれど、凄いキャストが揃ってると語る通り、当時の東宝映画の名優、喜劇人が勢ぞろいという雰囲気である。 伴淳三郎・有島一郎・西村晃・渥美清・桂小金治・森繁久彌・三木のり平・フランキー堺・小林桂樹といった人たちがそれぞれに「一芸」を披露してくれるのだから、これが面白くならないわけがない。 ところが、なぎらさんは「フランキーさんのピアノのシーンは長すぎて映画を壊してる」と言い切っちゃうんだから手厳しい。それ言ったらマルクス兄弟映画のチコの一本指ピアノも、ハーポのハープシーンもムダって言われそうなんだけど。 個人的に嬉しいのは有島一郎の篠崎曹長が披露してくれる博多にわか。にわか面付けていきなり演じ始めるけど、何の説明もないあたり、昔は博多にわかも全国区的な知名度を持ってたんだろうなあ。今はねえ、博多の人でも、若い人になるとナマの博多にわかは見たことないって言う人、増えてるんだよね。 知ってる人は多いと思うが、この篠崎曹長のモデル、小林よしのりのお爺ちゃんである。『戦争論』のどれだったかにそのエピソードが載ってたんで、興味ある人は探して読んでみてみることをオススメする。思想がどうのじゃなくて一エピソードして面白いんでね。有島一郎に自分を演じてもらえて、ご本人もきっと嬉しかっただろうな。 しげがラスト近くで風呂に入って、結末は見なかった。なんだもったいない、と思っていたら、上がってきて、「ねえ、みんな死んだ?」と聞いてきた。 「死んでるわけないやん! 加東さん、戦後まで生きてたろ!?」 「じゃあ、何人生き残ったと?」 「3千人生き残ってるよ!」 どうも戦時中、島にいた人は全員玉砕したとか思ってたようなのである。やっぱ「知識として」戦争のことはもっと詳しく、学校で教えたほうがいいよなあ。
昼どきは、ずっとビル爆発のニュース見てたけど、細かい情報は明日にならないとわかんないだろうから感想は明日の日記に。 しかし休日だけでなく、平日にこうしてリアルタイムでニュース見られる生活ができる人はうらやましいよなあ。
先週だったか、某掲示板に福岡関連の書き込みがあって、なんか間違ってること書いてるなあ、と思ったのだが、今度は「天神は福岡だ」とかなんとか、適当なことが書かれている。しかも同じ人だから、この人は本当に福岡・博多のことを何も知らないらしい。 いや、それだけなら間違いとは言えないのだ。地域的に那珂川の西側に「今の」天神地区があって、間には「福博出会い橋」なんてのまでがかかってるから。ただ、その人が「あんなとこ(天神)と博多を一緒にするな」と博多の人間が思ってる、と書いてるところが大間違いなのである。 前にも書いたが、もともと「福岡」という地域は博多にはなかったのである。黒田氏が居城を構えた時に地名を移殖した(実を言うと、その時点では博多の海岸線はもっと南にあって、今の天神地区はほほ全部が海だった。従って、厳密に言えば天神は福岡でも博多でもない)。「博多湾」という言い方からして、全体が博多だった、ということに気づいてもよさそうなものなのだが。「博多」の語源の一つに、「羽形」=「鳥が羽を広げている形」という説もある(俗説だけど)。つまり今の福岡地区も含めて、もともとは全部が、「博多」であったわけ。 「天神」はもちろん、太宰府天満宮の菅原道真を祭神としているので、「福岡」よりも歴史は古い。道真公が一時、今泉に立ち寄って、それから大宰府に移られたので、そこに「水鏡天満宮」(つまりそこが当時の海岸線だったのである)を建てたのがその始まり。もともと博多の神様なのだから、「あんなとこ」なんて博多んもんが思うはずがない。 問題なのはそこからで、ここでまた黒田氏が出てくるのだが、福岡城を築いた時に、その鬼門である現在の位置に天満宮を移した。つまりは、「神様は福岡の武士だけ守ってくれりゃいいんで、博多の人間はどうとでもなれ」という措置なんである。武士の、博多の町人に対する差別意識が、こういうところに表れていたということだね。