無責任賛歌
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2003年07月01日(火) |
踊らぬ娘に踊る人々/『寄生獣 完全版』8巻(岩明均)/『エンジェル・ハート』7巻(北条司) |
ミュージックステーションをドタキャンしたロシアの女子高生デュオ、タトゥーであるが、その記者会見の様子を初めてテレビで見る。 まあなんかロシア語で「私たちだけのショーにしたかった」とか言ってるが、じゃあ、1時間ずっと自分たちで歌いっぱなししたかったってことなんだろうか。つーか、契約時にそういった打ち合わせができてなかったとは到底思いにくい。 確か以前、「週刊文春」か「新潮」だったかで、タトゥーのことを「現代女子高生のカリスマ(いい加減でこの誤用もなんとかしたらどうだ)」なんて紹介がされてたけど、ロシア人だろうが日本人だろうが、たかだか17、8の小娘に、人を心から魅了できるだけの天分がそうそうあるわきゃないのである。どうもこの二人の「人気」とやら、多分に「作りもの」である公算が大きい。 ファッションセンスがどうの、レズであることがどうの(これもどうも宣伝臭い)、そういったプロパガンダに乗せられるのは乗せられる者の自由だけれど、今回のトラブルも案外故意にやってんじゃないか。 それが証拠に、あっちこっちの日記で、今回のタトゥーの件を話題にしているが、この事件以前にその存在を知ってたらしい人がほとんど見当たらない。私だって「文春」を読んでなきゃ「タトゥーって誰?」ってなもんだったろう。 まあ、「このクソナマイキなロ○ケが」とお怒りになる向きが多いのもわからんではないが、腹立てる分だけあのコたちの宣伝工作にひと役買ってることになるのである。ファンになるならともかく、右から左に聞き流しときゃいいんではないの。 あのコたちも、ホントに「タレント」として自分たちをアピールしたいんだったら、生放送中にいきなり脱ぐくらいのことすりゃいいのだな。どうせ話題になる「だけ」のことなら、ドタキャンなんかよりそっちのほうがよっぽど「伝説」になる。マネージャーも新人の子はそれくらいの度胸で売り出そうよ。
訃報が続く。 28日、劇作家兼演出家の岸田理生さんが大腸がんのため死去。享年57。 この方についても書きだしたらキリがない。寺山修司や実相寺昭雄との関わりで語られることが多いが、まず、幻想文学の映像化に関して第一人者であったことを抑えておかないと、その耽美的な表現方法について理解することは困難であろう。 岸田さんの描く異界は、幻想の産物でありながら現実以上にねちっこい情念の世界であった。つーか、人間の抱く幻想って現実以上に生々しいものなんだよ。なんたって人間が心の奥底に封印している深層意識の世界なんだから。そこんとこがよく分ってる作家さんだったのだ。 代表作はやっぱり舞台『身毒丸』あたりになるのだろうか。『1999年の夏休み』も、金子修介が監督でさえなかったらもっとドロッとした心に迫るものになってたと思う。映画『さらば箱舟』とかも面白かったけれど、泉鏡花原作のテレビの『青い沼の女』が一番印象深い。ヒロインの山本陽子がちょっとトウが立ってたのが難だったが。それにしても若過ぎる死である。
続く29日、米女優、キャサリン・ヘプバーンさんが老衰のため死去。享年96だから、これは大往生。 4度のアカデミー賞主演女優賞に輝く大女優。今でもアメリカでは「ヘプバーン」と言えばオードリーよりもキャサリンなのかな。アメリカの「理知」を代表する女優ということだが、私のような若造がリアルタイムで見たのは1981年の『黄昏』だけである。でも、18歳の若造には彼女の渋みはピンと来なかった。 若いころの写真を見ても、決して美人とは言えない。額と鋭角的な輪郭にケンがある。ただ、いかにもインテリぶった映画マニアが誉めそやしそうな「知的」に見える雰囲気はあった。それがイヤだったから、彼女の出演作をあえて選んで見ることもしなかった。それもまたつまらない拘りではあったが。 偶然見ている出演映画に『若草物語』『フィラデルフィア物語』『アフリカの女王』『招かれざる客』などがあるが、彼女の印象がほとんど残っていないのはどういうわけだろう。女優好きの私にしては珍しいことである。 この人の訃報については、それこそ故・淀川長治さんに感想を聞きたかったものだが、淀川さんも相当長生きしたのにそれ以上だったんだから恐ろしい。
ネット上のウワサであるが、近々『名探偵コナン』のアニメが終わるらしい。 まあ終わってくれたほうがいいようなアニメであるが、視聴率的にはまだまだどころか全然ヒット中のアニメを簡単に終わらせられるものなんだろうか。 原作もすっかり出来が悪いものばかりになっちゃったし、いい加減、スタッフも嫌気がさしてんじゃないかって気もするが、仮にいったん終わったとしても『ルパン三世』や『シティ−ハンター』みたいにスペシャルでどんどん続く、なんてことになりゃしないだろうか。 でも終わるんだったら、ホームページのコンテンツで貶すこともないかな。