それでも博多の人間の天神さまに対する信仰が変わるわけではないから、「天神は博多」という言い方も間違いとは言えないのである。 というわけだから、福岡にだって、もともとの博多の人間はいる。単純に地域だけで分けられるものでもない。博多の人間が嫌うのは、おエライさんに媚びへつらって、「福岡」人の意識で「博多」を差別的に見るやつらなんである。 こないだはくだくだしく説明したくないからと、こういう細かいところまでは書かなかったけど、その土地のことをよく知りもしないのに知ったかぶって、博多の人間が差別的な意識を持ってるかのように真逆のデタラメを書くってのはどういう心理なのか。どうもこの人、単純にモノを知らないだけではなくて、底意地の悪さというか、下劣な悪意すら持って博多のことを見てるんじゃないかという気もしてくる。少なくとも、他人を見下したいという傲慢な気持ちがなけりゃ、こういうことは書けない。 無知なこと自体は恥でもなんでもない。しかし「無知のままでいい」と開き直ったり、無知を指摘されることを逆恨みするような態度は、ただ醜いだけではなかろうか。
その人がここを読んでる可能性もあるので、ハッキリ書いときましょう。 あなたの行動に対して怒ってもいないし、見下してもいないし、何か反省を求めたいとか思ってるわけでもないです。もし私がそう思っているとお考えでしたら、それはただの妄想です。 もちろんあなたが、今後もデタラメを書き散らしても、あなたにとっては自分の感覚がデタラメだとは思ってないんでしょうから、別に構いはしませんし、訂正を求めもしません。「真実」は人の数ほどあります。あなたの言うことを信じる人間がいても、それはそれで仕方がありません。ですから、そちらの掲示板に訂正の書き込みをするようなマネもしません。 ただ、あなたの言葉を真実と思わない人間も、圧倒的多数でいます。私の言は私だけの思いこみではありません。それは博多の歴史を少しでも調べてみれば分かることです。かと言って、調べろなんて押しつけもしませんし、それを「正しい」と強弁する気持ちもありません。 私はここで勝手に「分析」と「訂正」をしてるだけなんで、こちらに悪意がないことはご理解いただけると思います。
マンガ、山科けいすけ『C級さらりーまん講座 付和雷同編』(小学館/ビッグコミックススペシャル・872円)。 この本自体はもう何ヶ月も前に出てて、買ってたんだけど、しげが本棚の奥に隠してたんで見つけるのに手間取った。だからどこにでも本を持ってくなよって。 6巻を最後に巻数が書かれなくなったのでわかりにくいのだが、これが8巻。旧巻を増刷するのを避けてるのか、すぐ絶版にできるための措置なのか、ファンとしてはちょっと嬉しくないことではある。どこにも旧巻の案内が載ってないんだものな。 連載作品を全部収録してなくて、セレクトしてるとは思うのだけれど、そのおかげで内容は濃くなっている。ただ、新キャラの男山課長、顔がゴツイから周囲から男らしく思われてるけど実は小心者っての、『黒イせぇるすまん』の「たのもしい顔」のネタとかぶってるよなあ。いや、「顔のわりに小心」っての、ほかのマンガにもよく出てくる設定だから、今更パクリだとは思わないけれど、「サラリーマンもの」でそれやっちゃうととどうしても類似性が気になるんで。喪黒福造に「ドーン!」ってやってもらったらどうだとか思っちゃうんだよね。 ビルにガソリン撒こうとする左遷された平社員のマンガがあったけど、まあ何というシンクロニシティ(^_^;)。
2001年09月16日(日) オタクの輪ッ!……古い(^_^;)/『(週)少年アカツカ/おまわりさんを追いかけろ!号』(赤塚不二夫)ほか 2000年09月16日(土) 電波とスケルトンと二人乗りと/アニメ『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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