今日もまた雨。 しばらく天神のLIMBに出かけてないので、今日あたり寄ってみようかと思ってたのだが、雨ん中を歩く気分ではないので中止。 博多駅前にはもう飾り山笠が飾られているが、見送りを覗く余裕はなし。知ってる人は知ってると思うが、山笠の裏側(これを「見送り」という)、子供の客を当てこんで毎年アニメキャラが飾られることが多いんである。 今年は、「探偵学園Q」「犬夜叉」「金色のガッシュベル」「ターミネーター3」「ドラえもん」など。まあどれだけ珍妙なものが飾られるか笑って見てやろうってことなんだが、毎年毎年、こんなトンデモなものを博多はミセモノにして恥を晒してきてるのである。今更、事件の一つや二つ増えたところで、博多っ子の神経はビクともせんわ(^o^)。 また今度の休日あたり、あちこち回って映像を撮ってこようかと思う。 もし、他地方の方で、一年で一番人出の多いこの時期に博多に来ようなんて奇特な方がいらっしゅったら、こんなものやってますんで、お笑いの種にどうぞ。
番 流 種 別 標題 人形師 一 中洲流 舁き山 鐘馗求玄宗之誉 中村信喬 表 激戦太刀洗武勲 三宅隆 見送り 老公博多世直旅 中村信喬 二 西 流 舁き山表 寶劍在手裏 井上和彦 同見送り 金鳳舞碧天 井上和彦 三 千代流 舁き山 吉法師不羈之勇 川崎修一 表 項羽劉邦誉 川崎修一 見送り 決闘巌流島 川崎修一 四 恵比須流 舁き山 和気兆豊年 亀田 均
五 土居流 舁き山 毘沙門天法燈照 中村信喬 六 大黒流 舁き山 八風吹不動 置鮎琢磨 七 東 流 舁き山 聖一国師大願祈 室井聖太郎 表 櫛田社前菊池勢 室井聖太郎 見送り 西遊記 中野親一 八 上川端流 表 茨城童子綱館段 田中 弘 見送り 奇襲桶狭間之戦 田中 勇 九 新天町 表 破浪一箭射紅扇 亀田 均 見送り 探偵学園Q 亀田 均 十 博多リバレイン 表 満開博多七福神 置鮎琢磨 見送り 助六由縁江戸桜 置鮎琢磨 十一 渡辺通一丁目 表 源平盛衰記 中野親一 見送り 犬夜叉 中野 浩 十二 福岡ドーム 表 壇ノ浦源平合戦 三宅 隆 見送り 勝鷹V奪還 置鮎琢磨
十三 博多駅商店連合会 表 決闘巌流島 置鮎正弘 見送り 金色のガッシュベル 置鮎正弘 十四 キャナルシティ博多 表 国性爺合戦 置鮎琢磨 見送り ターミネーター3 置鮎琢磨 十五 川端中央街 表 決闘巌流島 中野親一 見送り ドラえもん 中野 浩 十六 ソラリア 表 城郭悠然黒田藩 置鮎正弘 見送り 清涼山誉連獅子 小嶋慎二 番外 櫛田神社 表 決闘巌流島 中野親一 見送り 神話因幡之白兎 中野親一
マンガ、岩明均『寄生獣 完全版』8巻(完結/講談社/アフタヌーンKCDX・900円)。 全巻を改めて読み返してみると、この話が本当に面白かったのは、新一がミギーと混じりあって、だんだんと人間の心を失っていくあたりまでだったなと思う。人間が人間であることの意味はなんなのか、寄生生物が混じることで「心」が失われていくとすれば、そもそも「心」とはいったい何なのか、そのあたりをもっと突っ込んで描ければ、SFとして相当面白いものになったと思うんだけれど、結局、「意味もなく」新一は人間の心を取り戻してしまった。「寄生生物ってなんだったの?」ってもどかしさは、前に読んだ時も感じたことだ。 これを岩明さんの代表作とするのは、ちょっと持ち上げすぎって気がするな。
マンガ、北条司『エンジェル・ハート』7巻(新潮社/バンチコミックス・530円)。 今巻から新展開、今までが「C・H香瑩誕生篇」という序章で、これからが新生C・Hの活躍が始まる「激動篇」だそうな。 つーか、香瑩使って、女の子のシティーハンターやりたかっただけじゃんねえ。 いやね、お話自体は必ずしも悪くないんだけど、なんか「どこかで聞いたような」って話ばかりで新鮮味ないんだよ。 実の双子の弟を殺してくれという依頼がリョウに持ち込まれる。暴力団の組長になった弟の罪を、何とかして食いとめたいというのが彼の願いだった。そしてそのあと、自分をも殺してほしいと。しかし悪の道に走ったと思えた弟は、兄への愛情を失ってはいなかった。 これって、なんか元ネタあったよなあ、と思うんだが思い出せない。まあパクリとまでは言いきれなくても、今どき、こういう「人情ばなし」ばかり語られてもねえ、と思うのである。
2002年07月01日(月) 戦争は終わった/DVD『名探偵登場』 2001年07月01日(日) 食いすぎたのは、あなたのせいよ/『コメットさん』(横山光輝)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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